今回スポットを当てていくのが、銀行出身者の次なるキャリアについて。特に昨今、若手人材が業界・職種を超え、新たなフィールドにチャレンジするケースも。その選択、可能性について見ていこう。
銀行で働く若手のなかでも、リテール・ホールセールなど、いわゆる「営業職」として働く方は多いだろう。当然、異業界での営業ポジションも選択肢の一つとなる。
なかでも注目したいのが、Fintech関連サービスを展開する事業会社だ。QRコード決済、給与のデジタル払い、ソーシャルレンディングなど、いま様々な領域でサービスが勃興。市場拡大フェーズにある企業も多く、営業ポジションの採用が数多く見て取れる。特にスタートアップフェーズの企業でいえば、営業戦略や組織体制の構築などコアメンバーとして企業を牽引するチャンスも大いにあるはずだ。
求める要件として金融業界での業務経験を記載する求人もある。培ってきた知識やスキルを、ダイレクトに活かせる機会もあるといえるだろう。
続けて見ていきたいのが、事業会社における「経理・財務」でのキャリアだ。
例えば財務諸表の分析、ファイナンス理論、会計知識など、銀行員として培えるスキルを実務に活かせる機会も多い。さらに財務ポジションでいえば、銀行への決算報告、融資の交渉などを担うケースもあり、銀行出身者を歓迎する企業もある。
実際の求人でも、銀行をはじめ、金融機関での経験を求める募集も見受けられた。
また、「経理・財務」でのキャリアを検討する上で、スタートアップへの転職も一つの選択肢だといっていい。実際に活躍が認められ、若手ながらCFOなどボードメンバーに抜擢されることも。一時的に給与ベースが下がってしまう可能性もあるが、将来的なキャリアプランとして、非常に市場価値の高い経験が得られる機会もあるといえるだろう。
もう一つ注目したいのが、コンサルタントとしてのキャリアだ。
いまビジネス環境が激変するなか、企業の経営課題は複雑化・高度化。同時にコンサルタントの採用ニーズも高まりを見せている。
例えば戦略・経営コンサルタントの求人として、経験を問わない募集もある。これまでいかに困難な課題に立ち向かい、考え抜き、解決してきたか。仕事へのスタンスやマインド、課題解決能力などが問われることになる。さらに求める人材像などが記載されている場合、自身がフィットする部分があれば、大きなアピールポイントになるはずだ。
またなかには、金融業界での経験が有利となるケースもある。一例として、金融業界を専門とする経営コンサルタントや、財務コンサルタントの求人で経験を歓迎する記載が見受けられた。
最後にユニークなキャリアとして、金融庁の募集に触れておきたい。
いま同庁では、金融機関、金融システムが抱えるリスクの調査・分析・検査を専門的に担う「リスク分析総括課」にて3ポジションを公募。特に「マネーローンダリング・テロ資金供与対策担当官」「市場リスク担当官」では、⾦融機関出身者も募集対象となる。事実、メガバンクを中心とする銀行での実務経験を持つ方も活躍しているようだ。
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金融庁「リスク分析総括課」が、3職種で公募。市場変動、サイバー攻撃、金融犯罪等のリスクと対峙せよ