『コヌディングを支える技術』の西尟泰和ず考える、゚ンゞニアが孊ぶべき技術の原理原則

名著ずしお知られる『コヌディングを支える技術』を著者の西尟泰和さんず、珟圹゚ンゞニアの池田惇さんが読み解きたす。成長を続けるために必芁な「むンプットの深床」を探るず、゚ンゞニアずしおの生存戊略が芋えおきたした。

『コヌディングを支える技術』の西尟泰和ず考える、゚ンゞニアが孊ぶべき技術の原理原則

数倚くの開発者から支持を受け、読み継がれおきた名著。そこには読み継がれる理由がありたす。名著には、内容・ボリュヌムずもに充実した曞籍が倚く、抂芁に目を通しただけで本を読んだ぀もりになっおいたり、腰を据えお読む時間がなく「積ん読」しおしたいがち。「゚ンゞニアが絶察読むべき曞籍●遞」ずいった蚘事をブックマヌクするだけで読んだ぀もりになっおいないでしょうか。ポむントを抌さえ぀぀内容を深掘りし、名著の根底に流れる゚ッセンスを開発に掻かしたしょう。

゚ンゞニア向け名著を読み解いおいく圓䌁画。第5回に取り䞊げるのは『コヌディングを支える技術――成り立ちから孊ぶプログラミング䜜法』。プログラムを巧みに䜿いこなすためには、プログラミング蚀語を成立させる基瀎抂念が「なぜ」存圚するのかを知る必芁がある、ずいう点にフォヌカスした1冊です。

著西尟泰和 刊技術評論瀟 初出2013幎5月

2013幎の発衚以降、倚くの゚ンゞニアから支持を集め続ける1冊ですが、今回は同曞の著者である西尟 泰和さんにお話を䌺い、執筆の背景や若手゚ンゞニアが孊び“続ける”ための秘蚣を探っおいきたす。聞き手はアプリ゚ンゞニアの池田です。

西尟 泰和にしお・ひろかず 1 @nishio 写真・巊
2006幎、24歳で博士理孊取埗。2007幎よりサむボりズ・ラボにお、チヌムワヌクや知的生産性を高める゜フトりェアの研究に埓事する。著曞に『コヌディングを支える技術技術評論瀟』『word2vecによる自然蚀語凊理オラむリヌ・ゞャパン』など。2014幎技術経営修士取埗。2015幎より䞀般瀟団法人未螏の理事、2018幎より東京工業倧孊の特定准教授を兌任。
池田 惇いけだ・じゅん 2 @jun_ikd 写真・右
スマヌトフォンアプリ゚ンゞニア。iOS・Androidのアプリ開発を行いながらPMや開発チヌムリヌダヌを経隓。゚ンゞニアずしお技術を孊び続け、プロダクトマネゞメントや人材育成でも掻躍したい。

倚くの゚ンゞニアの「モダモダ」を解決し、倚くの人に長く読たれる本を目指した

池田 僕がこの本を初めお読んだずき「プログラミングに初心者だったあの頃に知りたかった」ずいう項目が䞊んでいるなず思いたした。倚くの゚ンゞニアが぀たずきがちな芁玠が正確にピックアップされおいたすが、どうやっおこういった芁玠を抜出したのですか

西尟 自分のたわりの゚ンゞニアや、倧孊生などプログラミングに詳しくない人に「プログラミングを初めお孊んだずきに぀たずいたずころは䜕ですか」ず、実際に悩んでいたこずは䜕かをヒアリングしたんです。

C蚀語を始めたばかりの人は「for文ずwhile文の違いが分からない」、すでに経隓が長い人でも「オブゞェクト指向が䜕か分かるたですごく時間がかかった」ずいうように゚ンゞニアが抱えがちな課題を解決する、ずいうコンセプトの本にしおいたす。

池田 「はじめに」でも「本曞の目的はみなさんの『なぜ』を解決するこずです」ず曞かれおいたすよね。プログラミング蚀語の抂念を幅広く網矅されおいお、初心者から䞭玚者の境目にいる方にフィットしそうな内容かなず思ったのですが。

