掲載日:2022/07/28更新日:2023/03/09
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2019年、国内民間単独として初めて宇宙空間に到達したインターステラテクノロジズ。2022年にはシリーズDラウンドで18.7億円を調達。現在は超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」の開発を進める。こうした中、エンジニア・ビジネスディベロップメント・広報・管理などのポジションで採用を強化していく。
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日本初、民間単独ロケットの宇宙到達を実現。誰もが宇宙に手が届く未来を目指すーー
小型ロケット開発を進めるインターステラテクノロジズ。
民間企業による単独開発として、国内で初めて宇宙空間に到達したロケットを持つ宇宙ベンチャーだ。
小型ロケットが秘めるビジネスの可能性は大きい。
というのも、国主導のロケット開発では仕様決定、設計、製造、組み立て、打ち上げを分業で行なっているが、同社はこれらを一気通貫する。これにより時間・金額といったコストの大幅ダウンを実現している。
そして、この「圧倒的に低価格で便利なロケット」は、企業の宇宙データ活用への敷居を下げる。
宇宙データの活用に何百億円も掛かっていた時代は、参入出来る事業はBSやCSといった放送局など一部に限られていた。一方、コストが下がれば、より幅広い分野で宇宙データを活用できるようになる。
結果、人工衛星メーカーなどの宇宙ベンチャーはもちろん、宇宙データで解決しうる課題を抱える全ての企業・組織が顧客に。例えば、通信企業、データ解析を行なう企業、農業、漁業といった一次産業、防災などの観点でいえば地方自治体、安全保障の観点では国も顧客候補になっていく。
つまり、同社の取組みは、宇宙データを使ったあらゆる社会課題解決の土台となる。
現在、地球低軌道でのビジネスが活発化しており、宇宙産業は2040年までに100兆円を超える一大産業に成長すると予測されている。たとえば、携帯の基地局のようなものを宇宙空間に飛ばすことで誰もがインターネットにつながれるようになる「全地球インターネット」はその一つだ。他にも、リモートセンシングで農園の木の生育状況を監視し効率的に農薬を散布できるようにしたり、上空・海上の風を観測することで飛行機の最短経路を特定し燃料節約につなげるなど、さまざまな領域で活用が期待される。
人工衛星、地上系までの全てを自社内・関連会社内で完結
実は同社が手掛けるのは、ロケットだけではない。
2021年1月には人工衛星開発の子会社「Our Stars株式会社」を立ち上げ、日本初のロケット×人工衛星開発の体制を整えた。ロケットの発射場を含め、垂直統合的に事業を展開することで、無駄なく効率的に宇宙産業を推進していくのが狙いだ。
さらに、こうした幅広い挑戦を支える要素の1つが、社外に広がるネットワークだ。
2019年3月に「みんなのロケットパートナーズ」を設立。これは、「経済的支援」「共同研究」「技術・物資・ビジネス支援」「人材支援」の4分野で、各企業が持つ技術やノウハウ、ネットワークなどを生かしてロケット開発に参画できるパートナーシッププログラム。2022年7月現在、JAXA、大学、国内最大手のポンプメーカーである荏原製作所など、36社が名を連ねる。
こうした社外の機関・企業とのオープンイノベーションによって、超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」の打ち上げ、さらには宇宙産業全体の発展、ものづくり大国としての日本の国際競争力向上へとつなげていく。
宇宙のまち「大樹町」とのタッグ
ロケットを打ち上げる方角である東と南が太平洋にひらかれた日本は、世界でも有数のロケット打ち上げに適した国だ。中でも、北海道大樹町は広大な土地があり、人口密度が少ないなどさまざまな条件に恵まれ、35年以上前から「宇宙のまち」の取り組みを進めてきた。
この「大樹町」に、しかも車で約10分の近距離に工場とロケットの発射場の両方を保有していることは、世界のロケット会社を見ても、大きな強みだ。
大樹町の発射場の様子。燃焼実験が必要な推進部門などは大樹町にあるものの、アビオニクスやメカトロニクスなどは東京がベース。東京にいながら、北海道のロケット開発に関わることも可能だ。また、ZEROエンジン用ターボポンプの開発拠点は室蘭。現在は福島にも拠点を構え、各拠点で、随時オンラインミーティングを行ない連携をとっている。
航空宇宙、自動車、製鉄…さまざまな業界出身者が集結
ロケットが宇宙に到達したニュースからさらに注目が高まり、わずか2年前に約30人だったメンバー数は、約100名規模にまで成長。
働くメンバーの出身業界は、航空宇宙業界のみならず、自動車業界、製鉄業界など、約8割は他業界からの転職メンバー。さまざまな業界で経験を積んだ人材が集まる。
さらに、2020年4⽉からエンジニア人材の在籍出向を受け入れる「助っ⼈エンジニア制度」を開始。トヨタ⾃動⾞株式会社(累計4名)、古河電気⼯業株式会社(1名)、日揮株式会社(1名)、トヨタ自動車北海道株式会社(1名)など大手から出向を受け入れている。
自社だけではなく、大手ならではのノウハウを吸収しながら課題に取り組める環境だ。
目指すのは「人類の経済圏」拡張
代表取締役社長の稲川貴大さんによれば、最終目標とするのは「太陽系外惑星に行くこと、そして宇宙の裾野を広げること」。人類の経済圏、そもそも行ける場所を拡張することこそ、ロケットや宇宙開発の仕事の最大の醍醐味なのかもしれない。
最後に、稲川さんの言葉を引用して終わりたい。
「人類が太陽系外に出ることができれば「生物が海から陸に上がった」のと同じくらいのレベルの進化になるはずだ。つまり、太陽系から出ることができるツールとしてのロケットの開発は、間違いなく生物の進化においてターニングポイントになります。人類は地球の表面の資源の有無で戦っていますが、太陽系外に出ていけば何桁も違う資源採掘も可能になります。こうした「人類の進化」に挑みたい。技術で解決していきたいと思っています」