INTERVIEW
DAZN Japan Investment合同会社

DAZNはサッカーだけじゃない。野球、バスケ、モータースポーツ…多競技の熱狂をデザインする新職種募集

掲載日:2025/07/31更新日:2025/07/31
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2025年、FIFAクラブワールドカップの全世界の放映権を独占で獲得したDAZN。これまでサッカーのイメージが強かったDAZNが、野球、バスケ、モータースポーツをはじめとする他スポーツ領域でのコンテンツ拡充へ。今回、日本法人では初となる「エディトリアルデザイナー」を募集する。同ポジションに期待される役割、そして、このタイミングで参画することで得られる経験とは。常務執行役員コンテンツ統括の水野 重理さんに伺った。

DAZN、初の「エディトリアルデザイナー」募集

年間10,000試合以上のスポーツコンテンツを配信する、世界最大規模のスポーツ専門配信プラットフォーム「DAZN」。世界200カ国以上でサービスを展開しているが、なかでも日本は、そのスポーツファンの多さ・磐石な通信環境などから、サービスローンチ当初からの「注力エリア」だ。

2016年にサービスを提供開始すると、国内外の様々なプレミアムなスポーツコンテンツを獲得するビジネスモデルで成長。特に、サッカーにおいては、Jリーグの独占配信、欧州サッカーの中継など、ONLY ON DAZNな体験を提供し、今や「サッカーファンにとってのインフラ」という立ち位置を確固たるものにした。

また、近年は、より多くの人々がスポーツを楽しめる環境整備にも注力。2024年の一部のコンテンツを無料で視聴できるフリーミアムモデルの開始、2025年の「ドコモMAX/ドコモポイ活MAX(※)」にDAZNが追加料金なしで組み込まれたことは、その一例と言えるだろう。

こうしたなか、DAZNが次に推進していくのが、サッカーだけではない多競技におけるコンテンツの拡充だ。

「お陰様で、サッカーファンにはだいぶ認知いただけるようになってきました。コンテンツとしても、『内田篤人のFOOTBALL TIME』などかなりコア向けのものもあれば、『やべっちスタジアム』のようなライトに楽しめるものもあり、サッカーファンのなかでもあらゆる層に価値を届けることが出来ています。今後は、こういった状態を他のスポーツでも作っていく。特に、野球、モータースポーツはすでに拡がりつつあります。そして、来シーズンからはバスケにも力を入れていきます

こう語るのが、DAZNの水野 重理さん。執行役員であり、2016年のサービス開始当初からコンテンツ統括を担う人物だ。

注力スポーツの幅を広げていくとなれば、さらにコンテンツ量は増えていく。DAZNは、かなりのコンテンツをインハウスで制作しているため、現状でも制作チームは50名規模と一般的な制作会社と比べると大所帯ですが、新たにエディトリアルデザイナーを迎え、より強いチームをつくっていきます

初ポジションとなるエディトリアルデザイナー、そして今のフェーズでDAZNに参画することで得られる経験について、水野さんに伺った。

※ドコモMAX/ドコモポイ活MAX…ドコモの新プラン。追加料金なしでDAZNが見放題になる。

DAZNが大切にする3つの柱
1. ONLY ON DAZN:
独占的な試合やリーグの権利はもちろん、DAZNならではの解説者や、独自の番組や機能を通して、他のプラットフォームでは見られないコンテンツを提供。これにより、DAZNならではの視聴体験を創出する。

2. INNOVATION:
AIなどの技術を活用し、革新的なライブスポーツ視聴体験を提供。例えば、3D技術でリアルタイムで選手のデータを画面に表示することで、視聴体験をアップデート。ファン同士が交流可能な「ファンゾーン」など、“参加型”の機能も導入し進化を続けている。

3. CONNECT WITH FANS' EMOTION:
ファンの感情に寄り添うコンテンツを提供。例えば、2025年2月には、ゴールが決まったら即座に動画をXにシェアできる、熱狂連動広告プロダクト「モーメントブースター」機能をリリース。すでに、Jリーグ、FIFAクラブワールドカップでも採用されている。

