コロナ禍、在宅時間が増えるなか、家庭用コミュニケーションロボットが存在感を高めている。こうした中、スタートアップや大手メーカーでは積極的に採用を行なう傾向も。その動向について、実際の求人と共に見ていこう。
ロボット産業の中で、いま注目が高まっているのが「コミュニケーションロボット」だ。
例えば、GROOVE X社が提供する、柔らかくて温かい家庭用ロボット『LAVOT(ラボット)』。愛らしいルックスと、呼ぶと近寄ってくる人懐っこさで話題となったこのロボットは、コロナ前と比較して売上が10倍以上に拡大したという(*1)。
また、ユカイ化学が提供する、見守り機能付きロボット『BOCCO(ボッコ)』は、単なるコミュニケーションにとどまらず、決まった時間に薬を飲むことを促したり、寝る時間を教えてくれたりといった機能を有する。
いずれも、「離れて住む親の安全を確かめたい」「孤独感を解消したい」「癒しを得たい」といった時代のニーズにフィットした形だ。
特にコロナ禍での課題の1つとして、外部との関わりがなくなることによって、高齢者の認知症が進行するという事例もある。こうしたソリューションの一つとしても、コミュニケーションロボットの果たす役割は大きくなっていると言えるだろう。
こうした中、関連メーカーでは積極的なビジネス展開の動向が見て取れる。その一例を簡単に紹介していこう。
例えば、先にあげたGROOVE X社は、2021年1月、NTTドコモとの資本業務提携を発表。総額9億円の追加調達を完了し、累計調達額は133.1億円に(*2)。業務提携により、新たなコミュニケーションサービスの創出に加え、ヘルスケア・メディカルケア分野での新規事業開発、『LOVOT』次世代機への5G回線搭載の検討などを予定しているという。
もう一つ、大手メーカーによる新規参入も注目したいポイントだ。2021年2月には、パナソニックは同社初となる家庭用ロボット『NICOBO(ニコボ)』の開発を発表(*3)。コロナ禍で増えた在宅時間や一人時間の「癒し」を提供する狙いとし、利便性よりも人を笑顔にする「気ままな同居人」というイメージを追求しているという。
これまで家庭生活の場では、なかなか普及が進んでこなかったロボット。まさに今、コロナ禍を契機に一般家庭に”ペット”のような役割で受け入れられるケースも増えてきた。ビジネスとしても新たなフェーズに入ったといえるなか、関連企業による求人も見受けられるようになってきた。ぜひ実際の求人をチェックしてみて欲しい。
参考:
(*1)家族型ロボ「LOVOT」、カスタマーサクセスで売上10倍に:「 D2C は『自分ごと化』がすべて」|DIGIDAY
https://digiday.jp/brands/family-type-robos-lovot-grow-to-10-times-sales-through-customer-success/
(*2)GROOVE Xは、株式会社NTTドコモとの資本業務提携を発表|PRTIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000055543.html
(*3)パナソニック、家庭用ロボ開発 在宅時間に癒やし|JIJI.COM
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021021700973&g=eco