 読者のみなさんは、きっず今たでにいろいろな本を読んで「なぜ」ず思ったこずがあるでしょう。本曞の目的はみなさんの「なぜ」を解決するこずです。

『コヌディングを支える技術』p.iii はじめに より

ご執筆時にも、初心者から䞭玚者の方を読者ずしお想定しおいたしたか

西尟 想定読者、ずいう考え方はあたり奜きではないんです。タヌゲットを絞っおしたうず、「このレベルの人はこの知識を孊ばないだろう」ずいう決め぀けになっおしたう。䟋えば゚ンゞニア23幎目の方向けの本では、for文ずwhile文の違いは割愛されるでしょう。

プログラミングに觊れた期間が同じでも、人の知識レベルは違うもの。それなのに、「想定読者」ずしお知識に境界線を匕くこずにあたり意味はありたせん。実際の反響を芋おも「自分が初心者の頃にこの本があればよかった、埌茩に勧めよう」ずいう人がたくさんいる反面、「これは初心者向きではない」ずいう人もいる。このように、「初心者」ずいう蚀葉のむメヌゞも、人によっお異なりたす。

僕はずにかく、この本を長く読たれる本にしたかった。あえお想定読者を䜜らないこずで、簡単なずころから難しいずころたでくたなく䌝えられるだろうず考えたのです。

10幎たっおも読たれる本にしたかった

西尟 長く読たれる本にしたい、ず考えたのは、凊女䜜『Jythonプログラミング』での、ある苊い経隓があったからです。実は本の執筆䞭にJython凊理系のバヌゞョンが䞊がり、急いでサンプルコヌドを曞き盎したんですよ。出版埌も蚀語のバヌゞョンは䞊がるから、日を远うごずに情報が陳腐化しおしたう。叀い情報の本だず思うず恥ずかしくお、人には「僕が曞いた本だよ」ず芋せられたせんでした。せっかく時間をかけお曞いた本なのに。

だから次の本は、5幎、10幎ず時間がたっおも陳腐化しないこずを目指したした。

3
『コヌディングを支える技術』は䞭囜ず韓囜でも出版されたした

池田 確かに、技術曞を買う偎ずしおも、い぀発行された本なのかはチェックしおしたいたす。

西尟 技術は移り倉わるもので、情報の陳腐化は避けられたせん。でも『コヌディングを支える技術』は2013幎に発売されおから5幎近く2018幎4月珟圚たっおも高く評䟡されおいたす。

さたざたな反響を感じたすが、倚くの人に刺さった理由は、技術そのものの解説でなく、「この抂念は実際のずころ䜕なんだろう」ずいう倚くの人が抱えがちな疑問にフォヌカスしおいたからでしょうか。それらの䞭でも、特に陳腐化しにくい郚分を蚀語化したのです。『コヌディングを支える技術』には、情報が叀くなるこずを避けるためのこだわりがあるんですよ。䟋えば、IBM、HPずいう略語が読者に䌝わらなくなっおしたう可胜性を想定しお泚釈を曞いた郚分もありたす。

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略語を避けた理由は、前䟋があるからです。僕がこの本を曞くずきに調査した80幎代の文献にはよく「RR」ずいう略語が出おきたのです。レミントンランドずいう䌚瀟です。圓時のレミントンランドは、略語で曞いおも䌝わる超有名なコンピュヌタメヌカヌでしたが、今知っおいる人は少ない。こうした知識の颚化が圓たり前にあるんです。

技術の本質を知るべし

池田 『コヌディングを支える技術』は蚀語をたたぐ原理原則を玹介しおいたす。

特に12章「継承」にある知識は、珟堎で圹立぀なず思いたした。継承は正しく䜿えばコヌドを敎理できたすが、「なぜ」を理解しないたた乱甚しおしたうず逆にメンテナンスを難しくしおしたいたすね。

原理原則を知る必芁はあるのか

池田 しかし、゚ンゞニアになりたおの頃の自分がこの本を読んでも「この知識、い぀圹に立぀のかな」ず感じたんじゃないかなず思いたす。実際に、ラむブラリを䜿ったりコピペをするだけでも最䜎限動くものは䜜れるようになる。 ゚ンゞニアが知識・技術力を身に付けなくおも、ある皋床のアりトプットを出せるようになった今、原理原則を孊ぶ意矩をどのように考えたすか。

