「2040年までに半数の市区町村が消滅する」これは2014年に発表された未来予測だ。多くの地方自治体で、持続性のある地域社会の実現は大きなテーマとなる中、注目されるのがAI、IoTなどを活用した「スマートシティ」。政府は2019年5月、地方自治体のスマートシティ化支援を目的に「スマートシティモデル事業」を立ち上げ。2020年5月には「スーパーシティ法」成立。関連求人とともに、その動向を見ていこう。
スマートシティはエネルギーや生活インフラの管理に、AI、IoTといった先端技術を活用する取り組み。生活の質向上・運用サービスの効率向上などが目的だ。特に地方において、住みやすく魅力的なまちづくりを行ない、人口減少に歯止めをかける手段として注目されている。
国家としても、地方におけるスマートシティ化支援に積極的だ。たとえば、2017・2018年度、ベンチャーのスマートシティ参画を支援する仕組み「StartupXAct(スタートアップエグザクト)」を実施。ベンチャーと地方自治体をつなげ、8自治体のマッチングが成立した。
さらに2019年5月には、「スマートシティモデル事業」をスタート。茨城県つくば市、栃木県宇都宮市、島根県益田市などの自治体で実施する「スマートシティ化プロジェクト」を選定、支援を発表した。
地方のスマートシティ化に不可欠なのが、テクノロジーに強みを持った企業との連携。特に先進的なプロジェクトとして挙げられるのが、福島県会津若松市とアクセンチュアの例だ。
2011年、アクセンチュアは会津若松市にイノベーションセンターを開設。2015年には、利便性や生産性の高いサービスを提供する仕組み「スマートシティ・プラットフォーム」を構築。エネルギー、医療、インバウンドなどさまざまな分野でプロジェクトを手がけている。
たとえば、省エネ推進プロジェクトにおいて、消費電力をスマートフォンなどのデバイスから手軽に確認できるシステムを展開。最大27%の電力削減効果をもたらしたと公表している。
もう一つ、インバウンドにおいては、2016年に観光者向けWebサイト「Visit+Aizu」を開設。海外市場のニーズ調査やブランド戦略なども展開し、2015年から3年間で外国人宿泊者を5.3倍に拡大させた。
いま、まちづくりの領域は、さらにアップデートされようとしている。
たとえば5月27日には、「スーパーシティ法」が成立。丸ごと"未来都市"をつくることを目指すという。
そもそも、スマートシティはあくまでエネルギーや交通などの個別の実証実験が中心に定められていた。スーパーシティでは、物流・医療・教育など、あらゆる分野の先端技術を連携させ、相乗効果で住みやすいまちを目指すとされている。
想定されているのが、自動運転、キャッシュレス決済、ドローンの自動配送、遠隔診療などのサービス提供。
たとえば医療機関への通院を例に見てみると、高度な医療機関の設置から、予約、タクシーの配車予約まで連動させる、といったことが可能となる。
すでに、大阪では2025年の関西万博の会場となる区域で、空飛ぶ車やドローンなどの活用も検討されている。
こうした中、日系総合コンサルティングファームが「スマートシティプロジェクト」に携わるコンサル職を募集。
その他にも、地方創生に関わる募集も見受けられた。ぜひ実際の求人をチェックしてみてほしい。
参考
総務省が「スマート自治体」支援を本格化 IoT、AIを地域に実装ー月間「事業構想」オンライン
https://www.projectdesign.jp/201906/smartcity-future/006458.php
1700ものシステムがバラバラ、日本の自治体で「共通基盤」は実現するかービジネス+IT
https://www.sbbit.jp/article/cont1/36382
スーパーシティ法が成立 まちづくりに先端技術活用 | 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59619770X20C20A5EAF000/