INTERVIEW
ヤンマーパワーテクノロジー|キャリア採用者インタビュー
業界未経験からヤンマー「船のエンジン」部門へ。社会課題解決にもつながる製品の営業に――30歳での決断
掲載日:2024/03/29更新日:2024/03/29
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ヤンマーグループの「コア」とも言えるエンジン事業――その中核を担うヤンマーパワーテクノロジー社 四国市場にて「舶用エンジン」の営業を担う正木航太さん(31)を取材した。もともとパソコン周辺機器メーカーにて9年間営業として働いてきた正木さん。なぜ、業界未経験からヤンマーパワーテクノロジーへの転職を決めたのか。そこには「社会の課題解決にもつながる製品を扱う営業として働きたい」という思いがあった。
ヤンマーパワーテクノロジーについて
売上高1兆223億円、従業員数2万人超を擁するヤンマーグループのエンジン事業を担うヤンマーパワーテクノロジー社。主に「舶用エンジン事業」「小形産業用エンジン事業」領域において基礎研究から製品開発、生産、アフターフォローまでを一貫して手がける。同社は2020年「ヤンマー株式会社」のエンジン事業本部から独立する形で設立。その製品は世界で高く評価され、新技術を採用し排出ガス中のPMとNOx(窒素酸化物)の大幅低減を実現。2013年、世界で初めて"最も厳しいディーゼルエンジン排出ガス規制"と言われるスイス連邦の認証(*1)を取得した。小形産業用ディーゼルエンジンにおいてトップクラスのシェアを確立(*2)。創業時から続く「技術で社会の課題に応える」というDNAのもと、電動パワートレイン、内燃機関の多燃料対応化など多様な技術に挑戦。変革に挑み続けている。
(*1)19~37kWクラス小形産業用ディーゼルエンジン分野で、スイス連邦の排出ガス規制認証を「世界初取得」について https://www.yanmar.com/jp/news/2013/07/16/915.html
(*2)世界シェア3割(同社調べ)
製品に誇りを。仕事で社会に貢献を。
まずは前職の仕事内容と、転職を考えるようになったきっかけから伺ってもよろしいでしょうか。
前職はパソコン周辺機器を販売するメーカーで9年間営業として働いていました。主な仕事内容は大手家電量販店の本部に対し、「商品を取り扱ってください」と提案していくといったもの。入社4年目でプレイングマネージャーに昇進し、チームとして成果をあげていくミッションも担っていました。
そういった仕事をしていく中、次第に強くなったのが「社会貢献性の高い仕事がしたい」という思いでした。会社としてどのような製品を広め、世の中に貢献していくか。そういった価値や意義こそが働くメンバーたちのモチベーションになる。何よりも自分自身のモチベーションにも大きな影響を与えると気づき、転職を考えるようになりました。
もちろん、パソコン周辺機器も何千点といった商品があり、世の中に役に立っています。やりがいもありました。ただ、ファブレスメーカーだったこともあり、どうしても製品に対する誇りは持ちづらかったのが正直なところ。また、機能での差別化が難しく、価格競争に陥りやすい。短期間での厳しい営業目標もありました。そういった点から、独自性のある自社製品の営業にチャレンジがしたい。お客様と向き合い、誇りの持てる製品を世に広め、社会にも貢献をしていきたい。そういった思いがあり、30歳という節目で転職を決意しました。
転職先としてさまざまな選択肢があったと思うのですが、その中でもヤンマーパワーテクノロジーを選んだ理由があれば教えてください。
一番の理由は、ヤンマーパワーテクノロジーが掲げる「技術で社会の課題に応える」というDNAに共感をしたことです。特に「舶用エンジン」と言われる船舶のエンジンも環境配慮が進んでいる分野であり、ヤンマーグループが手がけるディーゼルエンジンは高い技術力と先進性により、世界でも認められています。そういったヤンマー製の舶用エンジンが普及していけば海運業界、もっと言えば、地球環境にも良い影響を与えていくことができる。そういった部分に惹かれ、入社を決意しました。
ちなみに、業界経験がないなか、知識面など「舶用エンジン」を扱うことに不安はありませんでしたか。
もちろん応募時には不安がありました。ただ、面接を通じ「業界の知識は入ってから学べば大丈夫です」と部長クラスの方からもお話いただき、安心して入社ができました。これは入社後に感じたことですが、工場研修もありますし、エンジニアによるメンテナンス・修理に立ち会わせていただく機会も多い。現場を見ることもできるのは私にとってはやりがい。正直、まだまだ知識面では足りないことばかりですが、日々勉強することができています。
