化粧品メーカー各社がAI・IoT活用を本格化させている。たとえば2019年7月、資生堂がIoTによるパーソナルスキンケアサービス「Optune(オプチューン)」の本格展開をスタート。花王はAIスタートアップと協働で、美容サービス構築に向けたプロジェクトを開始した。そういった中、各社がデジタル領域に知見を持つ人材の採用を強化する動きも。関連求人とともに、その動向を見ていこう。
化粧品メーカー各社がAI・IoTによるサービス創出を進めている。とくに注目したいのが、「パーソナライズ化」の流れだ。
たとえば2019年7月、資生堂がリリースしたのが、IoTを駆使したスキンケア定額サービス「Optune(オプチューン)」。ユニークなのが、自宅でその日に合わせパーソナライズされた基礎化粧品を利用できるというところだ。
具体的には、スマホで肌を撮影すると、専用アプリが水分量、きめ、皮脂量といった肌データを測定・分析。専用マシンから、その日の肌状態に合わせた基礎化粧品が抽出される。
また花王もパーソナライズに取り組む。2019年11月には、AI開発を手掛けるスタートアップ「Preferred Networks」との協働を発表。パーソナライズされた美容サービス構築に向けたプロジェクトをスタートさせた。ユーザーの肌の状態と、遺伝情報などを組み合わせ、個人個人に合わせた美容カウンセリングサービス構築を目指していく計画だ。
今後、化粧品メーカーによるテック企業などとの協業も、さらに加速するという見方もできるのかもしれない。
こうした中、化粧品メーカーによる「デジタルへの知見を持った人材」の採用・育成強化の動きが見て取れる。
たとえば花王は、2018年にAI技術の活用などを担う専門部署「先端技術戦略室」を設立。2022年ごろまでに2000人以上の体制とする方針だ(兼務含む)。
ロレアルの動きで言えば、従業員に対するデジタル技術のスキルアップへの取り組みをはじめ、デジタル人材の採用強化を進めている。
実際の求人として、大手化粧品メーカーによる「AI戦略プロジェクトメンバー」などの募集も見受けられた。デジタル領域でキャリアを築く上で、いま化粧品メーカーにはおもしろいチャンスがあると言えるかもしれない。ぜひ実際の求人をチェックしてみてほしい。