スマホゲームのスマッシュヒットが相次いだ2019年。記憶に新しいのが、ドラクエウォークの大ヒットだ。他にも、マリオカートツアーなども好調。「80~90年代の名作・名キャラ」「AR」「位置情報」などのキーワードが浮かび上がる。2019年はどんなタイトルがなぜヒットしたのか。2020年はどんなタイトルが注目されるのか。見ていこう。
IPとは、知的財産の意味。ゲーム業界でいえば、タイトルやキャラクターのことを指す。
とくに、スマホゲームのヒットタイトルで目立ったのが、国民的なキャラクターのIP活用だ。「ドラクエ」「ポケモン」「ドラゴンボール」などのIPを活用したヒット作が相次いでいる。
2019年12月現在、AppStore のトップ20でいえば、
・シャドウバース
・Fate/Grand Order
・Pokémon GO
・ドラクエウォーク
・ロマンシング サガ リ・ユニバース
・ドラゴンボールレジェンズ
・グランブルーファンタジー
・キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~
(一部抜粋)
となっている。
とくに記憶に新しく、現在もユーザー数を伸ばしているのが、ドラクエウォークだ。これまでも「ドラクエ」を活用したスマホゲームは、『星ドラ』や『DQMSL、スーパーライト』などあったが、そのなかでもドラクエウォークはリリースから約2ヶ月で1000万DL(*1)を超える大ヒットとなった。
なぜ、ドラクエウォークはここまでヒットをしたのだろうか。
その人気のウラ側にあるのは「懐かしさ」と「新しさ」だ。
たとえば、おなじみのBGMはもちろん、ドラクエ1のストーリー、敵キャラも出現するなどファンたちの「ツボ」を押さえている。
また、Pokémon GOと同じく、プレーヤーが実際に出歩いて遊ぶというシステムを採用。すでにスマホユーザーにとっておなじみとなった「AR」や「位置情報」のゲーム要素をうまく取り入れ、リアルな世界で「ドラクエの主人公になれるような体験」につなげた。
加えて、後発ならではの設計のつくりこみも、ヒットの一助となったと言えるだろう。
Pokémon GOは、「都市部を離れるとスポットが少なく、ゲームが進めにくい」というユーザーの声も。
そこで、ドラクエウォークは、クエストの場所を自分で設定可能にした。
これにより地域に関係なくゲームを進められるように。家からコンビニまでの200~300mほどの距離も、冒険に変えることができたという。
ここからは、2019年12月現在、求人を行なっている企業をピックアップした。トピックスとあわせて見ていこう。
コロプラ
ドラクエウォークのヒットで、2019年の7~9月の売上高は100億円台に到達(*2)したコロプラ。
同社IRによると、今後はスマホゲームにおいても、家庭用ゲームにも劣らないコア層にも好まれる高度な作りこみや、中高年層にも好まれるスポーツゲームなどでの展開を見据えているようだ(*3)。
Cygames
AppStoreでは常にトップにランクインする人気タイトル『グランブルーファンタジー』を開発するCygames。
今後は、e-Sports関連の展開もより注力していくという。たとえば『シャドウバース』は、優勝賞金100万ドルの世界大会が開催されることでも話題を集める。
リアルイベントや実況、配信など、総合エンターテイメントとしての要素も強まる昨今。ゲームを基軸に、時代に合わせたゲームの在り方を模索している。
Klab
アクションRPG『BLEACH Brave Souls』
リズムアクションRPG『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS(スクスタ)』
人気IPと実績のあるゲームシステムを掛け合わせたゲーム開発・運用が特徴的なKlab。155の国と地域に向けてゲームを配信し、2019年9月には提供タイトルの全世界DL数が1億5000万を突破した(*4)。
今後はIPを活用した開発と並行して、オリジナルタイトルの開発にも取り組むという。ゲームに限らず、関連業界各社と連携し、アニメ・コミック・ライトノベル・音楽などの作品もリリースしつつメディアミックスでIPに育てていきたいという。
ディライトワークス
2019年11月には日本国内累計DL数が1800万を突破した『フェイト/グランドオーダー』(*5)を開発するディライトワークス。
Twitterが発表した「2019年もっとも使われたハッシュタグ」で1位に「#fgo」が1位に輝いている。
また、同社は開発だけでなく、現在少しずつ拡大しているインディーズゲームメーカー市場への貢献にも積極的だ。
2019年3月にインディーズゲームメーカーを支援する新レーベル「ディライトワークスインディーズ」を設立。タイトルの開発・プロモーションの支援、パブリッシング業務を通し、面白いゲームを1本でも多く世に届けることに貢献する。すでに、AREA35が開発する Nintendo Switch向けタイトル『タイニーメタル 虚構の帝国』を発売している。
名作・名キャラを進化させ、ヒット作が誕生した2019年。2020年には『ファイナルファンタジークリスタルクロニクルリマスター』『ポケモンSleep(ポケモンスリープ)』などもリリースが予定されている(*6)。今後も、人気IPの活用は続くと言えそうだ。
2019年12月時点では、「オリジナルIP創出プロデューサー」「コンセプトアーティスト」「キャラクタ―モデラー」「エフェクトデザイナー」「背景デザイナー」「衣装デザイナー」などのクリエイティブ系職種をはじめ、「経営企画」「IR担当」などコーポレート系まで幅広い職種を募集していた。
興味を持った方はぜひ実際の求人も確認してほしい。
<参考>
(*1)スクエニがしっかり ドラクエウォークが1000万ダウンロード|朝日新聞
http://www.asahi.com/business/stock/kabuto/Ctkkabuto1851130.html
(*2)コロプラ、7~9月は売上高が4四半期ぶりに100億円大台回復|Social Game Info
>https://gamebiz.jp/?p=252545
(*3)IR情報 | 株式会社コロプラ【スマートフォンゲーム&位置ゲー】
https://colopl.co.jp/ir/management/policy/strategy.html
(*4)KLabGames提供タイトル累計1億5000万 ... - PR Times
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000310.000006348.html
(*5)「FGO」,日本国内累計1800万DL突破を記念してキャンペーンが ...|4gamer.net
https://www.4gamer.net/games/266/G026651/20191114011/
(*6)新作ゲームアプリ 配信カレンダー - GameWith
https://gamewith.jp/gamedb/article/show/18046?from=ios