今後もAIなどテクノロジーに積極投資していく予定だ。

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水野 重理
1992年、日本放送協会入局。スポーツ、ニュースや報道・ドキュメンタリー番組の制作を担当。担当番組に、『超人たちのパラリンピック』 、『為末大が読み解く!勝利へのセオリー』『球辞苑(きゅうじえん)~プロ野球が100倍楽しくなるキーワードたち~』などがある。2016年、DAZN Japanの前身となるPerform Investment Japan株式会社に入社し、現職。

勝負を決めるのは、イメージと情報のデザイン

制作チームの体制強化をしていくDAZN。なぜ今、「エディトリアルデザイン」が求められているのか。

DAZNとして、スポーツの幅を広げ、コンテンツが増えていけばいくほど、これまで以上に、イメージや情報のデザインが勝負になると考えているためです。

例えば、他コンテンツに埋もれさせることなく、視認性を担保する観点が求められていく。さらに、競技によって、ファンの層も嗜好性も多様になっていくため、その分、ユーザーが求めている情報や、楽しみ方自体も多様になっていく。ここに、対応していきたいと考えています。

これまでは、制作チーム内で、コピーライターやプランナーらが連携しながらデザイン面も見ていました。ただ、今後さらに、コンテンツの数と質を高めていくことを考えると、新たに専任担当を置いた方が良いと考えました。

具体的にエディトリアルデザイナーに求めるのは、プラットフォーム内のショーウィンドウ全体のデザインを担うこと。いわば、ビジュアルの面から、DAZN全体の顔つきをつくっていくことがミッションです。

実際にDAZNのサービス画面をご覧いただくと、あらゆる競技の見逃し配信・ハイライト、そしてニュース番組からドキュメンタリーまで、あらゆるジャンルのオリジナルコンテンツが並んでいます。それらの一つひとつを「タイル」と呼ぶのですが、タイルをどんなビジュアルにすれば、よりクリック/タップしたいと思ってもらえるか。あるいは、どうすればDAZNのブランディングに沿って、ある一つのシリーズを展開できるのか。こういったことをお任せしていきます。

自身のデザイン感覚の目で、どう調理し、どう物事を伝えていきたいか、どんどんアイデアを出していただきたいです。イギリス本国とのやりとりもありますし、当然、基本的なレギュレーションなどはありますが、どう表現するかのクリエイティビティに関しては各国に任されている。自由度は比較的高いと思います。

また、DAZNが扱う全ての競技、ニュースからドキュメンタリーまでオールジャンルのコンテンツを管掌いただくことになります。もちろんDAZNで働くうえで「スポーツが好き」であることは重要なポイントですが、全てのスポーツに詳しい人なんていないと思っています。各競技に関する知識は、あとから付けていただければ問題ありません。

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競技によって、ユーザーの嗜好性はさまざまだと水野さんは話す。「例えば、応援スタイル1つとっても、Bリーグだと、スリーポイント入った時は、歓喜なのか落胆なのかの差はあれど、基本的に敵・味方関係なく盛り上がっていく印象があります。一方、サッカーの場合は、かなりコアなファンが両サイドで応援合戦をしており、敵・見方がハッキリとしている印象です。野球はと言えば、また全然違っていて。友達と喋りながら観戦するなど比較的リラックスした観戦スタイルかなと思います。球場でも、打てば盛り上がるし、守りの時はご飯を食べに行ったりしますよね。試合への集中度合いもそれぞれ違う。そういったことも少しずつインプットしていってもらえると、より刺さりそうなビジュアルのイメージが湧くのではないかと思います。DAZNは福利厚生で試合を見に行けますので、仕事でもプライベートでも、みんなよく現場に足を運びますね」

変革の渦中で、デザイナーの力を拡張していく

DAZNで働く上で得られる「やりがい」について、こう語る。

ここから先の1~2年は、AIを含めたいろんな技術革新を急ピッチで進めていきます。コンテンツだけでなく、新たな機能も追加されていく。単なるスポーツメディアというよりは、よりパーソナライズドメディアへと進化していくことが見込まれます。そのワクワク感を、ど真ん中で体験できる。これは、今のDAZNならではの「やりがい」になるのではないかと思います。

AIは「推し活」との相性も非常に良いんです。例えば、「お気に入りの選手の、今年1年の活躍シーンをすぐに生成する」といったこともできていくかもしれない。他にも、ユーザーのアプリ画面を、お気に入りのチームのカラーに変えることだって、できるようになるかもしれません。

