いまDXへの対応が、あらゆる企業における経営の最優先課題となっているといっていい。こうした企業に対し、テクノロジーの知見を基軸に、事業や業務変革を担うのがDXコンサルタントだ。大手コンサルファームなども採用を進めるなど、求人市場においても注目度が高まっている。実際の求人とともに、そのキャリアについて見ていこう。
まず、なぜいまDXコンサルタントが求められているのか。その背景から見ていきたい。
そもそもDX(Digital Transformation)とは、データやデジタル技術を活用し、革新的な製品やサービス、ビジネスモデルを創出すること。さらに業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、この変化の激しい時代において、競争上の優位性を確立することを意味する(*)。
特に近年、AmazonやNetflix、Uber、Airbnb、テスラなどディスラプターの登場によって、各業界のビジネス環境は劇的な変化を遂げた。いかにこの時代に適応したビジネスモデルを創造し、マーケットで勝ち抜いていくか、あらゆる企業における最優先課題となっている。
さらにコロナ禍の到来によって、DX推進への機運は一層の高まりを見せているといっていいだろう。
例えばコロナ禍において、リモートワークをはじめとした新たな働き方へスピーディに移行できるか、企業ごとに明暗が分かれた。今後もパンデミックをはじめ、いかなる問題が生じたとしても、持続的に経営を行っていける組織体制へと転換していく。そのための手段として、DXによる組織・業務変革が求められている。
こうした状況下でニーズが高まっているのが、DXコンサルタントだ。テクノロジーの知見を基軸に、企業の事業や業務変革をミッションとする。
企業単独でDXによる変革を実現するのは、非常に困難だといっていい。組織や企業文化そのものの変革させる必要があり、社内にノウハウがなく、担える人材がいないケースも多いからだ。
今後あらゆる企業がさらなるDXへの対応が迫られるなか、その市場価値もさらに高まっていくという見方もできそうだ。
(*)参考:デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン - 経済産業省
https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf
では、DXコンサルタントとして具体的にどういった業務を担うのか。さらに企業が求める人材要件について、実際の求人をもとに紹介していこう。
■アクセンチュア
最先端のAIやRPAを駆使し、企業の事業オペレーションに関わる、全ての経営課題に対する改革をミッションとするポジションで募集が行われていた。オペレーティングモデルのデザイン、改革ロードマップの策定、デジタル技術を活用した業務改革、人材のリスキリングなどを担っていく。
特にマネージャー未満のポジションに求める経験として記載されていたのが、コンサルティングやシステム導入もしくは業務改革プロジェクト、事業立上げなど。前例のないチャレンジを担う上で、多様な経験者に活躍のフィールドが広がっているといえるだろう。
■野村総研
顧客企業のDX戦略立案、新規ビジネスモデルの立案、DX推進組織の運営伴走、事業部に対するチェンジマネジメントを通じ、DX支援を担うポジションで採用を行っていた。戦略コンサルタント、データサイエンティスト、ビジネスデザイナー、クラウドアーキテクトなどの多様な専門家ととともに、事業価値の創造を手掛ける。
求める要件として記載されていたのが、多様なデジタル技術を実務で活用した経験、もしくは、技術に対する興味関心など。特に多様なバックグラウンドの人材とコラボレーションする力も、一つポイントとして挙げられている。
■リブ・コンサルティング
「100年後の世界を良くする会社を増やす」をミッションとする同社。2020年1月、DX専門のグループを組成し、あらゆる局面においてクライアントの経営を包括的に支援できる体制を整えている。
募集されていたのが、ベンチャー企業・中堅・大企業に向けて企業価値を上げるためのデジタル化の実行支援を担うポジションだ。具体的には、デジタル活用によりクライアントの事業成長を実現するプロジェクトの推進、クライアント向け新規コンサルティングソリューションの開発・実行などを手掛けていく。
求める要件としては、「デジタルに関する企画・要件定義の経験」「継続的に成果を創出した実績」が挙げられていた。具体的に、「BIツールを始めとしたデータ分析環境の構築」「データ分析業務」「UXデザインの企画・実務」「システム開発、導入の企画・実務」の経験を活かし、活躍できるフィールドがあるようだ。
もう一つ、マインド面において、仕事を通じた成長への意欲や、「100年後の世界を良くする会社を増やす」という理念への共感も重要なポイントになる。
DXを通じた企業の新たな挑戦を実現させていく。多くのチャレンジングなチャンスや成長機会があるはずだ。
自身のスキルがフィットするかどうか、まずは「興味あり」を押すことで合格可能性が届く。興味を持った方は「興味あり」を押し、ぜひ合格可能性を受け取ってみてほしい。