INTERVIEW
神戸市役所 | 企画調整局 情報化戦略部 イノベーション担当課長

市役所をDX化せよーー神戸市役所「デジタル化専門官」を一般公募

掲載日:2020/09/03更新日:2022/01/06

「DX化を推進する、先進的な民間企業に負けないような取り組みを行っていきたい」こう語ってくれたのが、神戸市役所 企画調整局 情報化戦略部 イノベーション担当課長の山川歩さん。いま神戸市役所では、デジタルによる庁内の業務改善プロジェクトを推進する「デジタル化専門官」を一般公募する。その狙いについてお話を伺った。

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DX化による、地域課題解決のモデルケースへ

・無線 LAN化
・Web会議システム導入
・グループウェア導入
・チャットツール導入
・テレワークの拡充

これはここ4年ほどで神戸市役所が手掛けてきた、業務改善の一例。同市の数々の施策は、地方自治体におけるDXの成功事例として語られる。

「DX化による地域課題解決のモデルケースをつくっていく。先進的な民間企業に負けないような取り組みを行っていきたい」

こう語ってくれたのが、神戸市役所 企画調整局 情報化戦略部 イノベーション担当課長の山川歩さんだ。

特に最近では、日本マイクロソフトやサイボウズなど、民間企業とも連携。庁内の業務効率化、行政サービスのアップデートを加速する。

「新型コロナウィルス感染拡大をはじめ、社会情勢の変化は激しさを増している。こうした時代において、これまで以上に上質な市民サービスを提供するためには、庁内の業務効率化、さらには市民サービス提供の新たな仕組みづくりが必要不可欠になっています。その実現に向け、さらなるデジタル化を推進していく」

とくに「情報化戦略部」において、「デジタル化専門官」を新たに3名募集するーー。

神戸市役所とマイクロソフトの業務連携

2020年6月、神戸市は日本マイクロソフトと包括連携協定を締結。先端技術を活用し、行政課題の解決とスマートシティの実現を目指す。特に2020年4月には、『Microsoft Power Platform』を活用し、職員が新型コロナウイルス感染症対策における業務効率化アプリケーションを開発して話題に。政令指定都市の中でも、定額給付金のスピーディな給付を実現し注目された。

神戸市役所の企画調整局 情報化戦略部 イノベーション担当課長さんのインタビュー

山川歩 | 神戸市役所 企画調整局 情報化戦略部 イノベーション担当課長
2004年、神戸市役所に入庁。先端医療振興財団への出向などを経て、現職。イノベーション担当として、デジタル化に関するプロジェクト推進などを手掛ける。

市役所の前例や慣習にとらわれない、デジタル化の新たな事例を

まず山川さんに伺えたのは、「デジタル化専門官」が担う仕事について。

「プロジェクトマネージャーとして、庁内の業務改革を推進するポジションです。各部局からデジタル化の相談を受け、具体的な企画・提案から、実際の導入まで手掛けていきます」

とくに直近の課題として取り組みが進むのが、「ペーパーレス化」だ。

「いま市役所全体として、従来の紙ベースの業務をデジタルに置き換えていく方針を掲げています。例えば、『kintone』による業務フローの構築は積極的に推進しているところです」

事実、『kintone』は、すでに30以上の業務で導入が進められているという。

「例えば、ある部署における公用車の管理に『kintone』を導入しました。これまで紙の台帳によって行われてきた業務が、今ではスマホからの入力でデータを蓄積・管理できるようになった。今後、全庁的な展開も視野に入れています」

神戸市役所の特徴として、『kintone』の導入を各部局の職員自身が「内製」によって運用していくことが挙げられる。

「ほとんどの職員はデジタルによる業務改善のノウハウ・経験がありません。効率的な業務運用が継続して行われていくために、各職員が自走できる環境をつくっていくことも、「デジタル化専門官」の重要な役割だと捉えています」

もう一つ、全庁を挙げたデジタル化への積極的な姿勢も、神戸市役所の特徴だといえるだろう。

「市長がデジタルへの関心が高く、どんどん推し進めてくれと、背中を押してくれている。まだまだ市役所全体で言えば、前時代的な紙によるオペレーションを中心としている部署も少なくありません。ただ、だからこそ、業務改善を手がけられる余地も大きいと考えています。民間企業で培った専門的な知見や経験を活かし、ぜひ市役所の前例や慣習にとらわれず、プロジェクトを推進してほしい」

神戸市役所の企画調整局 情報化戦略部 イノベーション担当課長さんのインタビュー

デジタル化で「神戸市」をより住みやすい街へ

続けて伺えたのが、「デジタル化専門官」として活躍する人材について。彼らはなぜ民間から「市役所で働く」というキャリアを選択したのか。キーワードとして語られたのが、「地域貢献」だ。

「私たち市役所の仕事は、この街に住む人たちの生活に直結しています。いま活躍している方も、この街が抱える課題の解決に民間で培った経験・スキルを活かしたい。こういった想いを持って入庁いただきました。特に直接的な業務改善に留まらず、民間での知見や視点を職員にインプットし、市役所全体の意識変革にも貢献いただいています」

「デジタル化専門官」として得られる醍醐味については、こう補足する。

「一つひとつのプロジェクトを通して、職員の仕事が目に見えて変わっていく実感がある。目の前で働く"ユーザー"から感謝の言葉を直接聞けるのは、一つ醍醐味といえるかもしれません」

「デジタル化専門官」は、市長・副市長をはじめとする幹部層へのデジタル化・ICT化のアドバイス、市民向け行政サービスにおける電子化の企画・立案・実行なども手掛けていく。求められる資質とは?

「困難な課題を解決するために、一歩ずつ乗り越えていくことを楽しめるか。さらに関わる人たちの理解を得て、周りの人を巻き込みながらプロジェクトを進めていける行動力やコミュニケーション力があるか。ここは重要な資質だと捉えています」

さらにこう続ける。

「市役所の業務は多岐に渡り、画一的なデジタル化が難しいという特徴がある。加えて、扱う情報は非常に高度な個人情報を含みます。こういった壁やハードルをいかに乗り越えていくか。その過程を楽しめる方には、非常におもしろいフィールドが広がっているはずです」

BE KOBE

「BE KOBE」
阪神・淡路大震災から20年をきっかけに生まれた、「神戸の魅力は人である」という思いを集約したシビックプライド・メッセージ。新しいことに挑もうとする人や気持ちを愛する、そうした神戸を誇りに思うメッセージとして発信している。

そして取材最後には、デジタルを軸に神戸市をどのような街にしていきたいか。山川さん自身の想いについて伺えた。

「市民の皆様が、『神戸市に住み続けたい』と思ってもらえるような街づくりを実現したい。今後少子高齢化が進み、職員の数が減少することも予想される中、デジタルによる課題解決はより重要になっていると考えています。市役所の枠組みにとらわれず、新たなチャレンジを仕掛けていきたいですね」

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