2020年3月、日本で5Gの商用サービスがスタート。5Gは産業をどのように変えていくのか。関連企業の求人とともに見ていこう。
「5Gで実現するサービス・製品」の市場規模は、2035年までに1300兆円を超える(*1)ーーこういった予測もあるほど、5Gは「これから」のビジネスの根幹を担っていく技術であると見込まれている。
そもそも5Gはどういったサービスなのか。まず、その概要について簡単に触れてみたい。
大きな特徴は、「高速・大容量」「低遅延」「多数接続」の3つ。現行のモバイル通信4Gと比較すると、規格通信速度は20倍、遅延速度は10分の1、同時接続数は4Gの10倍となる(*2)。
5Gのこうした特徴は、これからのテクノロジー実用化に必要不可欠だと言っていいだろう。
たとえば、通信速度の「高速化」は4Kや8Kといった高解像度の動画のスムーズな配信を可能に。また「超多数同時接続」によるIoTの普及、「低遅延」による自動運転精度の向上、遠隔治療などの実現が期待されている。
すでに5Gの運用は世界各国ではじまっている。
たとえば、2019年4月にアメリカ・韓国、2019年10月より中国でサービスがスタート。日本では2020年3月より、ドコモ・KDDI・ソフトバンクの通信キャリアが運用を開始した。
2025年には、全モバイル接続の内、5Gの割合は20%に達するとの予測も(*3)。今後、各国で普及に向けた動きは活発となっていきそうだ。
では、この先5Gはビジネスにどんな変化をもたらしていくのか。特に大きな革新を遂げていくと見られる、「医療」「エンタメ」「交通」の3つの領域について見ていこう。
【医療】
5Gによる実現が期待される領域の一つが、遠隔での医療サービスだ。
たとえば、最近大きな注目を集めている「遠隔診療」。高精細な画像でリアルな視覚・触覚情報を伝送する技術の実現で、実際に対面しているかのような環境で遠隔地で診療を受けることができるかもしれない。
もう一つ、「遠隔手術」の実現に向けた取り組みも見逃せない。NTTドコモで言えば、熟練医が「遠隔地からリアルタイムで手術支援を行なう」システム実用化に向けた取り組みを進めている。実用化すれば、専門医がいない地域でも熟練医による遠隔地からの緊急手術が可能となる。
【エンタメ】
一つ、ライブイベントにおける、新たな体験の創出が期待される。
たとえば5Gによって、遠く離れた場所に居るアーティストたちをネットワーク上で“合奏として”リアルタイムに伝送することが可能に。さらに、演奏者たちの姿をステージ上に3Dホログラムとして投影し、これまでにない距離感・臨場感でのライブ体験実現も考えられる。
【交通】
世界で進む「自動運転」の実現に5Gは必要不可欠だ。通信キャリア各社が、自動車メーカーなどと連携し、実用化に向けた実証実験を行なっている。
たとえば、2019年11月にはソフトバンクがスバルの研究施設に5Gの基地局を設置。必要な技術の検証・開発を進めている。
また政府も5Gを用いて全国の信号機をネットワーク化するプロジェクトを発表。渋滞緩和や自動運転の支援などに活用していく計画だ。
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(*1)5Gの効果はどれくらい?
https://xtech.nikkei.com/it/atcl/column/17/092200393/092200003/
(*2)5Gの大きな特徴と4Gとの比較
https://iot.kddi.com/5g/
(*3)世界における5G動向と6Gに向けた取り組み
https://www.icr.co.jp/newsletter/wtr372-2020330-ishimizu.html