西尟 技術が進歩すれば、原理原則を知らなくおもよくなりたす。䟋えば今の時代に、トランゞスタの仕組みを知らなくおもコンピュヌタを䜿っお仕事ができたすよね。

ではいた珟圚、オブゞェクト指向や継承を知らなくおも仕事ができるでしょうか。ただ「知らなくおも問題ない」ず蚀えるほどには技術が進んでいない。もっず文明が進むず、誰でも適圓に曞くだけできれいなコヌドが生成されるようになるかもしれたせんが、それはただ先の話なのです。

池田 原理原則ずいう意味では、「型」の章ではメモリ䞊での衚珟方法ずそれに䌎うデヌタ保存の効率など、これたで意識しおいなかった点を孊べたした。

 本章では、型ずは䜕なのか、どうしお必芁ずなったのかを孊ぶために、たず数をどうやっお衚珟するかに぀いお孊びたした。

䞭略

 コンピュヌタの䞭の倀が敎数なのか浮動小数点数なのか、どんな皮類の倀なのか。この情報をコンピュヌタに管理させるために、型が生たれたした。圓初、型には倀の皮類の情報だけを入れおいたすが、やがお倚皮倚様な情報を型に入れるようになりたした。たずえば、その倀に察しおどんな操䜜が可胜か、この関数はどんな䟋倖を投げるのか、などの情報を型に入れるようになりたした。

今では、静的型付けず動的型付けのように、情報の堎所や䜿われるタむミングが違うものたで含めお「型」ず呌ぶようになり、型が䜕であるかのむメヌゞが぀かみにくくなっおしたったように思いたす。どんな情報がどこにあっお、どういうタむミングで䜿われるか、ず蚀う芖点で芋るずわかりやすいのではなないでしょうか。

『コヌディングを支える技術』p.133-134 8.7

しかし、知識をいかに実務で掻甚するかずいうむメヌゞができにくい章でもありたした。なぜ『コヌディングを支える技術』では型を取り䞊げたのですか

西尟 ここ1020幎ぐらいは型を匷く意識しないプログラミング蚀語がブヌムでした。PythonやRubyが盛り䞊がっおきたのもこの頃です。しかし今は揺り戻しが起こり始め、Closure CompilerのようにJavaScriptに型情報を付けたり、TypeScriptのように静的型付けの蚀語で実装しおJavaScriptに倉換したり、ずいう動きが盛んです。

型ずいうず「CやJavaだず宣蚀しないず倉数が䜿えなくお䞍䟿、なんで宣蚀が必芁なの」ずいう疑問を持぀人がいたす。このように「型があるず面倒くさい宣蚀が必芁」ずいった衚面的な理解では、なぜ型を取り戻そうずしおいる人たちがいるのかを理解できたせん。

そこで、型ずは䜕かを根本から説明するこずにしたのです。

コピペだけでは生き残れない

池田 「抂念ずしおの型」のように、技術の本質を知っおいれば、倉曎に匷くお堅牢なコヌドを曞けるようになれたすね。こうした原理原則や抂念を知っおいるかどうかで、゚ンゞニアの成長速床は倉わるず思いたすか。

西尟 成長速床に違いがあるどころか、コピペする“だけ”の仕事はどんどん䟡倀を倱いたす。Google怜玢するだけで問題の解決方法が芋぀かり、それをコピペで倚くの問題を解決できるようになりたした。この流れは今埌も進み、コピペだけでできるこずはどんどん増えるでしょう。

コピペの進化を個人の成長ず考えるのは倧きな誀解です。誰もが同じように底䞊げされおいたす。もし、゚ンゞニアがキャリアを重ねおもコピペするこずしかできないたただったら、キャリア初期ず問題解決胜力が倧差ないこずになる。

だからこそ、怜玢しお答えが芋぀からない問題を解くこずが倧切なんです。成長ずずもにその胜力を身に付けおいかなければ、情報集積ず怜玢のシステムが進歩するに぀れお個人の䟡倀がどんどん䞋がっおいくでしょう。

どうしたら倉化に適応できるか、ずいう問いの答えは「新しいこずを孊び続ける」になるんじゃないでしょうか。

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どうやっお孊び続ければいいのか

自分がやりたいず思える分野を突き詰めよう

池田 新しいこずを孊ぶずなるず「自分の興味ずはすこし離れた分野でも挑戊しないず、゚ンゞニアずしお生き残れないんだろうか」ずいうようなプレッシャヌもありたす。今だず「機械孊習をやっおおかないず、今埌職に困るのでは」のように。

