不確実性と向き合っていくVUCA(ブーカ)の時代。世界各国でデジタル教育を含む新たな教育のあり方が模索、推進されている。日本においても政府をはじめ、デジタル活用による教育の見直しを加速。日本の未来を築く上で重要テーマとなっている。こういった時代の波を受け、テクノロジーを通じて教育現場のアップデートに挑む企業も多く誕生している。先進的な「EdTech企業」の事業内容とともに実際の求人を見ていこう。
誰もが「いつでも」「どこでも」学べる場を作る。地域や収入による教育格差を改善していく。さらには教師など、教育現場の働き方改革にもつなげていくーーこれらの実現に向けて、学校や塾といった教育現場でのテクノロジー活用が進む。
2019年12月には、文部科学省が「子ども一人ひとりに個別最適化された教育 ICT 環境の実現」に向けてGIGAスクール構想(*1)を発表。また経済産業省は「1人1台の端末」と「EdTech(*2)を活用した新しい学び方」の実証に向けて、2018年度より「未来の教室」実証事業を開始。また、新型コロナウイルスの拡大も1つのターニングポイントに。対面授業がしづらくなる中、全国の学校ではオンライン授業や個人でできるeラーニングの普及が進んだ。
こういった教育現場におけるテクノロジー活用・EdTech領域は、今後市場としても成長が見込まれる領域でもある。世界のEdTech市場規模は2020年に894億9,000万ドルとなり、2021年から2028年までの年平均成長率は19.9%という予測も立つ(*3)
(*1)GIGAスクール構想…1人1台端末の整備と併せて、統合型校務支援システムをはじめとした ICT の導入・運用を加速することで、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない公正に個別最適化された学びや創造性を育む学びにも寄与するもの。授業準備や成績処理等の負担軽減にも資するものであり、学校における働き方改革にもつなげていく
(*2)Education(教育) × Technology(技術)
(*3)ベルリンスタートアップエコシステムレポート2021年9月|JETRO
https://www.jetro.go.jp/ext_images/theme/innovation/gahub/belrin/report202109.pdf
日本国内では、どういった企業がどのようなビジョンのもとサービスを展開しているのか。今、積極採用を行なう5社について見ていこう。
「BigData × Technologyで教育に革命を起こす」を掲げ、個人・企業、学校向けに国内最大級のAI英語学習サービス『abceed』を提供。『abceed』はTOEICや英検など200以上の英語教材の中から、個々に最適な単語や問題をレコメンドし、最短での英語力向上を支援するAI英語教材アプリだ。2022年3月にはApp Store、Google Playにおける教育アプリ売り上げ1位を獲得。5月には、登録ユーザー数が260万人を突破した。
『Monoxer』は、AIを活用したアダプティブラーニングによりすべての学習者の記憶定着をサポートし、成績向上を目指す学習サービスだ。ユニークなのが、「理解」ではなく「定着」に特化した新しい教育ツールであること。たとえば、指導者が生徒に覚えて欲しい内容を登録すると、その内容を定着させるために必要な問題を自動で作成。学習者一人ひとりの習熟度・忘却度に応じて、リアルタイムで問題の出題頻度や難易度が調整されるため、個々のレベルにあった学習を実現可能にする。
「経済格差・地域格差から生まれる教育格差を無くす」「誰にも教育チャンスが公平に開かれた社会を実現する」という考えのもと、オンラインLive教育事業『メガスタ』を展開。プロ教師による授業を国内外の子どもたちに提供する。2019年度には「日本 eラーニングアワード」にて「EdTech特別部門賞」を受賞。
『CoDMON』は保育・教育現場で働く職員向けの業務支援ツール。「1日のうち3割が事務作業」とも言われる保育・教育現場の業務を省力化し、子どもと向き合ったり、保育・教育カリキュラムを考えたりといった保育・教育の質向上をサポートする。
2022年1月時点で導入施設は保育園・幼稚園・学童・小学校・塾など1万施設以上。保育・教育施設向けICTサービスとしてトップの業界シェアを確立。「子どもを取り巻く環境をテクノロジーの力でよりよいものに」というミッションを掲げる。
上記で取り上げた5社は、様々な方法で教育や子どもを取り巻く環境の改革に挑戦する企業ばかりだ。ぜひ実際の求人にも注目してみてほしい。