コロナ禍による生活様式の変化は、アパレル業界に多大な影響を及ぼした。実店舗の売上が落ち込むなか、生き残りをかけ、各社が取り組みを進めるのが、DXへの対応だ。今回はその動きとともに、関連求人を見ていこう。
いまアパレル業界では、どういった取り組みが行われているのか。その一例として、コロナ禍において急務となるECへの対応を見てみよう。
特にECにおける試着ができない課題に対し、AIやARといったテクノロジーによるソリューション活用の動きが見受けられる。
例えば、ユニクロでは2019年11月より、スマホカメラで撮影した画像からAIで採寸できるサービスを導入。ユニクロアプリ内で提供され、採寸データを参考に、商品の購入を可能としている。
もう一つ、ARによるバーチャルでの試着体験の導入も各社で進む。例えばAmazonでは2020年6月、服の着用時における外観の画像を生成するバーチャル試着システム「Outfit-VITON」を発表した。
今後もECでの売上拡大を見据える上で、より良い購買体験の創出が欠かせない。テクノロジーによる新たなソリューションの開発・導入は今後も活発化していきそうだ。
続けて見ていきたいのが、こうしたアパレル業界における求人について。2022年1月現在、特にDXへの取り組みを手掛ける企業で募集が多く見受けられた。その一部を紹介していこう。
自らブランド・商品の選定・仕入れを行い、マーケティング・販売・発送・カスタマーサポートまでを一気通貫で行う直販型のビジネス『Rakuten Fashion』を手掛ける、楽天。
2021年1月には、リアル店舗と複数のECサイトの在庫情報を一元化できるサービス「楽天ファッション オムニチャネルプラットフォーム(Rakuten Fashion Omni-channel Platform)」を発表した。在庫の効率化とともに、楽天の自社配送網や楽天IDとシステムを連携し、効率的なプロモーションや新規顧客の獲得、リアル店舗とECサイトの相互送客、配送の効率化などにも生かしていく方針を示している。
マーケティング戦略マネージャー、事業戦略マネージャーなどのポジションで募集が行われていた。
自社ECサイトやSNSを通してオンライン上での"接客"を実現する『STAFF START(スタッフスタート)』。バニッシュ・スタンダード社が提供する同サービスを使えば、具体的には、店舗スタッフがスマホを片手に、撮影したコーディネート写真や動画、商品レビューなどを自社ECサイトやSNSなどに投稿。投稿には商品情報が紐付けられ、顧客は気に入った商品をそのまま購入できる。2016年のリリースから利用ブランド数1,600超、流通総額は1,200億円を突破している。
カスタマーサクセス、フィールドセールス、広報戦略マネージャーなどのポジションで募集が行われていた。
プロのスタイリストが洋服を選定するファッションレンタルサービス『airCloset』を展開。2020年12月、登録会員数が計45万人を突破したと発表した。
同社では、データ解析・AI 開発専門チームとして『データサイエンスチーム』を社長室直下に設立。ファッションテック企業として、250万以上のスタイリングデータだけでなく、ファッションの感性・好みやセンスなどの定性的なデータをはじめ、複数項目に紐づく膨大なデータを解析し、より良い顧客体験を創出している。
物流企画、経理財務のポジションで募集が行われていた。
新作コレクション発表の場である展示会や小売店からの受注業務の圧倒的な業務効率を実現する受発注システム『TERMINAL ORDER』を展開。380以上のブランド、15,000人以上の小売店バイヤーが利用し、累計流通総額が1,000億円を突破する見込みだという。
2014年に創業し、現在第二創業期と位置づける。事業戦略担当のポジションで募集が行われていた。
大きな変革期にある、アパレル業界。次なる時代のビジネスモデルを構築していく、チャレンジングなフィールドも広がっているはずだ。ぜひ実際の求人をチェックしてみてほしい。