INTERVIEW
経済産業省|社会人経験者採用

若くても、経済産業省でなら「国を動かす仕事」に挑戦できる――29歳・銀行出身職員が語る入省の決め手

掲載日:2025/05/22更新日:2025/05/22

経済産業省(以下、経産省)での社会人経験者採用にあたり、2023年12月に同省に入省した川嶋 正輝さん(経済産業政策局 地域経済産業政策課 係長 ※取材当時)を取材した。もともとメガバンクにて法人営業を担当してきた川嶋さん。20代で経産省へ――そこには「年齢に関わらず、若いうちから“国を動かす仕事”に挑戦していきたい」という思いがあった。

若いうちから「国を動かす仕事」に挑戦していきたい

前職、メガバンクにて中堅・中小企業向けの法人営業として働いていた川嶋さん。転職を考えるようになったきっかけ、経産省入省を決めた理由から聞くことができた。

前職では経営者の方々に対し、融資提案をはじめ、M&Aや事業承継に関するサポートなど金融サービスを提供する法人営業担当者として働いていました。どうすれば担当する企業の成長に伴走できるか、どのようなソリューションを通じて企業の未来や夢を支援できるかを常に考えており、経営者の方々はもちろん、従業員のみなさんやそのご家族など、多くの関係者の人生に関わる仕事でもあり、非常に貴重な経験をさせていただくことができました。

一方で、銀行もビジネスなので、利益追求も考えなければなりませんでした。顧客ニーズに基づく提案活動だけではなく、より高い利益が期待できる商品提案を求められることもありました。もちろん、それは担当する企業にメリットがある提案でもあるのですが、「本当にお客さまのためになっているのか」と葛藤し、もどかしさを感じる場面もあり、転職を意識するようになりました。

転職を検討する中で、なぜ、経産省を選んだのだろう。その志望理由・入省の決め手とは。

まず、銀行で働く中で経産省による中堅・中小企業向けの事業・制度についてお客さまにご案内する機会が多く、身近に感じていました。どういった政策や制度、仕組みづくりに携わるのか、イメージがつきやすく、興味を持っていました。また、せっかく転職するなら銀行での経験、知識を活かして働きたい。戦力として貢献したい思いも。特に直接的に中堅・中小企業の経営を支援してきた現場経験は、経産省でこそ活かせるのではないか?と考えました。

そして何よりも魅力に感じたのが、経産省であれば、年齢に関わらず、日本経済全体にインパクトを与えられるような政策、制度を手掛けていくことができる点です。人生における大半の時間を仕事に費やすわけですから、後に振り返った時、「自分はこれをやったんだ」と言えるような仕事がしたい。社会にインパクトを残す、そういった影響力のある仕事を志し、経産省への入省を決めました。

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経産省での選考について「金融業界から経産省に転職された職員の方のお話がとても印象に残っています。」と話す川嶋さん。「20代後半から30代前半という若さで国際的なプロジェクトを動かしている職員だったのですが、とても刺激を受けました。経産省では若いうちから国の方針を左右する大きな仕事にも携わっていけると感じられ、良い意味でのギャップがあり、志望意欲が高まりました。」

日本の未来を見据え、多様な政策に携わっていくやりがい

こうして2023年12月に経産省に入省した川嶋さん。現在の業務概要について聞くことができた。

入省以来、経済産業政策局 地域経済産業政策課に所属しています。その名の通り、総合的な「地域経済産業政策」の企画・立案・推進をミッションとした部署なのですが、変化の多い地域経済の実態、政策に応じ、柔軟に対応していくことが特徴でもあります。

例えば、売上や国内投資が伸びており、従業員数や給与総額の伸び率が大企業を上回る、いわゆる中堅企業が地域経済の活性化に大きく貢献しているのですが、そういった中堅企業等の成長をいかに引き上げていくか。また、国内投資促進を図っていく上で、いかに産業用地の確保や産業インフラの整備を推進していくか。それらが重要な施策の一つとなっています。そういった中でも、私が担っているのが「総括係長」という役割です。課内にいくつかある班で検討されている政策の進捗状況を管理し、全体の取りまとめ、上司や他局、他省庁との窓口として調整機能を果たしています。また、現在、政府として、若者や女性にも選ばれる地方の実現などに取り組む「地方創生 2.0」が掲げられていますが、経産省内の関連する政策の取りまとめ等も担っています。