そうなった先には、ショーウィンドウ全体のデザインを統括するエディトリアルデザイナーとしても、新たな魅せ方・クリエイティブを発揮していくフィールドが広がっていくはずです。大きく変化していく環境のなかで、最先端の技術に触れながら、腕を磨いていける。これは、今後のデザイナー人生においても、大きな糧となるのではないでしょうか。

また、私自身はデザイナーではありませんが、前職はNHKでディレクターをしていた立場からお伝えすると、自分の手掛けたものによる反響が数字で見えることは、面白みの1つだと思います。

DAZNのような配信プラットフォームは、並んでいるタイルのデザイン次第で、視聴回数に如実に差がつく世界。1つひとつのタイル自体が、ある種、広告のような役割を果たします。自分のデザインによって何人がクリック・タップしたか。数字ですぐに分かります。

実はテレビの世界だと、自分で作った番組をビジュアルで訴求する機会はほとんどありませんでした。基本的には、ラテ欄の2~3行でいかに言葉で伝えるかの勝負。しかも、それを見た何人が実際に番組を見てくれたかまでは測れません。そういった環境にいた私にとって、自分の仕事の成果が明確に可視化されることは、非常にポジティブな体験でした。数字が好調であれば手応えがありますし、低ければそこから改善策を考えられますからね。

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制作チームメンバーのバックグラウンドも多岐に渡るという。「スポーツテレビ制作をしていた人、スポーツ誌など専門媒体の記者・ライター、まったく別の領域でグラフィックデザイナーをしていた人、広告代理店などプロモーションを専門としていた人、自身がスポーツを本格的にやっていた人も。国籍問わず、みんな、何かしらのスポーツに詳しい人が集まっています。日本で一番、バイリンガルのスポーツ制作力を持っていると自負しています」

スポーツを愛する人の「なくてはならないプラットフォーム」に

そして取材は終盤へ。水野さんご自身がDAZNに飛び込んだきっかけ、そして仕事にかける思いについて伺った。

もともとNHKのディレクターとして、ニュース、スポーツ、ドキュメンタリーなどさまざまな番組制作に携わる中では、自分の好きな野球の番組も担当するなど、やりがいを持って働いていました。大きな転機となったのは、2014年にNetflixが日本に上陸したことでした。コンテンツの視聴体験が大きく変わっていくのを目の当たりにして、「これからOTT(※)の時代になる」と確信しました。テクノロジーによって新たな世界が開けていくところに自分も参加してみたい、と強く思ったのを覚えています。且つ、「スポーツ」は国境を越えて熱狂できる、数少ない「グローバルなテーマ」だと思っていました。そのためスポーツ特化のOTTであるDAZNに興味を持ったのです。「Jリーグとも仕事ができそう」といった期待感もあり、2016年に転職しました。

ちょうど日本でのサービス立ち上げから経験させていただき、今年で9年目。その間、コロナ禍でスポーツ自体がストップするなど、スポーツサービス事業者にとってはまさに試練ともいえる時期もありました。ただ、それを乗り越えた今、Jリーグ、プロ野球、Bリーグともに、いずれも観客動員数がコロナ前よりも伸びているんです。またスポーツに活気が戻ってきて、「やっぱりスポーツがある世界は素晴らしいな」と思いますし、人々から求められる領域でサービスを追求できる喜びを噛み締めています。とはいえ、まだまだDAZNは道半ば。サッカーだけではなく、その他のスポーツファンにとっても「なくてはならないプラットホーム」になるまでは、走り続けたいと思っています。

(※)OTT…Over The Topの略。インターネット回線を通じて提供されるコンテンツやサービスを指す

最後に水野さんにとって仕事とは?

仕事とは、世の中に対して自分として何ができるか考え、役に立てる領域で精一杯に取り組むこと、と捉えています。私で言えば、ストーリーテリングに関しては、比較的得意。そのお陰で、これまで放送・メディア業界でやってこれたのかなと思っています。なので、あらゆる情報を咀嚼し、何をどう伝えるとわかりやすいのか。考え、組み立てていく。これを通じて、今後も「スポーツのある世界」に何かしら役に立つことができれば本望ですね。

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