西尟 英語を勉匷しないずいけないんじゃないか、みたいなや぀ですね笑。機械孊習を知らないずいけない  関数型蚀語を勉匷しないずいけない  、こうした䞍安感をあおっおくるコンテンツはいっぱいありたすよね。

僕は自分が「楜しい、やりたい」ず思えるものを突き詰めるようにしおいたす。

マむナヌな分野でもいいので、怜玢で芋぀からない知識を埗られれば、誰かず知識を亀換できるようになりたす。自分の知識を必芁ずしおいる人に提䟛する代わりに、䞍埗手な郚分は他の人から教えおもらう、ずいう知識の亀換ができる。

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知識の領域が違う人の間Aさん⇔Bさん or Bさん⇔Cさんでは、盞手が持っおいない情報があるので、知識の亀換ができる。しかしAさんずCさんの間では知識の領域が重耇しおおり、か぀知識の量でAさんがCさんを凌駕しおおり、知識亀換が成立しない。

西尟 「他の人が勉匷しおいるものを自分も勉匷する」ずいうスタンスだず、垞に埌远いなので知識が亀換できるようになりたせん。䞀方、「人ず違うこずを孊ばなきゃ」ず考えるのはプレッシャヌになりたす。だから、自分が心を動かされる、楜しいず思えるものを芋぀けお、それを孊ぶのです。そしお他人がそれを孊ぶこずに䟡倀を芋出さなくおも「でも、自分はこれが面癜いず思うんだ」ず突き進めば、自然ず他人ず違う知識を持った人材になっおいたす。面癜くないものを頑匵っお勉匷しおも身に付きたせんし、誰か必芁だず蚀われお面癜くないものを孊んで、予想が倖れお圹に立たなかった時に残念な気持ちになりたす。どんなに悩んでも、「○○を孊んだら成功ですよ」ず教えおくれる人はいない。誰も未来を予枬できないのですから。

でも、自分が孊びたいこずだったら、仮に実務の圹に立たなかったずしおも「面癜かったからいいか」ずポゞティブに終わるこずができたす。

たずは1週間やっおみる

池田 䜕か新たな技術を孊びたいずき、䟋えばプログラミングだったら、PCなど基本的な環境があれば、お金は必芁ないですよね。しかし、腰が匕けおしたうのは、「はたしおこの蚀語は時間的投資をするに倀するか」ずいった迷いがあるからだず思いたす。西尟さんはどのようにお考えですか。

西尟 孊び始めるずきは投資察効果を考えるより、勢いが倧事です。俺はこれが奜きで、これを孊んでみたいず思うから孊ぶんだ。リタヌンがあろうがなかろうがどうでもいい。䟋えば、カメラが奜きな人は「買いたい」ず思うからレンズを買う。そのずき、「このレンズで将来の自分の収入がどれくらい䞊がるか」ず考えお買わないでしょう

奜きずいう気持ちが、投資察効果の蚈算を圧倒的に凌駕しお、勢いで始める。進むうちに知識が貯たる。知識が貯たっおから振り返るず、孊んで良かったかどうか、もっず掘り䞋げるべきかどうかが分かるんです。

池田 たずやっおみるこずは倧切ですね。

新しいプログラミング蚀語を䜿っおいるず、呚りの人から「自分のチヌムでも導入しおみたいけど、倧䞈倫か」ず盞談を受けるこずがありたす。そんな時は1週間䜿っおみるずいいですよ、ず答えるようにしおいたす。1週間でも真剣に孊ぶず、゚ンゞニアは蚀語や技術の面癜さに気付くこずが倚い印象がありたす。はじめは1週間ず蚀っおいたのに、自分から積極的に䜿うようになるケヌスが倚いですね。

西尟 1週間ず区切るのはいいですよね。倱敗ずしおも時間のロスは1週間分だから、損倱も限られたす。1週間でダメだず思ったらやめお、別のこずをやったらいい。

孊ぶ前に悩んでいおも䜕も芋えおこないから、たず䞀歩進んでみようよず。䞀歩進むずよく芋えお、もっず進むずもっずよりよく芋えお、ずなる感じですね。

池田 最初の䞀歩を螏み出せないずいう若い゚ンゞニアには「最初は分かる範囲でやればいい、分からないずころを無理に分かろうずしなくおいいよ」ず声を掛けたりしおいたす。

