INTERVIEW
heart relation

この人の近くで働きたいーー小嶋陽菜が代表を務めるスタートアップへ。大手IT企業から転職した、彼女の決断

掲載日:2025/05/13更新日:2025/05/13
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小嶋陽菜氏がクリエイティブディレクターをつとめるライフスタイルブランド「Her lip to」。アパレルから始まり、2021年にはビューティライン「Her lip to BEAUTY」も展開し、Z世代・ミレニアル世代の女性の心をつかむ。それらブランドを展開するheart relation社にて活躍する玉田理沙さん(「Her lip to BEAUTY」ブランド責任者)を取材した。もともと、大手IT企業で働いていた彼女は、なぜ次のステージに同社を選んだのか。そして、同社で得られるやりがいとはーー。

株式会社heart relation
2020年に設立された、小嶋陽菜氏がCCOを務めるクリエイティブカンパニー。ファッションブランド「Her lip to」を主軸に、2021年にはビューティライン「Her lip to BEAUTY」を始動。2023年には体験型フラッグシップストア「House of Herme(ハウス オブ エルメ)」を表参道にオープン。デザイン、EC、SNS運用、顧客体験まで一貫した世界観を構築しているのが特徴だ。SNSとECを融合させ、共感と憧れを軸にしたマーケティング戦略により、Z世代・ミレニアル世代の女性たちから高い支持を獲得している。

同社の組織について
メディア業界、IT業界、アパレル業界など、多様なバックグラウンドをもつメンバーが活躍している。小嶋陽菜氏と現場メンバーとの距離は近く、たとえば「Her lip to BEAUTY」のチームでは週3回ほどの割合で小嶋氏とのミーティングを実施している。

小嶋陽菜のブランド哲学・思想に魅せられて

もともとITベンチャー企業でネットテレビの宣伝などを担当してきた玉田さん。なぜheart relationに転職したのだろう。その決め手から話を聞くことができた。

小嶋さんのブランド哲学・思想に惹かれ「この人の近くで働けば面白い人生になりそう」と思ったことが決め手だったように思います。

じつは入社前に仕事を手伝わせていただいていた期間があり、小嶋さんの仕事への向き合い方にふれる中で、「この人こそ、まさにロールモデルかもしれない…!」と感じたんです。

というのも、小嶋さんは本当に知識が豊富なんですよね。服1つとっても、生地の質感、丈、襟の形、ボディラインを美しく魅せるためのシルエットなど、無限に語れる。服だけでなく様々なジャンルに対して博識で、例えばインテリアについても詳しいです。自分のなかの価値基準が明確にあり、それを分析できている。それが、彼女の哲学につながっていると思いますし、多くの女性に支持される理由なのだろうなとも感じています。

私自身、もともと思想や哲学がしっかりとあるような人・モノが好き。さらに、ちょうどコロナ禍のあたりから、SNSやYouTubeを見ていても、ただ映えているだけでなくそこにクリエイターの哲学・思想がしっかりとあるモノ・人により注目が集まるようになっていった時代の変化を感じていました。そういったタイミングが重なったこともあり、「小嶋さんのもとで挑戦してみたい」という思いがより強くなったように思います。

そもそも、転職を考えたきっかけをこう振り返る。

前職時代もネットテレビの宣伝などを担当しておりやりがいはあったのですが、コロナ禍をきっかけに、仕事量が以前に比べて落ち着いたタイミングがありました。その時、ふと自分のキャリアを見つめなおしたことがきっかけです。

当時30歳。社会人7年目、社内では人脈もできてきて仕事はしやすく、申し分ない環境だったと思います。一方で、その人脈なども通用しない環境で自分はどこまでやっていけるのか試してみたい、という思いもありました。また、ライフイベントのことも考えると、自分の中では35歳になるまでの、あと5年で、もう一段成長しておきたかった。そう考えたとき、まったく新しい環境に飛び込んでみるのも手かなと思いました。最も成長できそうな環境はどこだろう、いいところはないだろうか、と探していたときに、heart relationに出会ったという流れでした。

