INTERVIEW
月間ユーザー数830万人を突破、昨対比200%超成長。

累計22億円調達。インテリア写真SNS『RoomClip』新規事業に注がれる熱視線

掲載日:2020/12/18更新日:2021/02/19
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暮らし・インテリア写真SNS『RoomClip』が大躍進を続ける。「月間ユーザー数830万人を突破し、昨対比200%以上になりました」と代表の髙重正彦さん。2020年9月には10億円を調達。ユーザーデータを活用した法人向けビジネス・マーケティング支援、さらにマーケットプレイス開設(2021年春予定)と、新規事業で攻勢をかける――。

「暮らし・インテリア写真SNS」で、唯一無二の存在へ

インテリア・家具・収納・DIY――「暮らし」や「住まい」について検索すれば、ほぼ必ず『RoomClip』にアップされた実例写真に辿り着く。

さらに、そこでは住まい・暮らしに興味関心のあるユーザーたちのコミュニケーションで溢れている。

「実質、国内に競合という競合はいない状況です。私たちは2011年に創業し、暮らし・インテリア写真投稿の"ジャンルそのもの”を切り拓いてきました」

こう解説してくれたのが『RoomClip』代表の髙重正彦さんだ。

「私たちは、この領域の第1世代。写真投稿数、ユーザー数、いずれも国内トップ(自社調べ)だと思います。サービスの特性上、後追いしても、決して追いつけない。地道に投稿いただいてきた写真と、ユーザーや商品情報などのデータが最大の資産になっています」

さらに新型コロナ感染拡大の影響もあった。新たな生活様式が模索されるなかで「住まい・暮らし」への関心が高まり、ユーザー数は昨対比200%を超えた。

RoomClipユーザー数の伸びが分かるグラフ

2020年5月、月間ユーザー数は830万人(2020年5月)。これまでに投稿された写真枚数は累計400万枚超。30代女性に限定していえば、国内人口における約3割が『RoomClip』ユーザーというデータも。

「収納やインテリア、DIYが好きな方々が集まる、国内屈指のユーザーコミュニティを抱えており、膨大なデータがあります。これは法人向けビジネスの強い武器になります」

2018年頃から法人向けビジネス・マーケティング支援を本格化させ、2020年以降、さらにアクセルを踏む。2021年には同社が“D2Cマーケットプレイス”と定義する新規事業もスタートさせる。暮らし・インテリア写真SNSのパイオニアによる新たな挑戦、その勝算に迫った。

RoomClip代表取締役社長髙重正彦さんのお部屋

代表取締役社長 髙重正彦氏
東京大学大学院工学系研究科にて、ソーシャルネットワークの数理的成長モデルを研究。イマジニア株式会社にて、キャリア公式サイト、スマホアプリ、SNSアプリの新規立ち上げを経験。2011年、Tunnel株式会社(現ルームクリップ株式会社)を創業。2012年にRoomClip(ルームクリップ)をリリース。

家電、インテリア・雑貨、住宅設備、日用品、DIY…あらゆるメーカーとタッグを

インテリア・収納のテクニック、おしゃれなリフォーム・リノベーションされた部屋などの写真が投稿されていくーー。

一見するとシンプルだが、一体どのような法人向けビジネスに結びつくのか。その点について髙重さんが解説してくれた。

「『RoomClip』には、暮らしに関わるあらゆる道具、商品、グッズが“画像付き”で投稿されます。たとえば、インテリア・住宅設備メーカー、家電メーカー、日用品メーカー、ホームセンター…多くの企業にとってエンドユーザーのことが知れる、大切なマーケティングプラットフォームとして価値があります」

エンドユーザーの「リアルな声」や「実例」を製品開発・マーケティングに反映させたい、というのが企業のニーズというわけだ。

「そもそも、使用例と共に、エンドユーザーの“実際の部屋のなか”が大量に見れる。以前は考えられないことでした。それがスマホの普及により写真投稿のハードルが下がり、実現できるようになりました。また、機能・デザインだけでは製品の差別化が難しい時代、企業側はどうしても価格競争に陥りがち。マーケティングも、ショールームのスペース、ホームセンターの棚をどれだけ獲得できるか。TVCMで知名度を上げられるか。決まったカタチしかなく、消耗戦になってしまっていました。たとえば、さまざまな属性を持つユーザー、愛用者とつながり、世界観・使用例とあわせて製品情報を届けたい。こういった企業側のニーズと『RoomClip』がマッチしているのです」

RoomClipのサービスロゴ入りパネル

インテリア、住宅設備メーカーのブランド名などのタグ検索で、メーカー側は自社製品の数多くの使用例が見ることができる。生活スタイル、DIYによる創意工夫、収納アイデアなど、住まいと暮らしにまつわる情報を相互に共有。膨大な実例写真データ、ユーザー属性データ、コミュニティ内での行動データ、コメントなど多くのデータが蓄積され、それも法人にとっての大きな価値となる。

