新型コロナウィルスの影響でスポーツイベントの中止・延期も相次ぐ中、e-Sportsへの注目が集まっている。たとえば、NBAやF1が「リアル」のプロ選手・ドライバーによるe-Sports大会を開催するといった動きも。その最新動向とともに、求人市場として活発化する「e-Sports×コンサルタント」募集に注目していこう。
e-Sports市場の伸長が続いている。
国内の市場規模は、2019年、前年比27%増となる61.2億円を記録。さらに2022年には、およそ2倍の120億円にまで成長するとの予測もある(*)。
こうしたe-Sportsの動向を見ていく上で注目したいのが、多様な業界から相次ぐ参入だ。
たとえば、e-Sports元年と呼ばれる2018年には、日本野球機構(NPB)やJリーグが参入。各球団・クラブでプロテストやドラフト会議を実施されるなど、さながら実際のプロスポーツ同様の運営で行なわれている。
その他にも、サイバーエージェントグループ「Cygames」が、海外での知名度が高い格闘ゲームプレイヤーとスポンサー契約を結び、プロゲーマーチームを発足。また、国内最大級のe-Sports大会『RAGE』などの開催も手掛けている。
また吉本興業、日本テレビなどの参入も。プロチームの育成を手がけながら、さまざまなビジネスを仕掛けていく方針を発表している。
e-Sportsのビジネスモデルは、一般的なプロスポーツと同様だと言っていいだろう。
実際にe-Sportsの収益構造は、スポンサー料や広告収入などが大半を占める。たとえば、プロゲーマーやチームのユニフォームに企業ロゴを入れたり、大会に広告を掲載したり。すでに多くの企業による協賛が行なわれている。
たとえば、2019年、日本コカ・コーラはテレビ東京・電通主催「高校生e-Sports甲子園『Stage:0』」のトップスポンサーに。さらに日清食品は、世界最大の格闘ゲーム大会「EVO」、江崎グリコが『ストリートファイター5の世界決勝大会「CAPCOM CUP 2019」に協賛した。
今、多くのスポーツイベントが新型コロナウィルスの影響によって延期・中止に追い込まれている。こうした中、オンラインで対戦・観戦のできるe-Sportsが注目を集めつつある。
たとえば、NBAはゲーム会社などと連携し、プロのバスケットボール選手によるeSports大会を開催。さらにF1による公式バーチャルレースも開催された。
2022年に、e-Sportsのプレイヤー・観戦者数は6億人に達するとの予想もある。先行きの見えないスポーツビジネスの一つの選択肢として、今後新たな役割を担っていくかもしれない。
こうした中、コンサルティングファームがe-Sports事業をはじめる動きも。
たとえば2018年、PwCコンサルティングが「eスポーツ事業推進室」を設立。e-Sportsビジネスへの進出を目指す企業に対し、事業参入、チーム強化、セカンドキャリアの三つの領域でアドバイザリーサービスを提供するという。
また同年には、KPMGコンサルティングでも、e-Sportsに参入する企業や大会を運営する団体に向けた「eSportsアドバイザリーサービス」の提供をスタート。慶應義塾大学とともに、e-Sportsにおけるマネジメント人材の育成やビジネスの観点を学ぶ寄附講座「e-Sports論」を開講するといった動きもある。
求人としても、「e-Sports×コンサルタント」募集を多数見受けられた。 まだまだ黎明期である、e-Sportsビジネスの未来を切り拓いていく。チャレンジングなキャリアが広がっているといえる。ぜひ一つの選択肢として検討してみてはいかがだろうか。
(*) 2019年の国内eスポーツ市場規模は61.2億円、今後も拡大の見込み
https://www.bcnretail.com/market/detail/20200214_158502.html