YouTuber、インスタグラマーなどSNS上で影響力を持つインフルエンサー。彼女ら、彼らが商品・サービスをPRする「インフルエンサーマーケティング」。コロナを経てSNSの滞在時間が増加傾向にある今、欠かせないマーケティング手法の1つに。関連企業の動向、求人を見ていこう。
新たなマーケティング手法の1つとして「インフルエンサーマーケティング」が注目を集める。2021年、インフルエンサーマーケティングの市場規模は425億円に。2025年には723億円に拡大するとの見通しも(*1)。とくに、Instagramでいえば、2025年には185億円に(2020年比217%増)(*2)にまで拡大するとも言われている。
影響力を持つ発信者たちにとって、SNSが「収益を上げる場」に。市場として、今まさに立ち上がっているところだ。
プラットフォーム側も、アカウントをマネタイズしていくためのアップデートに積極的に取り組む。
Instagramでいえば、2020年12月、短尺動画機能「Reels(リールズ)」にも、ショッピング機能(投稿をタップすると直接販売サイトに飛べる)を実装。
こうしたプラットフォーム自体の改善も、市場拡大を後押ししていると言えるだろう。
こうしたなか、目立つようになってきているのが、インフルエンサー自身が商品・サービスを厳選してレビューしていく流れだ。
インフルエンサー側からすれば、自分を信頼してフォローしてくれるファンに対して
「自分が本当に自信を持ってお勧めできるものだけを紹介したい」と考えるのはごく自然な心理といえる。昨今、ステルスマーケティングなど悪質な投稿が増えたことでフォロワー側の目もシビアになっている。こうした背景もあり、インフルエンサーの間では、自らの発信における「信頼性」を担保する意識が高まっていると言えるだろう。
もう1つ、最近ではインフルエンサーがプロデューサー的な役割を担うケースも見受けられるようになってきた。
たとえば、インフルエンサーが企業とコラボレーションして商品企画をしていくケース。インフルエンサーにとっては日々さまざまな商品・サービスを試すなかで生まれた「もっとこんな商品があればいいのに」というアイデアを、企業の協力を得て実現できる。企業にとっても、インフルエンサーから新商品アイデアを得られるうえ、近い嗜好性を持った生活者(フォロワー)に確実にリーチすることが可能。まさにWin-Winの関係と言えるだろう。
他にも、もはや企業に縛られず、自ら直接顧客に対して商品を販売する「D2Cビジネス」を行うインフルエンサーも登場。その内容は、自らファッションブランドを立ち上げて販売する、オンラインサロン等で自らのインフルエンサーとしてのノウハウを販売するなど様々だ。
インフルエンサーが主導権を持ちつつある時代、今後インフルエンサーマーケティングに関わっていく上では、インフルエンサーの考え・スタイルを尊重したコミュニケーションは不可欠になっていくと言えそうだ。
2021年6月現在、インフルエンサーマーケティング関連ポジションの採用も活発化している。その一部を求人とともにみていこう。
AnyMind Japan
AnyMind Groupは、世界13市場17拠点で展開するテクノロジーカンパニー。インフルエンサー・クリエイターなどの個人、メディア・ブランド企業向けに、生産・EC構築・マーケティング・物流をワンストップで支援するプラットフォームを提供する。2021年6月現在、「マーケティングチームの立ち上げメンバー」を募集していた。
FinT
ライフスタイルメディア『Sucle(シュクレ)』を運営。さらに、Sucleを伸ばす際に培ったインスタグラム運用ノウハウを基に「SNSマーケティング事業」を展開するFinT社。累計80社以上のSNSマーケティング支援実績を持つ。2021年6月現在、 「Instagramマーケティング事業における、デジタルマーケティング担当」を募集していた。
サイバー・バズ
Instagramなどを活用したソーシャルメディアマーケティングを手がけるサイバー・バズ。有名インフルエンサーともタッグを組み、企業の販促活動をサポートする中で培ったノウハウを活かして新たなD2Cビジネスを立ち上げる。2021年6月現在、「関連会社社長候補(新規事業責任者からスタート)」を募集していた。
UUUM
クリエイター・インフルエンサーのマネジメント・サポートを中心に、インフルエンサーマーケティング、グッズ、ブランド、イベント、ゲーム、メディアなど幅広く展開。2021年6月現在、「新規事業のマーケター兼サービス開発」を募集していた。クリエイターオリジナルブランドの商品PRをデジタル領域で行っていくという。
インフルエンサーをパートナーとして、新たなビジネスを仕掛けていく。チャレンジングなフィールドが広がっているはずだ。ぜひ実際の求人をチェックしてみてほしい。
参考:
(*1)すでに企業よりも強い立場に──令和時代のインフルエンサーのリアル|DIAMOND sIGNAL
https://signal.diamond.jp/articles/-/743
(*2)【2021年版】日本・海外におけるインフルエンサーマーケティングの市場規模と今後の動向 | Maro Blog
https://blog.maro.mu/2020/11/09/market-potential-of-influencer-marketing/