経産省での「仕事のやりがい」について川嶋さんはこう語る。

私自身は「総括係長」という立場でもあるため、現在は直接的に法律や制度、政策立案に関与しているわけではありません。ただ、課内で検討されてきた政策について、総理や大臣が発言し、大々的に報道されるなどすると、そのスケールの大きさ、国全体へのインパクトが実感できます。日本の未来を見据え、さまざまな政策に日々触れることができる。ここは大きなやりがいにつながっています。

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やりがいの一方でミスマッチをしないためにも事前に知っておいた方がいい「厳しさ」について、「利害関係者が非常に多い中での調整が必要になり、一筋縄ではいかないと感じることも多いです。」と話をしてくれた川嶋さん。「省内でさまざまなアイデアがあったとしても、経産省だけでは物事は進みません。他省庁や自治体、民間企業、議員など多くの利害関係者との調整が必要です。例えば、地域で産業用地を新規造成するための措置を講じようとなった場合、農地確保が課題として挙がったとしましょう。すると、農水省等との交渉・調整が必要となりますので、時間も労力もかかります。また、2年程度で異動することが多く、在籍中に取り組みの成果が実を結ぶとは限りません。いかに信念を持って政策を実行、継続させ、成果に結びつけられるか。強い思いと同時に、根拠や納得度を追求していく。現場の声を聞きながら、関係者を強力に巻き込んでいく。そういった力が求められる仕事でもあると思います。」

「自分」を武器に、社会に良い影響を与えられる存在に

そして取材後半に聞けたのが「今後の目標」について。

経産省として掲げる「未来に誇れる日本をつくる。」というミッションを念頭に置き、私自身も経済成長と社会課題の解決、この2つの追求に貢献したいです。よく「空白の30年」と言われますが、過去30年間にわたり、長引くデフレの中で必要な設備や人への投資が充分に行われてこなかったこともあり、日本経済の成長は低迷しました。そんな中、GXや半導体への大規模な支援など政策による押し上げ効果もあり、国内投資が戻り始め、「潮目の変化」が起きています。経産省として「経済産業政策の新機軸」を打ち出していますが、それらの政策に積極的に携わり、社会的インパクトにつなげていきたいです。特に銀行勤務で培ってきた「現場主義の考え方」を忘れず、机上の空論に陥らないよう、業務に向き合っていければと思います。また、中央省庁では2年ほどで異動があるのですが、個人的には宇宙産業などにも興味があり、「ミクロ的な政策を検討する部署」でも経験を積んでみたい思いもあります。宇宙に限らず、それぞれの産業にはどのような課題があるのか、広く学び、ゆくゆくは現在のようなマクロ的な政策立案ができる部署に戻って挑戦していきたいです。

最後に、川嶋さんにとっての「仕事」とはどういったものなのか。仕事の価値観について聞くことができた――。

「自分らしさ」を武器に社会に貢献していく、それが私にとっての「仕事」だと思っています。これまでずっと意識してきたことでもあるのですが、その組織や会社の看板、ブランド、サービスの力に頼るのではなく、「自分」が付加価値となり、選ばれ、良い影響を与える存在でありたい。おそらく、その原点には、学生時代の「個別指導塾」における塾講師アルバイト経験があるように思います。その塾には「担任制度」があり、多くの生徒たちから「担任として選んでもらえる喜び」がありました。新卒で銀行に入行したのも、商材やサービスによる差別化ではなく、担当者自身の熱意、人間力が求められることに魅力を感じたからでもあります。そういった「自分らしさ」を磨きつつ、多くの人に付加価値を提供したい。そして政策を通じ、日本を良い方向に変えていく。そういった存在を目指していければと思います。

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