INTERVIEW
厚生労働省

化学製品企業から厚生労働省へ。公共分野で「誰かの幸せ」のために働くキャリア選択

掲載日:2026/05/19NEW更新日:2026/05/19
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厚生労働省(以下、厚労省)による経験者採用/総合職募集が実施される。同募集にあたり、化学関連製品を取り扱う企業を経て、2025年4月に厚労省に入省した小林 美穂さん(厚労省 老健局高齢者支援課・主査 ※取材当時)を取材した。なぜ、彼女は転職を考え、厚労省への入省を決めたのか。そこには「公共分野で誰かの幸せのために働いていきたい」という思いがあった――。

※画像内は「転職当時の年齢」となります。

「生活」に関わる公共分野で、誰かの幸せのために働きたい

前職は化学製品企業で勤務をしていたという小林さん。まずは、前職での仕事内容、そして厚労省への入省経緯について伺った。

前職は、化学品原料・コーティング剤などの製品を扱う企業で勤務していました。その中でも、界面活性剤に関する研究から、新製品の販売促進、原料や化学品原料の購買業務まで多様な職種を経験してきました。

その中でも特に印象に残っているのが、販売促進の仕事です。もともとBtoB製品をメインに扱う会社だったのですが、新規事業でBtoC製品として「化粧品」を開発しており、その販売促進セクションの立ち上げに参加をしました。人数が少なかった分、企画からデザインツールを使った制作業務に至るまで携わり、この経験が転職を考える転機となりました。

じつは、その販売促進を通じ、私自身「自ら企画し、反応が得られるような仕事が好きなのだ」と気づくきっかけになりました。アイデアを形にし、世に出すと、すぐにお客様から反応が返ってきます。その反応を踏まえ、PDCAを回し、販売数が伸びていく。そういった一連のプロセスがとても楽しく、大きなやりがいを感じました。何よりも嬉しかったのが、アンケートで知ることができた「とても楽しい企画をありがとうございます。次回も楽しみにしています。」といったお客様の声です。そして次第に抱くようになったのが「売上や利益などにこだわらず、直接的に“誰かの幸せ”につながる仕事がしたい」という思いでした。

もう一つ、同僚や友人など「子育てと仕事の両立に苦労している女性たち」の姿を間近で見ていくなかで抱いた問題意識もありました。「今の仕事にはやりがいがあるけれど、現状のままでは続けられない」と仕方なく退職を選択した友人もいました。そうした切実な悩みに触れる中で「労働環境の整備や、仕事と家庭との両立支援などに携わりたい」と考えるようになりました。

そういったタイミングでAMBI(アンビ)を見ていて出会ったのが、厚労省での経験者採用(キャリア採用)です。厚労省は医療、介護、福祉、労働といった人の生活に極めて密接に関わる分野を担っていますし、まさに「誰かの役に立つ仕事」ができる。そう考え、選考に進み、入省を決めました。

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今回の転職活動について「じつは明確に“公務員になろう”と決めていたわけではありませんでした。」と振り返る小林さん。「公共分野などで誰かの幸せに貢献できるところに転職したいと考え、AMBIで求人を眺めていました。そうした中で偶然、厚労省での中途採用を見つけ、“これだ!”と思い、その場で応募をしました。もともと私自身は新しい一歩を踏み出すのが少し苦手なタイプでもあります。ですが、ちょうどそのタイミングで夫が「どうしてもやりたいことがある」と違う業界に転職すると決断し、その姿に背中を押されたところもあったのかもしれません(笑)。」

厚労省で向き合う「介護職員の不足」という社会課題の解決

こうして2025年4月に厚労省に入省した小林さん。現在、取り組んでいる分野について聞くことができた。

現在、私自身が取り組んでいる分野は「テクノロジーなどを活用した介護現場の生産性向上」の推進です。その背景にあるのが、2040年に向けた「高齢者増」と「生産年齢人口の減少」という厳しい現状です。介護職員の不足が予測される中、いかに現場の方々の負担を軽減していくか、ここが喫緊の課題となっています。一方で、介護の本質である「自立支援」も重要であり、受ける側の幸福度を高めることも欠かせません。ケアの質を維持・向上させつつ、職員の業務負担を軽減する。この両立を図るのが「生産性向上の分野」だと捉えており、とても意義深く、やりがいを感じています。

特にやりがいを感じるのは、現場の方々と直接お会いする場面です。たとえば、大臣の視察対応などで現場を訪問することもあるのですが、生産性向上の取り組みの一環として導入された「介護用のアシストスーツ」について「これのおかげで腰痛もなく元気に働けている」というお声もありました。また、生産性向上の取り組みにより、「離職率が下がった」「有給休暇の取得日数が増えた」という具体的なインパクトについて知ることもできました。

