コロナ禍の到来によって、いま移動のあり方が大きな転換点を迎えている。既存ビジネスからの変化を迫られるなか、モビリティ企業はどのようなビジネス構想を描いていくのか。求人とともにその動向を見ていこう。
電動化や自動化、コネクティッド、シェアリングなどの技術革新、さらにMaaS(※)といった新たな概念も登場し、数年前より「100年に一度の大変革の時代」に到来したと言われていた自動車業界。この変革の波はコロナ禍によって、さらに加速していくと捉えていいだろう。
(※)ユーザー一人ひとりに最適な移動手段を提供するサービスの総称。バス・電車・タクシー・飛行機など、あらゆる交通手段を組み合わせ、ユーザーの「移動体験」を軸にサービス設計を行なう。
いまリモートワークの浸透や、EC、フードデリバリーサービスの普及など、移動を伴わない生活様式が拡大した。従来の移動のあり方が移り変わるなか、いかに移動に付加価値をもたらしていくか。既存ビジネスからの転換も同時に求められているといえる。
こうしたなか、自動車業界をはじめ、鉄道業界や航空業界など、広く移動に関わるモビリティ産業全体が、業界を横断した次世代に向けたビジネス展開を進めている。
例えばトヨタ自動車はソフトバンクとの合弁会社「MONET Technologies(モネ・テクノロジーズ)」において、2020年9月、「MONETマーケットプレイス」の正式リリースを行った。同サービスでは、MaaSビジネス実現に必要なソリューションがAPIとして提供され、ビジネス開発に活用できる。これにより新たなMaaSサービスの登場も期待できそうだ。
同時に、自動車以外の業界においても新たな移動サービス創出の動きが見て取れる。
例えば2020年8月には、東京メトロがスマートフォン向けのアプリ「東京メトロmy!アプリ」の提供を開始した。これは鉄道、バスに加え、タクシーやシェアサイクルを利用した経路探索を可能とするサービスだ。今後エレベーターのある駅からのタクシー移動を提案する「エレベータールート検索」や、Outlookのスケジュールにおける空き時間を踏まえた移動を提案できるサービスなど、さらなる利便性の向上を実現させていく計画を示している。
レガシーなビジネスモデルを次なる時代のスタンダードへとアップデートさせていく。こうしたチャレンジングなフィールドもあるはずだ。ぜひ実際の求人をチェックしてみてほしい。