国民一人ひとりの生活に寄り添い、多様な人々の「生」を「厚」くすることを目指す厚生労働省。「ゆりかごから墓場まで」と言われるように、暮らしに密接に関わる領域を幅広く担当しています。少子高齢化・人口減少に加えさまざまな変化が起こり続ける中、変化に対応し、国民のよりよい生活を実現するために、同省においても多くの新たな動きが生まれています。そのうちの一つが、2020年に始動した「広報改革」です。
生活に密接に関わる重要な施策・制度を多く扱う同省ですが、その内容は複雑なものも多数。職員が作成する国民向けの説明資料も、必ずしも分かりやすいものばかりではありません。政策や制度についての情報が、分かりやすく・正しく伝わるように。さらには、無機質な情報だけでなく「顔が見える広報」を行い、共感や信頼を抱いてもらえるように。PR会社や事業会社での広報経験者、元アナウンサーなど多種多様なバックグラウンドを持つ職員を迎え入れながら、広報活動を変えようとしています。
一方で、省内に専門的な知見を有する人材はまだまだ少ないのが現状。特に重要な「デザイン」に関して、現状は外部のパートナーの力に頼っている状況です。そこで今回、厚生労働省全体のデザインリテラシーを高めていくためにも、同省初となる専属のデザイナーを民間から公募することになりました。
同省初のデザイナーのミッションは、「健康・医療」「福祉・介護」「雇用・労働」「年金」など多岐にわたる政策分野を国民にやさしく、分かりやすく伝えていくこと。自身が制作を担うだけでなく、現場職員が制作するチラシやリーフレット、バナーなどの添削やアドバイス、デザインに関するガイドラインの作成など、省内全体のデザインリテラシーを高めていく動きも期待されています。PowerPointなど多くの職員が扱えるツールを活用しながら、省全体としての広報活動をより効果的なものに変えていく新ポジションです。
中央省庁がデザイン専任の人材を採用するのは非常に珍しい事例。国内の新しいロールモデルとなる可能性も大いにある、新しい試みです。デザインの力で、ひとつの省を、そして1億2000万人の暮らしを変えていく。国の中心で、脱「お役所デザイン」をリードする、志ある方のご応募をお待ちしています。