INTERVIEW
キャディ|プロジェクトマネージャー

トヨタ出身の彼がキャディを選んだ理由「180兆円市場、製造業の取引構造変革に挑みたい」

掲載日:2022/09/26更新日:2022/09/26
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「モノづくりの将来を本気で、変えようとしている。そこに惹かれました」こう語るのが、2021年にトヨタ自動車からキャディに転職し、プロジェクトマネージャーを務める堀江 顕さん(33)。トヨタにおける技術管理部、MS⾃動運転・先進安全開発部で着実にキャリアを築きながら、なぜキャディに転職をしたのか。彼の転職、そして活躍のストーリーを追った。

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「会社の看板」が無くても、社会から必要とされる人材になれているか

もともとは7年にわたりトヨタ自動車で⾃動運転技術の製品開発などに携わっていたと伺いました。専門性も高く、キャリアとしても申し分ないものだったのではないかと思いますが、なぜ転職を考えたのでしょう?

もちろん、トヨタでもやりがいを持って働いていましたが、「将来ふいに看板を外されたら本当に私は社会から必要とされる人材になれているのか」と考えたとき、危機感を覚えたからです。

トヨタでは仕事の進め方に「型」があり、その型に連動するように評価制度も紐づいていました。この仕組みが上手く機能しているからこそ、今でも数%ずつの成長が積みあがっているのだと思います。

ただ、私個人としては、将来を見据えたときに、もっと成長の角度とスピードをあげ、スキルアップをしたかった。個人としての力をつけようと思ったときに、もっと未成熟な事業や組織のなかでチャレンジをしてみたい、そう考えたとき、環境を変えた方がいいと思いました。

そしてAMBIに登録し、最初はコンサル業界を目指そうと思っていました。私は当時から妻子がいたので、できるだけ給料を下げず、さらに未経験からでも地のスキルがあれば活躍できるイメージが沸き、その先にキャリアの幅が広げられるかを重視していて。必然的に「コンサル」を目指していました。

コンサル志望から、なぜキャディへ?

たまたまAMBI経由でキャディからスカウトメールが届いて。名前は知らなかったのですが、「目指しているミッションに共感し、こんな会社は見たことがない」という衝撃があったからです。

調べていくと、キャディが目指すのは「モノづくりのポテンシャルの解放」、「製造業の歪な多重下請け構造において、平等に利益を得られる世界をつくる」という壮大なビジョンであることを知り、どんどん惹かれていきました。

私もトヨタにいたことで、製造業の業界構造としての課題は身をもって感じていました。ただ、100年以上変わらないその構造を根本的に変えていこうとしている会社があるとは思いませんでした。キャディが手掛けるのは、世界でモノづくりに関わる全ての人にとって一番良いやり方を考え実現していくこと。与えられるインパクトの壮大さが桁違いだと感じました。

そしてもう1つ、惹かれた大きな要因が、代表である加藤の存在です。キャディが実現しようとしていることは、ビジネス的な観点でみれば、正直「一番儲かるやり方」ではないと思います。おそらく加藤ほどの人であれば、その気になればより収益期待値の高いビジネスアイデアはいくらでも思いつくはず。それでも、収益性の最大化ではなく、製造業の未来を変えることに人生をかけて本気で取り組んでいる。その“エモさ”に心を奪われてしまったんです。

しかも、加藤に吸い寄せられるように、優秀で多様な人材が集結している。事前に会社について調べるなかではセールス責任者・後藤の記事を見て、あまりのキャリアのユニークさに驚き、また非常にワクワクしたのを覚えています。こんな優秀な人材が集まる環境であれば、きっと前職では得られなかったような経験を積むことができるな、と。自分もぜひ一員として関わりたいと強く思いました。

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堀江 顕
東京⼤学⼤学院⼯学系研究科航空宇宙⼯学専攻。2014年に新卒でトヨタ自動車に入社。MS⾃動運転・先進安全開発部にて⾃動運転技術の製品開発、実験グループのチームリーダーを経験。2021年11月にキャディへ中途入社。現在、プロジェクトマネージャーとして億単位の取引案件にも携わる。

キャディにおけるプロジェクトマネージャーとは

顧客に対して、課題解決につながる良いものを提案し、発注をもらい、社内での品質検査、納品までをマネジメントするポジション。
堀江さんが担当するのは、まさにこれから「CADDi」を導入していこうとしている、新規立ち上げフェーズの産業装置メーカー。やり取りするのは、企業の調達担当者であり、モノづくりの難しさも熟知した方々だ。すでにキャディは一定の認知はあるものの、あくまで新興企業。信頼を勝ち得ていくうえでは、
1.コミュケーションをとり続けて顧客の本当の困りごとを把握する 2.品質に徹底的にこだわりモノづくりのプロ集団であると認めてもらう3.キャディにしかできない提案が重要となる。

製造業に「フラットな取引構造」を

トヨタ時代と仕事の仕方は変わりましたか?