広がる「暮らし × ◯◯」のビジネスチャンス

Twitter、Instagram、Pinterestなど、既存のSNSでもマーケティングやプロモーションはできるはずだ。しかし、自社製品の「愛用者たち」とつながることは難しい。

その点、『RoomClip』ユーザーは属性が明確で、データの価値が高く、ファン化につなげやすい。具体的に、企業と実施しているコラボレーション、プロモーション施策として、

・住生活関連企業向けSaaS・D2Cクラウドサービス『RoomClip ビジネス』
・インテリア、グッズ、製品などの使用事例が集まる写真投稿イベント開催
・モニターキャンペーンの実施
・エンドユーザー宅の取材や実例データを活用した製品冊子の制作

など、多岐にわたる。とくに『RoomClip ビジネス』はさらなる成長に期待が集まっている。

「現在、100社ほどが利用してくださっているマーケティング支援のクラウドサービスで、SaaSにて提供しています。ユーザーの行動データ、属性データの分析を行い、コミュニケーション、販売促進を行います」

さらに、2021年春に開始予定『RoomClip ショッピング』との連携も視野に入れており、構想を伺うことができた。

「『RoomClip ショッピング』は、企業が直接エンドユーザーに製品を販売できる“D2Cマーケットプレイス”という位置づけ。たとえば、そこへの出品管理・決済管理など、いわゆる住生活関連企業様が、積極的に『RoomClip』ユーザーとつながり、販売するまでの一連のサイクルをサポートしていきます」

新サービスRoomClipshoppingのパネル

2021年春開始予定『RoomClip ショッピング』…住生活における大切なモノを「安心・納得」して購入できるマーケットプレイス。「RoomClip」ユーザーの投稿による膨大な実例写真、ユーザー同士のつながり、「RoomClip ビジネス」を利用している企業とのコミュニケーションなど、製品・商品軸でのファンコミュニティを形成し、購買までに安心感、納得感を醸成するユーザー体験を提供していく。購入の参考にされた実例写真の投稿ユーザーには、貢献度に応じてインセンティブが発生する仕組みを用意。ブランドや製品・商品のファンが新たなファンを生み出す『RoomClip』ならではの「ソーシャルコマース」を実現する。

前例が、無い。だから面白い

『RoomClip ビジネス』と『RoomClip ショッピング』の新規事業領域のキックオフにあたり、全社的に採用を強化している。同サービスに携わることは「開拓者」としての醍醐味がある、と髙重さんは言う。

「先にお伝えしたように、私たちと同じことをやっている競合はほとんどいません。これは強みですが、前例が全く無い、ということでもあります。住まい・暮らし領域での“D2Cマーケットプレイス”の構想も業界初。ビジネススキームをどう組むか。どの部門の、どのキーマンに企画を提案するのか。いくらで提供するのか。ゼロから自分たちで開拓します。ここは他社では得られない大きなやりがい、醍醐味だと思います」

住生活関連業界としても、『RoomClip』に寄せる期待は大きい。

「日本のメーカーさんは、どのジャンルでも本当に素晴らしい技術を持っており、海外でも十分に戦える製品を作ることができます。ただ、これだけ変化の激しい時代、ユーザーと直接向き合い、コンセプトや世界観の構築も含め、いい商品が作れているか?というと課題は大きい。それができれば、まわり回ってエンドユーザーのためにもなります」

「住まい業界」をトランスフォームさせる

そして伺えたのが、『RoomClip』が掲げる大きな野望について。

「エンドユーザーが真に求めているのは「家を心地よくして、楽しく暮らしたい」ということですよね。それを叶えるために必要なものは、インテリア、日用品、家電、住宅設備、建材、さまざま。私たちはそこを統合して届けたい。究極的にいえば、オンラインにもこだわりません。エコシステムを構築し、新しい住生活の文化と産業をつくりたいのです」

そんな彼らが掲げるミッションとは。

「私たちが掲げているのは「日常の創造性を応援する」というミッションです。日々の生活、暮らしのなかで、全ての人が、自分らしく、やりたいと思うことができるようにしたい。そのためにも「住生活を変えていく意義」や「価値」を広く伝えていく。何よりも、住生活関連業界そのものを、トランスフォームしなければならないと考えています。たとえば、自分なりに暮らしを良くしたいと思った時、ホームセンターに行くのも楽しいですし、『Amazon』や『楽天』も便利です。ただ、本当にそれだけで自分らしい部屋づくり、インテリアが選べるか?と言われると難しい。なぜなら、世界観をつくったり、組み合わせたり、創造性の発揮が必要で、奥が深い領域だからです。そこが楽しさでもある。そう考えると、無数にある企業様の住生活関連商品が揃い、且つ、エンドユーザーの創造性、アイデアが湧くような業界構造に変えたい。ぜひこのビジョンに共感いただける方と挑戦していきたいですね」

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