ただ、もちろんそういった取り組みにも課題はあります。たとえば、「テクノロジーを導入したくても、初期投資の資金がなかなか出せない」という小規模事業者の方々のお声も少なくありません。そうした現場の声を拾い、解決に向けて一つずつ検討を進めていくことが重要な役割となります。

また、「介護職員の不足」という課題に対し、「生産性向上」は、さまざまあるアプローチのうちの一つです。当然、人材確保自体も重要ですので、省全体として複数の局が連携し、重層的に取り組んでいるところでもあります。

こういった様々な課題に対し、正解がない中で多面的なアプローチを考えていく。全体を広く俯瞰しながら関わるすべての人の幸福度を追求していく。このように幅広く携わっていくことができる点も厚労省で働く上での大きな魅力だと思っています。

やりがいの一方で、民間企業から転職してきて感じる「厳しさ」についても率直に聞くことができた。

まず民間企業との非常に大きな違いとして感じたのが「意思決定のプロセス」です。公的な分野では外部への発信に重い責任が生じるため、決裁を通していく過程が非常に長く、慎重です。ですので、ゴールから逆算し、綿密なスケジュールを組み立てる力がより強く求められると感じています。さらに期限の短い依頼が複数同時に来たり、国会の時期には対応業務が多く発生したりすることもあります。一つずつ着実に対応していくためには、一人で抱え込まず、各分野に精通している方々に臆さずに話を聞きに行くことも重要です。自己管理能力と同時に、そういった「誰かを頼る姿勢」も必要とされる環境だと思います。

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「入省後まもなく携わった法改正のプロセスも、非常に貴重な経験でした。」と話をしてくれた小林さん。「有識者会議で議論が行われるのですが、委員の方々の意見を法案に落とし込むため、過去の取り組みや今後の課題をまとめた資料を準備し、議論の方向性を形にしていくなどの役割を担いました。テーマ選定から議論の整理まで、スケジュールに合わせて進める業務は非常に大きな労力を要しますが、チームのメンバーと連携して乗り越えることができ、非常に学びの多い業務だったと感じています。」

問題の根本解決に向け、全体を広く捉える視点を養っていきたい

そして取材後半に聞いたのが、厚労省での仕事を通じ、実現していきたいことについて。

現在も「家庭と仕事の両立」「女性の働き方」といった労働分野への関心はありますが、同時に、あまり特定の分野にこだわり過ぎず、様々な経験をしていきたいと考えています。入省して改めて感じるのですが、厚労省が扱うのはどれも最終的には「誰かの幸せ」につながっている分野であるということです。どういった分野であれ、問題の根本解決に向けて自分に何ができるのかを考え、一つの事象だけでなく、常に全体を広く捉える視点を養っていければと思います。

最後に、小林さんにとっての「仕事」とはどういったものなのか。

私にとって仕事は「人生全体の幸福度を上げていくためのもの」として捉えています。仕事が人生の中で占める時間はとても長いものですよね。だからこそ、やりがいは大切にしていきたいと考えています。それが私にとっては「誰かの幸せに直接つながっている」といった実感を得ていくことだったのだと思います。

一方で、人生の全てを仕事に捧げる、という生き方は、長い人生を考えた時には持続していくことが難しいものです。ですので、やりがいの追求と家庭面をしっかりと両立させ、人生全体の幸福度を高めていきたいと思っています。自分自身、そして多くの人々の「幸福度」の向上につながるように、これからも厚労省での仕事と真摯に向き合っていければと思います。

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AMBI経由入省者が語る、応募・選考プロセスについて

「もともと厚労省が中途採用を募集しているとは知らず、AMBIで偶然見つけ、唯一の応募先でもありました。選考については、小論文と複数回の面接があり、特に面接は民間企業のものとはかなり異なっていました。特定の社会課題、一つのテーマを深掘りしていく形式が印象的で、個人的にはとても楽しかったです。たとえば、私の「国が実施している労働環境施策の周知不足に問題意識がある」といった意見に対し、「それを広く知らせるために、どういった手法を取るといいと思いますか。」と考えに寄り添いながらも深く質問をいただき、施策そのものの会議をしているようでもありました。社会課題の解決に向けたマクロとミクロの視点、そして確固たる思いと柔軟性、それらを併せ持った方が多いという印象を受けました。「こうした方々と一緒に働きたい」と思ったことも入省の決め手になりました。あくまでも私自身のエピソードではありますが、ぜひ参考にしていただければと思います。」(小林さん)


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