とはいえ、大手からスタートアップに転職することには、正直かなり悩みました。というのも、私はそれまでの人生で、あまり大きく既定路線を外れるような決断をした経験がなかったんですよね。大学時代も、休学や留学などをすることもなくて。いわば「敷かれたレールに乗ってきた」人生だったとも言えるかもしれません。そのため、「挑戦したい、けど不安もある」という状況に立たされたとき、独立された先輩やスタートアップに転職した先輩たちに会いに行き、気が済むまで話を聞きました。その中で、だんだん不安よりも挑戦したい気持ちが膨らんでいき、気持ちが固まっていきました。

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選考の基準に関して、「SNSフォロワー数などは不問です、むしろSNSはやっていなくても全く問題ありません」と玉田さん。「もちろんトレンドや最新の情報を収集できることは大事なスキルではありますが、選考時にSNSフォロワー数などはいっさい見ていません。また、普段オフィスでカジュアルで動きやすい服装で働いている社員も多いので、興味さえもっていただけたら、変に気負わずに応募いただけると嬉しいです」

香水_商品画像

「Her lip to BEAUTY」について
“Self Care=Self Love”という考えのもと、自分自身に向き合う時間の大切さをテーマに掲げるビューティブランド。フレグランス、ボディ・UVケアアイテムなどを取り扱う。アイテムの手にとりやすさから、アパレルのラインよりも幅広い年代・客層に商品を届けていく方針を掲げている。写真は、2024年にリリースした香水。

ブランド初の「香水」をリリース。道なき道を切り拓く

こうして入社した玉田さん。heart relationで働く魅力を、思い出深いエピソードと合わせて答えてくれた。

私は現在「Her lip to BEAUTY」のブランド責任者をしているのですが、やはり圧倒的なファッションアイコンであり、ビジネスパーソンである小嶋さんの価値観や視座にふれながら、長く愛されるブランドづくりに関われる。よりわかりやすく言えば、小嶋さんの影響力をはじめとする、いわゆる「アセット」を活用し、その上で、理想とするアイテムを描き、形にしていくことができる。これこそが、最大のやりがいなのではないかと思います。

入社してから本当に濃密な時間を過ごしていて、印象深い出来事は毎年更新されているのですが、直近でいえば、昨年、ブランドとして初となる香水をリリースしたことは心に残っています。

商品開発はもちろん、ポップアップショップの内装デザインから施工業者とのやりとり、備品調達、プレス対応、インフルエンサーを起用したプロモーション、工場から店舗に卸すところまで全て、私を含む4名のチームで手掛けました。

会社としても香水をつくるのは初の試みですし、それこそ、どんな会社にパートナーになってもらえばよいのか。工場はどこにお願いしたらいいか。誰とつながれば、良いアドバイスをもらえるのか。全て手探りで、自分たちで切り拓いていきました。

そして、小嶋さんは、どんなときも絶対に妥協しない人。その求めるレベルにくらいついていくのにも必死でしたし、その裏では関係各所へのスケジュール交渉なども発生します。メンバーそれぞれが「一瞬たりとも予断を許さない」というギリギリの状況のなか、それぞれが当事者意識を持ち、球を拾い合いながら進めていきました。今振り返ると、みんな“ゾーン”に入っていたとしか思えない(笑)。なんとか無事に発売日を迎えることができ心から安堵しましたね。さらに有難いことに、この香水が想定を遥かに上回る勢いで多くのお客様に購入いただくことができました。まさに、チーム全員でつくりあげた成功体験でしたね。

私自身は、会社全体としてもまだ数名というフェーズでジョインしたため、自らがプレイヤーとして自分のポジションを最大限伸ばし切るような動き方が多かった中で、仲間を率いて走り切れた貴重な経験となりました。「チームで戦う喜び」と「会社の成長」を同時に感じることができたという意味でも、ひときわ感慨深かったのかもしれません。

