INTERVIEW
B.LEAGUE |チェアマン

さあ、次は「Bリーグ」の番だ。バスケで、日本を元気に――全9職種、Bリーグ「採用プロジェクト」始動

2021年8月、B.LEAGUE(以下:Bリーグ)が、全9職種・計15ポジションの大規模「採用プロジェクト」を始動させた。2021年7月にスタートした「中期経営計画」をもとに、Bリーグが目指すビジョン、その実現のための新たな組織構想、求める人物像について、チェアマンである島田慎二さんにお話を伺った。

※既に応募受付は終了しました。

コロナ禍でのチェアマン就任。2030年に向けた歩みを前へ。

2016年に開幕した「Bリーグ」ですが、ここまでの歩み、リーグとして実現ができた部分について伺わせてください。

まず前提として「Bリーグ」は「プロ野球」「Jリーグ」に次ぐ「第三のプロスポーツリーグ」として2016年に開幕しています。Jリーグ開幕が1993年ですので、じつに23年ぶり。「昭和の野球、平成のサッカー、そして、次の時代はバスケットボールだ」と。そういった期待に応える形で、前例にとらわれないアグレッシブさ、先進的なチャレンジで、開幕以来、攻め続けてきました。

特筆すべきは、スマートフォン、SNSなどテクノロジーを活用した新時代のプロスポーツリーグである、ということ。世界初といわれる「LEDフロアパネル」を使った開幕戦、さらにバスケットボール専用の動画配信サービス「バスケットLIVE」も2018年にスタートしています。スマホファーストを掲げたデジタルマーケティングにも注力してきました。

こういった時代にあった「攻め」が功を奏し、3シーズン目となる2018-19シーズンの入場者数は約260万人に。クラブ総売上も200億円を突破するなど、右肩上がりの成長を実現してきました。

ただ、4シーズン目となる2019-20シーズン途中で、コロナ禍を迎えることに。そこからはアリーナでの観戦は制限され、入場者数は大幅に減少しました。ただ、私が指揮を執った2020-21シーズンには「バスケットLIVEの有料視聴者数」「オンラインのB.LEAGUE会員数」「クラブ売上」いずれも過去最高の数字に。コロナ禍の影響はありつつも、成長を持続できています。

2020-21シーズンにおいて、とくに注力されたこととは?

まずコロナ禍によって、経営不振に陥ったクラブの再建に尽力しました。リーグが成長しても、クラブが潰れてしまっては元も子もありません。一つもクラブを潰させないという思いで全国行脚し、経営のアドバイスなどを行いました。私の強みは千葉ジェッツでのクラブ経営経験があること。そういった部分で一定の貢献はできたと思っています。

また、並行し、海外にも負けないようなアリーナの建設を全国で推進していく夢のアリーナ計画の活性化も取り組めたことの一つです。

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プロフィール B.LEAGUE チェアマン 島田慎二
新潟県出身。日本大学卒業後、マップ・インターナショナル(現HIS)入社。その後、旅行関連2社を起業(うち1社の売却)。2012年には、bjリーグ「千葉ジェッツ」運営会社ASPEの社長に就任し、リーグトップレベルの入場者数を誇るクラブへと変貌させた。2016年9月、Bリーグ理事に就任。2017年にはBリーグ副理事長(バイスチェアマン)に就任。2019年「千葉ジェッツふなばし」会長に就任後、2020年7月、千葉ジェッツを離れ、B.LEAGUEチェアマンに就任。

ビジネスとしても進化を。攻守のバランスがとれた、より強い組織へ

そういったなか、2021年7月に策定された「中期経営計画」ですが、ここまでの歩みのなかで見えてきた課題も?

そうですね。短期的な成長に留まらず、中長期的な成長をいかに持続させられるか。ここが大きなポイントだと考えています。そのためにも、Bリーグは次なるステージを目指していく。特に重要になるのは、多くのステークホルダーを巻き込んだ「ビジネスとしての進化」です。表現が適切かわかりませんが、これまで「やんちゃ」な「攻め」は存分に発揮してきたところ。その良さは残しつつ、さらに進化させた「やんちゃな大人」な集団として攻守のバランスがとれた組織を構築したいと考えています。

たとえば、コンプライアンス、ガバナンスの強化もその一つ。さらにマーケティング、スポンサー営業、経営戦略・企画、PR・映像制作…多方面の知識・経験を持つ優秀な方々に参画いただき、組織を強くしていく。

権限委譲を行いながら、ビジョン、そこへの打ち手を、現場へとスムーズに浸透させられる組織を目指します。そういった意味でも、中期経営計画をもとにした、組織改革にエネルギーを注いでいくフェーズ。日本、そして世界でも通用するリーグへと進化を遂げていくスタート地点、その成功の鍵を握るのが、今回の採用プロジェクトです。

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「リーグ改革」「夢のアリーナ計画」さらにその先を見据えて

強い組織の構築、その先に見据える展望・ビジョンについて伺わせてください。

まずは短期的なところで2021-22シーズンのアリーナ観戦でいえば、当面は新型コロナ感染対策により、入場者数の50%制限、歓声禁止などは継続される前提で準備をしています。引き続き、蓄積したノウハウを活かし、万全の感染対策をとり、安心して観戦いただけるように取り組んでいきます。

