INTERVIEW
国税庁|国税庁経験者採用

大手メーカーのグループ会社から「東京国税局」へ。子育ても、専門性を高める仕事も諦めない、キャリア選択

掲載日:2025/07/17更新日:2025/07/17

全国12の国税局(所)にて約120名の社会人経験がある職員を募集へ。同募集にあたり、東京国税局に中途入局した職員インタビューをお届けする。大手メーカーのグループ会社での経験を経て、なぜ、彼女は次なるキャリアとして「税務」の世界を選んだのか。そこには子育ても、専門性を高める仕事も諦めない、キャリア選択があった――。

未経験から「税務」の世界へ。充実した研修が入局の決め手に

大手メーカーのグループ会社での経験を経て、2017年に東京国税局へ。はじめに前職の仕事内容と、転職を考えるようになったきっかけから話を聞くことができた。

前職は、コンサートホール運営のマネジメントを担う「レセプションマネージャー」という役職で働いていました。たとえば、クラシック音楽やオペラなどのコンサートにおけるお客様サービスを担っていたのですが、お客様の中には「この日を楽しみにしていました」という方も多く、かけがえのない体験や時間を提供していくやりがいがありました。

ただ、7年ほど勤務したタイミングで子どもが産まれ、転職について考えるようになりました。もちろん子育てと両立できるよう、さまざまな配慮はしてもらえたのですが、休日や夜にコンサートが開催されたり、子どもの発熱などでどうしても急に休まなければいけなくなったり。子育てにも、仕事にも、さまざまな制限がある状態に。そういったもどかしさがあり、育休から復帰後2年ほど勤務し、転職を決めました。

転職先として、なぜ、民間企業ではなく、国税局を選んだのだろう。

前職の仕事はとても好きでしたし、やりがいも感じていました。転職するなら同じようにやりがいを重視したい。そう考え、転職先を探している時、偶然知ったのが国税局の募集でした。知人が働いていたこともあり、話を聞いてみると、やりがいも大きそう、前職の経験も活かせそうだと考えて志望しました。また、大きな安心材料となったのが、入局後3ヶ月間の研修があり、基礎をしっかり身につけた上で現場に配属されるということ。ここであれば、やりがいを得るだけでなく、税務に関する知識など「専門性」も身につけられるかもしれない。そう考え、30代での大きなキャリアチェンジではありましたが、未経験から税務の世界に飛び込むことにしました。

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新卒入社した民間企業にて、工場見学・イベントの運営業務、コンサートホール運営マネジメント/レセプションマネージャーとして勤務。その後、2017年、東京国税局に入局。前職ではコンサート当日のお客様サービスに加え、スタッフの管理業務、採用・アルバイト雇用に関する労務管理、部署の予算、売上、利益、人件費等を確認しながらのPL(損益計算書)管理等も担当したという。国税局での選考において印象的だったことについて「前職における研修講師、クレーム対応など業務経験について熱心に聞いていただけたことです。」と語る。

入局後にも広がる、キャリアの可能性

続いて聞いたのが、国税局(所)で働く魅力について。さまざまな経験を積むことのできる環境がそこにはあるという。

入局後、まずは税務署において「税務調査」や「徴収」を担当するのですが、その後もさまざまな業務を経験していく中で、先々のキャリアについて考えていくことができます。ここは国税局(所)で働く大きな魅力だと思っています。

たとえば、数年スパンで異動があり、担当する業務もさまざま。組織としても非常に大きいので選択肢が多様です。私自身、前職時代も2~3年で異動がありましたし、性格的にも新しいことには前向きに挑戦したい。それが叶っていますし、仕事のやりがいにつながっています。

実際、2017年の入局後、税務調査、企画課での総務事務、選抜試験を経て1年間の研修受講などを経験。2024年7月からは「審理」分野の業務にも携わっているという。

「審理」事務は簡単に申し上げますと、調査担当の職員が法令の解釈や判断に迷った際に、適切な回答や解説、助言を行う業務のことです。私が所属している審理専門官部門(*)では、上司である審理専門官の下、たとえば、証拠が不足している場合には、どのような証拠が必要であるか、(調査担当者が税務調査等において収集した)証拠書類を基に法律に照らしてどのように課税すべきかを検討し、内容によっては国税局と協議をした上で調査担当の職員等に助言します。