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ロールオンパフュームオイルのパッケージの内側に入っているトレーシングペーパーには、花柄のモチーフがあしらわれている。こうしたディテールへのこだわりは、ふとした雑談から生まれるのだそう。「小嶋さんとミーティングをしているとき、何気ない会話からアイデアが生まれプロダクトに反映されることは多いですね。昨年、六本木ヒルズでアイスクリームショップを期間限定でオープンしたのですが、それも、小嶋さんが海外旅行中にみかけたバーケーションショップがコンセプトになっているもの。前職時代は、ミーティングのアジェンダがカチッと決まっていて、脱線しないようにファシリテータ―が管理していくようなスタイルだったので、最初はびっくりしましたね。何気ない会話からアイデアが生まれるし、ブランドの世界観は作られていくんだなと感じます」

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玉田さんの転職前後での働きがいの変化を示すグラフ。志、ビジョンへの共感の高まりの背景には、起業家・小嶋陽菜氏の仕事哲学やそこから得られる学びの多さも無関係ではないだろう。「香水の開発も佳境に入り、最終の試作品が揃い、どれを商品化するか決める段階に入ったときのこと。小嶋さんは自身の判断基準を明確にもっている人なので、ある程度、ご自身の中で「これがいい」というものは決まっていたのではないかと思います。ただ、そこでも妥協しないのが小嶋さん。自分の「絶対これがいい」の先の世界も探しに行くんです。「いろんな角度の意見を知りたい」ということになり、香りもボトルも、社内でアンケートをとって最終判断に活かしました。最後までこだわりぬくこと、客観的な意見も大事にすること、そうした仕事の姿勢は日々学ばせてもらっています。本当に“背中で見せてくれる人”ですね」と玉田さん。

「Her lip to BEAUTY」から、新たなブランドのファンをつくる

そして、今後の目標について。

まずは、「Her lip to BEAUTY」の商品をより多くの人々に届け、事業として成長させていく。これが目標ですね。

ブランドマネージャーとしてブランドに関わる中で、肌にまとうアイテムは、アパレルではリーチできない層にもリーチできるポテンシャルがあると感じています。実際、ポップアップショップなどを行っていても、想像以上に幅広い世代・雰囲気の方々にも手に取っていただけているんです。例えば、「Her lip toのドレスは自分は着る機会がないけれど、香りは気軽にまとえるので試してみたい」という方。友人からバスソルトをプレゼントされたことを機にブランドを知り、ライフイベントを経て自分をケアする時間が減っていたタイミングに、セルフラブのコンセプトにとても共感した」という方も。これからも一人でも多く、こうしたファンを増やしていければと思っています。

また、少し自分軸の話をすると、私はいつ何時目の前にチャンスが訪れたときにちゃんと掴める自分でありたいんです。小嶋さんとの出会いがそうだったように、今後の人生において、またある日突然、自分が関わりたいと思う人が現れたり、興味があることが舞い込んでくることってあると思うんですね。その時に、関わりたいと思った人にとって右腕となれる自分でありたいですし、成し遂げられる自分でありたいんです。そういった意味でも、「ビューティ事業をここまで大きくできた」と、自分が納得のいく成果をあげていくことは、自分にとって大事なことだと捉えています。

最後に、玉田さんの仕事の原動力とはーー。

自分に飽きてしまいたくない。それが原動力なのかなと思います。難しいこと・新しいことに挑戦していると、必然的に没頭するので、自分に飽きている暇はないんですよね。むしろ、新しいことに挑戦することで、レベルアップができるし、自分の新たな可能性を発見できると思っています。

それこそ私は、この会社に入社するまでマネジメントなどの経験はありませんでしたが、やってみたら意外と自分の性に合っているなと思う部分もありますし、面白いなと思い始めている自分がいます。そういった新たな可能性をこれからももっと見つけていきたい。あまり先のことは考えないようにしていて。「今」に向き合い、没頭していられたらいいなと思っています。

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市政、NPO、大手企業、スタートアップ…様々な領域でキャリアを築く女性たちを取材。チャレンジングなミッションを担い、チームやプロジェクトをリードしていく。彼女たちの仕事観、キャリアに迫ります。
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