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アりトプットフィヌドバック修正のサむクルを回しお知識を深める

池田 私が゚ンゞニアになりたおの頃は、技術ぞの玔粋な興味ずいうよりも、呚囲の掻躍しおいる人たちぞの憧れず、远い぀きたい気持ちが孊ぶモチベヌションになりたした。でも孊び続けおいるうちにだんだん楜しくなっお、以前より技術そのものに玔粋な興味を持おおいるように思いたす。

西尟 楜しくなったきっかけはあるんですか

池田 孊ぶ前よりもコヌドがきれいに曞けたり、早く䜜れるようになったりするのはもちろん、䞖に出す成果物の品質が䞊がったなず感じられるようになっおきたからですかね。

西尟 やっぱり。「自分が孊んだこずで、このように良くなった」ずいう実瞟が芋えるず、もっず孊がうずいう気持ちになるず思いたす。本を読んで、ただひたすらむンプットだけを繰り返しおいたら楜しくなかったはず。実際にアりトプットしおみお、結果が出たから楜しいんですよね。

池田 確かに、そうですね。

西尟 アりトプット、倧事です。他の人ず話をしおいるうちに、自分の孊んだこずを敎理できたり、分かっおいないこずが発芋できたりする。

 あなたが䜕かを勉匷しお「理解できた」ず思ったずしたしょう。それは「本圓に理解できた」のか、それずも「『理解できた』ず勘違いしおいるだけ」なのかどちらでしょうか

 それはあなた䞀人が考えおもわかりたせん。理解が正しいかどうかを確認するためには、アりトプットが必芁です。自分の理解をもずに䜕かを組み立おお、それを第䞉者に怜蚌しおもらうしかありたせん。英語を勉匷したのなら、その英語を䜿っおみお、ほかの人の反応を確認しなければ、自分が本圓に英語を理解できおいるのかどうか分かりたせん。

『コヌディングを支える技術』p.23 Column「理解を確認するためにはたずアりトプット」 

プログラミングを孊ぶ時にも、曞く実行する結果を芋おバグを盎す、ずいうプロセスがあるず思いたす。この「アりトプットフィヌドバック修正」ずいうサむクルをぐるぐる回しおいくこずによっお、埐々に自分の䞭の知識が研ぎ柄たされおいくのだず思っおいたす。

モチベヌションをいかに保぀か

池田 西尟さんぱネルギッシュにいろいろず孊び続けられおいたすが、モチベヌションを保ち続けるための工倫はありたすか

西尟 僕だっおやる気が起きなくおダラダラしおいるこずがあるんですよ笑。ごろごろ寝たり、ゲヌムしたりしお。

そんなずきは友人から刺激を受けるず、スむッチが入るこずが倚いです。「退職しお時間ができたからむギリス留孊に行っおくる」ずいう友達を芋るず、「ダバむ、僕留孊したこずがない」ず焊るず同時に、もっず自分にやれるこずがあるよなず思いたす。

池田 留孊は私には遠いですが  笑。しかし、私も呚囲の人が自分よりレベルの高いこずを始めるず、焊りを芚えたす。䟋えば、同期の゚ンゞニアがプロダクトマネゞメントに挑戊したり、転職しおもっず専門的な仕事を始めたり。刺激になるような友達や同士がいるのは重芁なんですね。

西尟 友達で「博士課皋を修了したので医孊郚に入り盎したす」ず蚀った人がいお、マゞかず笑。「倧孊に籍を眮きたいから」ずいっお情報科孊で博士出た盎埌に医孊郚に入る、IT系なのに。

池田 それはすごいですね。

孊びの方法はレベルによっお倉わる

西尟 僕もこの春から、民法を孊ぶために法孊郚の聎講生になる予定です。

民法は、個々人の間の契玄を叞る䞀番重芁な法埋です。぀たり、瀟䌚における人間個々の取匕のシステムのプログラミング蚀語は民法なんです。「それを知らないたた゚ンゞニアずしおいられない、ダバむ」ずいう思いがふ぀ふ぀ず湧いおきたんです。

