REPORT
電業界、競争激化。ピンチをチャンスに変えるか?

家新戦略で復活目指すジャパンブランド、ソニーの動向に迫る。

掲載日:2019/06/01更新日:2021/02/19

2018年度、ソニーグループは売上高、純利益ともに過去最高を更新。苦戦が続いていたテレビなど家電事業においても、好調な業績を挙げる。今回は、ソニーグループの求人とともに、好調の背景を見ていこう。

テレビ事業、高付加価値戦略への転換

世界中で愛されるソニーブランド。ウォークマン、プレイステーション、AIBO…革新的なプロダクトを生み出し、時代を切り拓いてきた。

ただ近年、韓国や中国といった海外メーカーとの価格競争が激化。主力事業の家電領域で苦戦を強いられてきた。たとえば2013年には、屋台骨であったテレビ事業が10年連続の赤字を記録。ソニーブランドの凋落を謳われる要因となっていた。

逆境が続く中、ソニーが打ち出したのが、高付加価値製品の強化だ。掲げたのが「One Sony」というスローガン。

これは、ソニーならではのテクノロジー、デザインによって、他社製品との差別化を図っていくという事業方針。さらに言えば、"ソニーらしい商品”とはなにかを突き詰め、原点に立ち帰る決意だと言って良いだろう。

こうした方針の元、開発された製品の一つが有機ELテレビ「A1」シリーズだ。その特徴が、テレビの画面から音を出す「アコースティックサーフェス」技術。「映像の中から音が聞こえ、まるで目の前にその光景が広がっているかのような」新たな体験を作り出し、話題となった。

結果、2014年にテレビ事業は黒字化を達成。ソニー復活の象徴として語られている。

桁違いの成長を遂げる、ゲーム事業

そして今、ソニーグループで顕著な成長を遂げているのがゲーム事業だ。2018年度決算において、売上高2兆3109億円、利益3111億円を記録(*1)。2012年度の売上高7071億円、利益17億円という水準から桁違いの成長を遂げていることがわかる。

この成長を牽引しているのが、「PlayStation」を通して利用できるネットワークサービス『PlayStation Network』だ。ゲームをはじめ、ビデオや音楽などのエンターティンメントコンテンツを提供。月間アクティブユーザー数は、世界で9000万人万人以上を数えるまでに拡大している(2018年11月末時点)。

ソニーが進める新規事業の行方

既存事業のV字回復を実現し、次なる事業創出へ。今、ソニーは新規事業に力を注ぐ。

たとえば、2014年に立ち上がったのが、新規事業創出プログラムである「SAP(Seed Acceleration Program)」。社内から募った事業アイデアをオーディションによって選出、事業化、製品化のサポート行なっていくというもの。これまで、ドローンやスマートロック、知育玩具など、さまざまな製品や事業を生み出してきた。

さらに2016年には、AIやロボット分野の研究開発を手掛けるベンチャーに出資する「ソニーイノベーションファンド」も設立。外部と連携した研究・開発にも積極的に乗り出している。

さまざまな革新的な製品を生み出してきたソニーグループ。AI、IoTなど、テクノロジーによるイノベーションが進む時代に、どんな製品を私たちに届けてくれるのか。今後も目が離せない。

参考
2018 年度 決算資料ーソニー
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/library/presen/er/pdf/18q4_sonypre.pdf
「プレイステーション 4」世界累計実売9,160万台を突破 『Marvel's Spider-Man』は累計実売900万本超えーPS.Blog
https://www.jp.playstation.com/blog/detail/8109/20190108-ps4.htm

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