そうですね、全く違います。特に顧客であるメーカーと、その部品を製造する加工会社の双方にとって、メリットのあるポイントを探っていく部分が面白みを感じます。メーカー側の視点しかなかった前職時代とは大きく異なる点です。

なかでも特に思い出に残っているのが、入社3ヶ月目くらいのときに担当した、新規領域に進出する製造業の企業様の案件です。

その企業様は、社運をかけた新しいモノづくりにチャレンジされている最中。新規領域に進出したものの、既存のお取引先にとっては慣れないモノづくりも多く、コスト面で苦戦されているという課題がありました。さらに、新規領域はまだ軌道にのる手前のフェーズ、安定的な受注があるわけではありません。そうした状況で「CADDi」をご検討いただきました。

ここに対して私が提案したのは、新規・既存のモノづくり全体からキャディが貢献しやすい領域を可視化し、双方をセットでお受けすることで顧客のコストダウンとサプライチェーン(特に品質)を安定化させる取引形態でした。

これによって企業様は、新規領域にチャレンジしながらも、既存事業でしっかりと収益性を確保できるようになる。かつ、既存事業もお任せいただける体制を構築することで、協力してくれる加工会社にとってもコンスタントに仕事がある状態をつくることができる。つまり、加工会社としても仲間意識を持って、快く協力してもらいやすくなるわけです。

結果的に、企業様の役員の方にも大変喜んでいただき、私が提案したとおりにプロジェクトを進めていくことができました。キャディが目指すのは、メーカーと加工会社のいずれかだけが極端に強いといった歪な関係性ではなく、フラットな取引構造。ここを自らの手で生み出すことができたという意味で、手応えを感じられた案件でした。

入社する前に、知っておいた方がいいことがあれば教えてください。

キャディはまだ創業5年のスタートアップで、さらに世の中で誰もやってないようなことを目指している会社です。それゆえ、「最初は失敗しても当たり前、たとえ失敗しても学べばいい」そういうマインドセットが大事だと思います。

実は、私の場合、入社当初は「失敗できない」という気持ちが強かったんです。特にトヨタをはじめとした大企業では、責任ある立場になればなるほど、失敗できないと思い込むことが多いと思います。そして、失敗が恐れるあまり、前職時代からのクセで「しっかり広く深く考えて進める」というやり方を捨てられない。最初は何から動いていいかわからない状態でした。

心が折れそうになったとき、上司からもらったのが、

「最初の3ヵ月は自分が貢献したかどうかは、気にしないでいい。チームで成果が出せたらそれでOK。完璧に思考して走り切るのは無理だから、とりあえずボヤっとした状態でも進め方を仮説で決めきり、その通りに動いてみればいい。仮説が見るからに外れてていたらそのとき指摘するし、仮説が筋が良さそうであれば結果的に外れたとしても学びになる」

という言葉でした。「失敗してもいい」というマインドを持てるようになったことは、一つ、ターニングポイントになったと思います。

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大手企業時代のスキルが活きると感じる瞬間について堀江さんはこう語る。「大企業で培った調整スキルは今の仕事でも活きています。キャディでも、速いスピードの中で成果を挙げるためには、アクションの出口を丁寧に言語化し、関係者の納得を得ながら方向性を精度高く揃えることが重要なためです。もう1つ、トヨタで叩き込まれる「自工程完結」という思想が役立っていると感じています。私はこれを、自身の前後工程が、その先のステークホルダーと交わすin/outputまでを解像度高く理解し、そこからの逆算で自分のoutputのあり方を考えるべし、と解釈していますが、スピード感のある環境下で極限までやり直しを減らす上でとても活きています。例えば、ある加工会社のコロナ感染者数・割合などを把握していれば、そこに多く仕事を依頼すると納期が遅れてしまうリスクがあるから別の加工会社に依頼しよう、という判断ができますよね。定量・定性問わず、あらゆる情報をキャッチアップしておくことで、ミスが減るだけではなく、次の仕事に繋がるケースもあります」

世界中のモノづくりのリソースを最適化したい

今後の目標について、教えてください。

中長期的には、キャディを心から応援してくださる製造業のプレイヤーを増やしていきたいと考えています。もちろん今、直接キャディで貢献できていることがすごく増えてきていますし、期待してくださる方が増えてきている。とはいえ、グローバルな製造業からすると、まだまだごく一部です。これからが本番だと思っています。

また、個人的に考えているキャディにおける最終的な理想のゴールは、世界中のモノづくりのリソースが真に最適化された状態をつくることです。

たとえば、最近はクラウドファンディングで個人がアイデア商品を誰かにつくってもらうといったケースも増えていますよね。フラットな構造のなかで、そういった機能が最適に配置され、最適に製造できる機会が増えていく。そうなれば、製造業は、これまで成しえなかった社会的な価値貢献ができるようになっていくのではないかと考えています。

ほかにも、環境の観点もふまえ、モノづくりを起点とした社会的な仕組みをつくりたいです。製造業は資源を消費し、物流の輸送も多い、環境負荷の高い領域。そのため、キャディが製造業の全体像をより解像度高く把握している社会になれば、環境価値の高い仕組みの構築も実現できるはずです。

例えば、優れた技術を持つ人がつくるだけで鉄を無駄にしなくて済むかもしれない。さらに最後にリサイクルされる流れまでコントロールして、資源の循環を促していくこともできるかもしれません。

実現できるのはいつになるかわからない。もしかしたら何百年後になるかもしれない、それくらい壮大な野望ではありますが、いつか実現できるように日々の仕事に取り組んでいきたいですね。

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