コロナ禍、採用ニーズが加速している職種の1つが「社内SE」だ。その理由や、求められるスキルとは?とくに大手企業の求人に注目して、見ていこう。
近年、各社では自社内のIT開発部門を強化が進んでいたが、コロナ禍、その動きはさらに加速。社内SEの採用ニーズが高まっている。
もともと、社内SEの雇用強化の背景としては、SI企業に委託することによって発生する
●開発開始までに膨大な作業が発生し、スピードが遅くなる
(具体的には、【開発依頼⇒工数・金額の見積もり算出⇒要件定義・設計の認識合わせ】といった工程が発生する)
●コミュニケーションや資料作成に多くの工数がかかり、その分のコストが外部のSI企業に支払う金額には上乗せされてしまう
といった課題を解決したい、といったケースが多かった。
これに加えて、コロナ禍では、世界規模でテレワーク・リモートワークが加速。自動化・キャッシュレス化が急速に浸透。これにより、各企業でのIT化が想定よりも速いペースで進むことに。社内SEが果たす役割もより大きくなっていると言えるだろう。
とくに今回注目したのが、大手企業の社内SE募集。どのような業務を担っていくのか。
ブルボン
社内業務のシステム化がミッション。システム開発及び運用管理・保守の内製化を推進に関わっていく。
PwCビジネスアシュアランス
監査業務における自動化の推進、各種監査データ等の自動収集・加工の推進などを担当。
LIXIL
マーケティングや営業の部隊が活用するインフラの構築、社内に点在するデータを整理し活用するためのプラットフォーム構築などを担当する。
ヤマト運輸
LINEやメルカリなど外部サービスとの連携を図るなど、ITにも力を入れる同社では、宅配便の利用者に提供するWebサービスの構築に関わるチャンスもあるという。
対社内向けのシステムはもちろんのこと、toC向けのサービスに関わるチャンスもありそうだ。
募集を見ていくと、年収が800万円を超える募集も少なくない。
それらに多く見られる傾向としては、上流工程(要件定義・システム設計)やマネジメント業務、システムの品質管理など、システム開発の各工程を満遍なく担当できることが挙げられる。いわば「バランスのとれたエンジニア」といっていいだろう。
とはいえ、先の募集要項だと「求められるスキル要件がかなり高いのではないか?」と感じる方もいるだろう。ただ、企業が求めている要件を噛み砕けば「社内外で適切なコミュニケーションが取れて、自社に必要なシステム開発を推進できるかどうか」ということ。その程度については実際の面談・面接でのすり合わせが重要。必ずしも応募段階で豊富な経験やキャリアを必須とする求人ばかりではない。
そういった点を踏まえると、SIから社内SEというキャリア転向も十分に考えられる。なぜなら、SIの業務には社内SEを務めるにあたり必須となる要素が多く含まれているからだ。
たとえば、
・クライアント企業の事業内容や経営方針の理解
・経営層やマネージャーとの適切なコミュニケーション
こうした業務に慣れているエンジニアは、企業の社内SEでも間違いなく重宝される。つまり期待されるのは、どこででも通用する本質的な能力。あらためてキャリアの可能性を広げる上でも、ぜひ社内SEの求人募集に注目してみてほしい。
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