キリンビール、サッポロビールの求人動向に注目。とくに財務・税務、国際法務など、コーポレート部門での採用強化が見受けられた。それぞれのポジションやミッション、募集背景について見ていこう。
近年、ビールメーカー各社、外部人材の登用の活発化が見て取れる。
キリンビールから見ていくと、異例の人材登用が話題となった。
2018年、P&G出身の山形光晴氏が40代前半と異例の若さで執行役員に。同社のマーケティング改革を牽引し、「本麒麟」大ヒットの立役者として活躍する。また、キリンホールディングス社長の磯崎功典氏は「本社の3分の1を早い時期に外部人材にしたい」と語る。今後さらに人材採用を活発化させていく方針だ(*1)。
サントリーホールディングスで見ていくと、創業家以外から初の経営トップとして、元ローソン会長の新浪剛史氏を招聘。アサヒビールは、2018年に、サトーホールディングス社長の松山一雄氏を32年ぶりに外部から取締役として迎えている。
こうした中、今回注目したのがキリンビール、サッポロビールの求人だ。とくに2019年5月時点において、求人募集があったのは、財務・税務、国際法務など。
共通項として見受けられるのが「業界経験不問」、さらに「グローバル」というキーワード。求人詳細を見ていこう。
キリンビール / 会計・財務・税務担当
2017年12月期から、IFRS(国際会計基準)の導入をスタート。今後、多くの企業が導入を進めていく中、非常に貴重な経験ができると言えるだろう。
もう一つ、グローバルに活躍したい方にとってもチャンスは多い。2015年から5年間で、ビール海外販売数量の5割増加を計画するなど、海外展開に注力する同社。実際に、海外関係会社とのやり取りも多いようだ。
サッポロビール / 国際法務
「グローバル展開の推進」をグループ成長戦略の主軸に定める同社。2018年に中国市場への再参入、2019年に海外酒類事業の再編など、海外での動きは活発だ。
積極的な海外展開を仕掛ける中、国際法務の担う役割も重要になっている。グローバルなフィールドで法務として活躍したいという方にとって、非常にエキサイティングな環境があると言えそうだ。
(*1)独り勝ちは本物か キリンビールの変革(日経MJ)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43268200T00C19A4H11A00/
(*2)キリンビールプレスリリース
https://digitalpr.jp/pdf.php?r=22738