(*)特に判断が難しい複雑な内容、税務調査において疑義が生じる案件(課税すべきかどうか議論の余地がある案件等)について審理に関する支援及び審査を行う部署。

もちろん、初めて担当する業務なので、インプットを含めて難易度の高さを感じることは多いです。ただ、一つひとつの判例や事例と向き合っていくため、知識が身につきますし、入局の動機でもあった「専門性」を高めることにつながっているように思います。また、入局まもなく担当した税務調査の現場経験、1年にわたる本科研修の経験などが今につながっていますし、活かすことができていますね。というのも、当時、税務調査において調査担当者の視点で検討した内容や、研修において座学で勉強した内容を、審理業務では法律的な側面から深く掘り下げていくことができるからです。法律や判例を読み解き、実際の調査にも役立てていく。そういった仕事におもしろさ、やりがいを感じています。

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不正計算に対して厳正に対応する責任

やりがいの一方で、仕事のミスマッチをしないためにも知っておくべき「厳しさ」についても聞くことができた。

まず、多くの職員が経験する「税務調査」は、納税者から提出された確定申告書等について、誤りについて是正を求め、不正計算に対して厳正に対応していく仕事でもあります。その結果、重い税金(重加算税)を課すこともあるため、当然ながら反発を受けることも。そういった業務内容を十分に理解いただくことは大切だと思います。

私自身も、4年ほど主に個人事業主の方を対象とした所得税、消費税の税務調査の経験がありますが、特に印象に残っているのは、初めて不正に向き合った調査です。いわゆる隠ぺい・仮装といった不正行為に対処しました。他の納税者の方々との公平性を保つために、正直に申告している方が損をする状況を作ってはいけない。そのために、より多くの証拠、事実を積み重ねていく。責任感を持ち、冷静に、そして淡々と厳正に対処していく。法令に則り、果たすべき役割を果たす。そういったことを心がけました。

もう一つ、現在、審理担当者として働く中で感じる難しさは、スピーディー且つ正確な回答、助言が求められることです。初見となる事例も多く、回答を保留しなければいけない、そういった自身の経験・知識不足からくるもどかしさ、悔しさがあります。さらにどれだけ過去事例を調べても、絶対的な答えがそこにあるわけではありません。いかに妥当な判断や結論を速やかに導き出していくか。不正確な回答は許されないため、責任の重さを感じる場面も多いです。

そして、税務調査にせよ、審理事務にせよ「どのように相手に伝えれば理解が得られるか」という点は共通して大切ですし、求められる部分だと思います。根拠となる法律を学び、分かりやすく相手に伝えていく。それぞれ責任の重い仕事ですが、とても重要な役割を担い、社会に貢献していく。これはまさにこの仕事だからこそ担えるものだと思います。

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応募時の注意点として「あくまでも私たちの仕事の中心は調査や徴収であり、第一線で納税者と向き合います。いわゆる現場仕事である調査や徴収に全く興味がない、あるいはそれをやりたくないという方には厳しい職場かもしれません。」と語ってくれた。

仕事は、自身を成長させ、社会に貢献していくためのもの

そして、今後の目標についても聞くことができた。

目の前の目標になりますが、審理分野での経験を積み重ねていきたいと考えています。現在は、質問を受けた際に「調べてからお答えします」という状況が多々ありますが、今後はスピーディーに的確な回答ができるようになり、職員から信頼される存在になりたいですね。一緒に働く審理専門官の方々の仕事を間近で見ていて、その知識、スキル、考え方に感銘を受けることが多いです。もちろんすぐに同じレベルに到達することは難しいかもしれませんが、少しでも近づけるよう努力を続けていきたいです。

最後に、ご自身にとっての仕事とはどういったものなのか――。

仕事をしているからこそ、新しい人との出会いがあり、さまざまな経験が得られるもの。それがとてもおもしろいですし、自分自身の成長につながっていくものが「仕事」だと捉えています。ただ、自身が成長して終わりではなく、成長し、身につけたことをどのように活かしていくのかがより重要だと考えています。たとえば、審理の仕事においても、自身の知的好奇心を満たし、知識が身につくだけでは意味がありません。どれだけ具体的で役に立つアドバイスができるか。調査担当者自身にも学びやプラスの影響があり、調査自体がスムーズに進むか。その先にある、適正かつ公平な課税の実現を目指していく。自身が成長することで周りから頼られ、それに応え、社会に貢献していく。そういった仕事をこれからも志していければと思います。

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