REPORT
中国向け・米国向けEコマースが活況

2027年、越境ECの市場規模は541兆円へ。関連企業の求人に注目

掲載日:2021/09/30更新日:2021/09/30
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今、海外市場拡大の手段として「越境EC」が注目を集めている。とくに新型コロナウィルスの影響で、インバウンド消費が激減。海外需要の獲得に向け、多くの企業が導入を進めている。こうした中、存在感が高まっているのが越境ECの支援を手掛ける企業だ。関連求人とともに、その動向を見ていこう。

コロナ禍で高まる、越境EC需要

2020 年の世界の越境 EC 市場規模は約101兆円(9,123 億 USドル)に。さらに、2027年には約541兆円(4 兆 8,561 億 US ドル)にまで拡大すると予測されている(*1)。

世界中でECの普及が進む中、注目が集まっているのが「越境EC」。越境ECとは、国境を超えて行なう、電子商取引(EC)のこと。拠点がない国・地域にも商品を販売でき、メーカー・小売企業を中心に活用が進んでいる。

こうしたなか、国内企業における注目度が一層の高まりを見せている。背景にあるのは、新型コロナウィルスの影響による、海外からの入国制限。インバウンド消費が激減する中、海外消費者の需要獲得に向け、多くの企業が越境EC導入に乗り出し始めている。

とくに2020年に入ってからは、中国向けに加えて、米国向けの越境ECも拡大。2019年には、中国の消費者が日本から購入した金額が1兆6558億円だったのに対して、米国の消費者は9034億円にまで迫り、伸長率では中国を上回る結果となった(*2)。

越境EC関連企業の求人も活況に

では企業は「越境EC」において、どういった取り組みを行なっているのか。

販売手法としては、大きく以下の2つの方法が挙げられる。

・越境EC(国内・海外)機能を持つモールに出店
・多言語対応の自社ECサイト構築

どちらにも共通して言えるのが、物流・決済方法、発送手段、翻訳など、販売国に合わせた対応が必要なこと。たとえば、中国ではインターネットサイトの開設・運営にライセンス取得が必要だったり、古着の輸出ができなかったりと日本とは異なった規制もある。そもそも、どの商品を販売していくべきか、現地のリサーチ・マーケティングも必要だ。

国内ECとは異なったノウハウが必要とされる中、越境EC支援サービスが数多く立ち上がっている。たとえば、中国最大級の育児動画メディアを運営するOnedotは、越境ECをはじめとした中国向けマーケティング支援事業を展開。さらに、BASEはネットショップ作成サービスに越境ECの対応機能を追加した。

こうした中、越境EC関連のビジネスを手がける企業の求人も、数多く見受けられるようになってきた。その企業・求人について簡単に見ていこう。

アマゾンジャパン

アマゾンジャパンは2021年9月、日本貿易振興機構(ジェトロ)と連携し、国内中小企業の米国向け越境EC(電子商取引)を支援する取り組みの開始を発表した(*3)。具体的な支援としては、アマゾンの米国版サイト上への対象企業の商品紹介ページの設置、広告枠の格安での提供などを行っていくという。

アリババ

 2021年1月、中国最大手EC企業であるアリババが運営する越境ECサイト「天猫国際(Tモールグローバル)」は、87ヵ国・地域から2万9000超の海外ブランドが出店し、取り扱い商品は5800品目を超えるサイトだ。同サイトは、海外の中小企業の出店をよりしやすくする施策を発表。目的に応じた登録方法や専門家への相談窓口、物流、運営方法、言語サービスを提供し、最短30日でオンラインストア開設を可能にするという(*4)。

Onedot

ユニ・チャームとボストン・コンサルティング・グループのジョイントベンチャーとして設立。越境ECをはじめとした、中国向けマーケティング支援事業を展開する。

同社の強みといえるのが、中国という独特のマーケットで実際に事業を仕掛け、拡大させてきた実績だ。2017年2月より中国で育児動画メディアを運営し、今や同領域における最大手の一角に数えられる。自社事業で培ってきた経験・ノウハウが、クライアントから信頼を勝ち取る所以だといえるだろう。

BASE

日本最大級のネットショップ作成サービス『BASE』を運営。開設実績は3年連続で日本No.1を記録し、2020年5月にはショップ開設数が100万を突破した。

そして2020年6月、越境ECへの対応をスタート。クラウド型物流代行サービス「NEOlogi(ネオロジ)」とサービス連携し、『BASE』加盟店がワンストップで越境ECの実現が可能となった。

毎年20%を超える高い成長を見せる、世界の越境EC市場。2026年には540兆円を超えるという予測もある。

まだまだ新しい分野、グローバルなフィールドで新たな市場を切り拓いていきたい。こういった方にとって、見逃せない領域だと言えるだろう。

【参考】
(*1)令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業|経済産業省
https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200722003/20200722003-1.pdf
(*2)越境ECはアメリカに注目! 巨大マーケットに成長中の米国ユーザー攻略法。カギは「KOL×YouTube」?|Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/bbf13ec2891c8f3275789dd705b4370ce46d4933
(*3)アマゾン、中小企業の越境EC支援強化 ジェトロと連携|日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC27BAU0X20C21A9000000/
(*4)アリババの越境EC「天猫国際」、海外中小企業の出店支援へ|AFP BBNews
https://www.afpbb.com/articles/-/3327474

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