前職時代、チームで成果を上げるためのマネジメントに携わることも非常にポジティブでした」と語ってくれた正木さん。「ただ、あくまで個人的にですが、異業界にチャレンジするなら30歳前後が区切りだと考え、転職を決めました。転職先の候補としてスポーツ用品メーカー、製造業スタートアップ等などを検討したのですが、改めてヤンマーパワーテクノロジーの製品・DNAに惹かれ入社を決めました。」
長いスパンで信頼関係を構築していく営業スタイル
現在の仕事内容と、そのやりがいについて教えてください。
現在、香川・徳島・高知を担当拠点に、先輩社員に同行しながら営業活動に取り組んでいます。具体的には船舶の造船所、または船を所有している船主様のもとを訪問し、関係構築を行っていくというスタイルになります。船舶そのものは20年から30年ほど使われるもの。エンジンの選定においても数年がかりといったケースがほとんどです。船主様が新たな船舶を作られるタイミングで、ヤンマー製のエンジンを採用いただけるよう、日々のコミュニケーション、フォローなどを行います。
やりがいとしては、こういったスタイルの営業なので、やはり顔と名前を覚えていただき、さまざまなお話をさせていただけるようになるのは非常に嬉しいですね。また、新燃料やカーボンニュートラルに対する取り組みはお客様の関心事の一つ。開発メンバーと共に情報提供をしたり、プレゼンをさせていただいたりすることも。どう世の中が変化しているか、動向を踏まえつつ、自社製品の魅力に落とし込んでいけるのも前職時代には感じられなかったやりがいですね。さらに短期的な営業数字に囚われるのではなく、グループで一丸となり、長期スパンでチームとして「お客様のために」を追求できる。こういった環境は営業として非常に魅力だと感じています。
正木さんの転職における「働きがい」Before After
やりがいの一方でミスマッチをしないためにも知っておくべき「厳しさ」について「あくまでも私が担当している内航船のプロペラエンジン(主機)製品(※)での話ですが、“YANMARブランド”があるから、という理由だけで簡単には購入いただけません」と語ってくれた正木さん。「特に私が扱う製品群でいえば市場では挑戦者。もちろん、他の製品においても業界をリードするメーカーとしての誇りや責任感は求められる部分だと思います。また、築き上げてきた歴史のある業界でもあります。培ってきた進め方、業務フローもあり、そこに慣れるまで時間はかかるかもしれません。」と率直に語る。
(※)舶用エンジンには大きくプロペラを回すエンジン(主機)と発電用エンジン(補機)がある。さらに海外に荷物を運ぶ「外航船」、日本国内に荷物を運ぶ「内航船」があり、それぞれで各エンジンが採用されている。外航船、内航船、共にヤンマー製品は発電用エンジン(補機)で高いシェアを獲得。一方で正木さんが担う「内航船の主機」は今まさにシェア獲得に向けた営業強化を行っている領域となっている。
誰かのため、社会のためになる仕事を
最後に、正木さんにとって「仕事」とはどういったものか、伺わせてください。
「社会に貢献していくために取り組むもの」だと考えています。前職時代、手前味噌ではありますが、会社の売上にも一定は貢献し、評価を得ていた自負もあります。ですが、どうしても、あまりそういった仕事には意義を見出すことができませんでした。それよりも世の中に良い影響を与えていく仕事がしたい。それがお客様にも伝わり「お役に立てた」という実感を得ていきたい。もちろん、ビジネスなので売上は重要ですが、自分はどういった人になっていきたいのか。どのようにして社会と関わっていくか。やはり誰かのため、社会のためになることをする自分でいたいですし、それを叶えるのが仕事だと捉えています。
船舶を作る上で、お客様のなかには舶用エンジンを「船の心臓」と表現をされる方もいます。その「心臓」を担う意義、責任は非常に大きなもの。船舶に対して熱い思いを持たれているお客様に対し、製品の品質やアフターフォローを通じ、メーカーとして、そして私個人としても信頼を得ていきたい。この業界でいえば、まだまだ私は新人です。学ばせていただくことばかりですが、まずは窓口として信頼を築き、誇れるビジネス、製品であることを広くお客様に伝えていく。そしてそれが社会にとっても良い影響につながるよう、これからも真摯に向き合っていければと思います。