医療、環境破壊、食料危機…さまざまな社会課題が深刻化する中、課題解決の担い手として期待されているのがベンチャー・スタートアップの存在だ。社会背景と併せて、注目企業の取り組みを見ていこう。
近年、テクノロジーや斬新なアイデアを武器に社会課題に挑むベンチャー・スタートアップが数多く見られるようになってきた。
とくに社会課題の深刻化・複雑化が進む中、従来のシステムによる対応が困難なケースも多い。こうした課題に、既存の枠組みにとらわれず新たな解決手法を打ち出す存在として、ベンチャー・スタートアップへの期待は高まっている。
実際に、日本政府としても、ベンチャー・スターアップへの支援を活発化。たとえば、2016年には、「ベンチャー・チャレンジ 2020」を発表。地方自治体や大学、大企業とのオープンイノベーションを推進し、自律的にイノベーションが起こる環境の構築を進めている。
実際に、ベンチャー企業によってどのような社会課題解決の取り組みが行なわれているのか。一例として、メドレー、オイシックス・ラ・大地、ユーグレナ3社を取り上げていこう。
メドレー
「医療×IT」サービスを展開するメドレー。その一つが、診療業務システムを統合し、診療業務の効率化を実現するクラウドサービス『クラウド診療支援システムCLINICS』だ。通院継続率など治療成績を向上させるなど、より質が高く効率的な医療を実現させている。
オイシックス・ラ・大地
安全食材やミールキットの宅配サービスを展開する、オイシックス・ラ・大地。新型コロナウイルス騒動による食料危機やフードロスなどにも挑む。
たとえば2020年3月には、「お家で食べて応援!北海道物産展」をスタート。ウィルス感染拡大による外出控えや観光客の減少による北海道物産への影響を鑑み、自社をはじめ、提携するECサイトでの販売を手掛ける。
ユーグレナ
微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)などを用いた食品・化粧品の生産や研究を行なうユーグレナ。
2019年6月には、伊藤忠商事とミドリムシの海外における培養実証事業をスタート。量産体制を構築し、バイオ燃料などに活用していく計画だ。ミドリムシはCO2を吸収する特性を持ち、航空機の燃料などでの利用が期待されている。