また、東京2020オリンピックで高まったスポーツ熱、バスケットボール日本代表への関心を、Bリーグにも向けてもらえるようにしたい。露出を強化し、新たなファンとなってくださる方々を増やしていく。同時に、強みとしてきたデジタル活用で、ファンのみなさまとのつながりを深め、共にリーグ全体を盛り上げていければと思います。

さらに、リーグ全体として見据えているのは、2023年に行われるFIBA バスケットボールワールドカップ2023、そしてその翌年のパリ2024オリンピック、さらにはその先の未来です。2026-27シーズンには、より大規模な構造改革*を計画しており、既に準備を進めているところです。

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*「Bリーグは、2026-27シーズンから現在の単年の競技成績による昇降格制度を廃止し、エクスパンション型へと移行する。そして売上12億円以上、入場者数4,000名以上、収容人数5,000人以上でスイートルーム設置など基準を満たすアリーナ、この3つが要となるライセンス基準をクリアすることが、新B1への参加条件となる」(引用:【公式】2026 NEW B.LEAGUE ― 将来構想特設サイトより)©︎B.LEAGUE

もうひとつ、リーグ経営の優先事項として推進してきたのが「夢のアリーナ計画」です。海外にも負けないようなアリーナを全国各地に建設していく、というもの。

いわゆるスタジアムに比べてアリーナは建設コストが抑えられ、雨天でも観戦できる施設。クラブの試合や練習がない時は、地元住民の皆さまにも利用いただきやすい。

ここは「攻め」の領域ですが、事業計画を練り、地元の皆さまの理解を得ながら、オーナー、地方自治体、チーム、建設会社、さまざまなステークホルダーと協力し、さらにアリーナ建設を加速させていきます。

ただ、こういった取り組みも、私たちが目指す「バスケで日本を元気にする」ことを実現するため。2030年、理想として掲げているのは、バスケットボールが、野球、サッカーと肩を並べるような人気を獲得し、スポーツ界に君臨している状況です。

Bリーグから多くの人気プレーヤーが輩出され、多くのファンが、当たり前のようにアリーナに足を運び、そしてメディアでも視聴している。名だたる外国籍プレーヤーが来日し、Bリーグでプレーしている。日本代表が世界の強豪国と対等に戦っている。そういった「新たなスタンダード」をつくっていければと思います。

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「これからのBリーグ」に求める人物像

今回の採用プロジェクトですが、多岐にわたる職種での募集となります。共通して求められる部分があれば教えてください。

当然、それぞれの職種、分野における知識、スキル、経験を存分に活かしていただける環境があると思います。

ただ、それだけは不十分。私たちが実現しようとしているのは、誰もまだ成し遂げていないことです。そもそも、Bリーグを社会に必要とされる存在にしなければなりません。そして社会に良いインパクトを与えるリーグへと育てていく。そのための「志」や「仕事と真剣に向き合う姿勢」を求めています。

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明文化されている【求める人物像】のなかに「感謝を示す」や「清潔感」などが含まれています。どういった意図があるのでしょうか?

ビジネスの基本として、敢えて入れている部分でもあります。「スポーツ界だから、ビジネスと違う独自のルールでいい」ではいけない。スポーツの価値に依存した瞬間、ビジネスとしてうまくいきません。まして野球、サッカーに肩を並べたいと考える挑戦者のポジション。謙虚に、奢らない。こういったスタンスは、一つひとつの仕事に求められると考えています。

たとえば、「清潔感」つまり、身だしなみにしても、ビジネスにおいて適切か。私たちが向き合っていくスポンサーのなかには日本を代表する大手企業も含まれます。そういった方々の信頼を得ていけるか。また、リモートワークなどが普及した昨今、身だしなみを含むビジネスマナー、相手の立場に立った行動、感謝の気持ちが伝えられる人間性など、仕事の基本こそが極めて重要だと考えています。

人生をかけて「バスケで日本を元気にする」に挑む

最後に、島田さんご自身は何のために仕事をされているのか、「仕事観」について伺わせてください。

そもそも仕事に対する心持ち、仕事観は「人生観」に照らしていくものだと考えています。

どのような志で、何を成す人生にしたいのか。もっといえば、どのように死にたいか。死ぬ時に限りなく悔いが残らない人生にしたいですよね。そのためには、私はこの世に「生」を受けた以上、人生を通じて 「少しでも世の中に貢献したい」と40代くらいから考えるようになりました。

この価値観は「仕事を通じて世の中に貢献していく」という仕事観に直結します。そう考えると、私はすごく幸せ者ですね。なぜなら「バスケで日本を元気にする」というバスケットボール界の理念と、自分の仕事観がまさに重なっているから。

たとえば、クラブが成長すれば、地域の皆さまが盛り上がっていく。アリーナが建設されれば、人口交流が起き、経済効果も高まっていく。さらに若者がUターンし、地域創生にインパクトが生まれる。高齢者もバスケットボールを楽しむようになれば、健康寿命が伸び、社会保障費が削減される。クラブの成長が、世の中がよくなる起爆剤となる。その支援ができることは、私にとって大きな喜びです。

当然、きれい事だけで仕事はできません。ただ、Bリーグで働き、活躍している人に共通しているのは「バスケで日本を元気にする」という理念が、その人自身の人生観に多少でもつながっていること。あらためて、そういった志があるか。理念の実現が、ご自身の幸せにつながる方に、ぜひ来ていただきたいですね。

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