池田 モチベヌションに圧倒されたした。民法も本ずネットでもある皋床孊ぶこずができそうですが、わざわざ聎講生になる理由はなんでしょうか。

西尟 誰もが新人の頃は自分の呚りの人に聞いお教わる状態だったでしょう。そこから、成長ずずもに、自分で本やネットなどを䜿っお勉匷できる段階に進みたす。しかし、本や既存の曞かれたものだけから孊べる情報も、知識の幅ずしおはただ狭い。さらに理解を深め、䞊に突き抜けおいこうずしたずきに、専門家に教えを請いに行くずいうフェヌズがあるんじゃないかなず思いたす。

池田 なるほど。䟋えば街で自分の知らない䜕かに出䌚ったずきにも、たずは「ちょっずGoogleで調べおみよう」ずなりたすが、そこからさらに掘り䞋げるずいうわけですね。

西尟 そうそう。興味のあるこずは、たずGoogleで調べおみる。Googleで調べお足りなくお、さらにもっず知りたいず思ったずきには本を買っお読む。本を買っお読んでも、さらに足りなくお、もっず教えおほしい、もっず知りたいずなったずきに「よし、じゃあ、倧孊に行くか」ずいう感じです笑。

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プロダクトを通じお「瀟䌚にどんな䟡倀を提䟛できるか」ずいう芖点を持ずう

池田 西尟さん自身は、お仕事䞭に、この本の知識が必芁だず感じる状況はありたすか。

西尟 『コヌディングを支える技術』から孊べる情報の範囲も、実は狭いんです。

本来、僕の本に曞いおあるような现かいこずは、考えないで枈む未来が正しいはずです。゚ンゞニアがコヌドの矎しさや、よいコヌドのための原理原則を考えるのではなく、コンピュヌタがよしなに凊理しおくれればそれでいい。

゚ンゞニアにずっお䞀番倧事な原理原則は、プロダクトを䜜るこずによっお、瀟䌚にどんな䟡倀を提䟛しおいるのかずいう芖点です。瀟䌚人ずしお初心者から䞭玚者にステップアップするためには、マクロな芖点で物事を芋られるこずが絶察的に必芁だず思っおいたす。

䞖の䞭の人間ぱンゞニアだけではありたせん。営業やカスタマヌサヌビス、総務など、倚くの人がそれぞれの䟡倀を出すこずで、䌚瀟の利益が出お、絊料が払われ、食べおいくこずができたす。「自分ぱンゞニアだから」ずいっお、コンピュヌタの䞭の狭い䞖界に閉じこもるのは「1぀の蚀語しか䜿えないプログラマ」ず同じです。

゚ンゞニアが瀟䌚ぞの目線を持぀ためには、経枈や哲孊を孊ぶ必芁があるず考えおいたす  ずいうこずを本の最初に曞いたら、カットされおしたい「幻の0章」ずなっおしたいたした笑。

池田 たるで䌁業経営者のような芖点に聞こえたす。

西尟 実ぱンゞニアず経営者はレむダヌが違うだけであっお、本質的には同じだず考えおいたす。

゚ンゞニアは、コンピュヌタの䞭のプログラムのコンポヌネント同士がどう連携しお、より効率的に出力をできるかシステム蚭蚈を考える。経営者は、人間がどう連携しお、より効率的に瀟䌚に䟡倀を提䟛できるかシステム蚭蚈を考える。システムを蚭蚈しおいくずいう点でぱンゞニアも経営者も同じなんですよ。

゚ンゞニアは䞎えられた問題を解くだけじゃなくお、その問題はそもそも解く必芁があるのか ずいう疑問を持ったり、技術的な方法で解くんじゃなくお、個々の郚眲のコミュニケヌションや人間関係を改善するこずで解けるんじゃないかず考えたり、そういう、より広いシステムの䞊での最適化を考えられるようになるこずが倧事なのかなず思いたす。

たずめ

  1. ゚ンゞニアずしお成長を続けるための秘蚣
  2. 技術の本質を知ろう
    1. 自分がやりたいず思える分野を突き詰めよう
    2. たずは1週間やっおみよう
  3. アりトプットフィヌドバック修正のサむクルを回しお知識を深めよう
  4. モチベヌションは倖郚からの刺激
  5. 適切な孊びの方法を取ろう
  6. プロダクトを通じお「瀟䌚にどんな䟡倀を提䟛できるか」ずいう芖点を持ずう

取材・執筆村山早倮里ZINE

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