「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンを掲げ、進化の早いインターネット産業の中で、成長し続けているサイバーエージェント。今回お話を伺ったのは、同グループの注力事業「ABEMA」の編成戦略部にて、全体戦略設計を担う稲富龍太郎さん。じつは彼、若干26歳にしてABEMAの重要なミッションを担う人材。抜擢された彼のストーリーから見えてきたのは、自分を打破して前に進み続けるストイックな仕事スタンスだった。
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任されたのは、最注力事業での戦略設計とその実現
インターネット広告事業からスタートし、ゲームやメディア事業において、次々に新規事業を立ち上げ、成長し続けてきたサイバーエージェント。1998年の創業から23年目を迎えた今も、メディア・広告・ゲームなどの各事業領域において業績が伸長。「人材力」を強みに、若手人材を代表ポジションに抜擢し、経営を委ね、成長機会を作っている。
とくに、新しい未来のテレビ「ABEMA」を運営する株式会社AbemaTVは、現在、約500名の従業員を抱える組織。サイバーエージェントグループの中でも、最注力領域と言われている。そんな「AbemaTV 総合編成本部、編成戦略部」において戦略設計の要を担うのが稲富龍太郎さん(26)だ。
「ABEMAの事業KPIをいかに伸ばすか」
これが彼に託されているミッション。
「主にABEMAのコンテンツ編成や編成戦略を担当しています。『ABEMAとしてこう戦っていく』と自分が設計した戦略をもとに、開発チームや宣伝チームなど各所と連携しながら戦略を実現していく役割です。自分のつくった戦略でたくさんの人を動かすので、いつも責任の重さを感じています。」
と稲富さん。
じつはもともといわゆる「ネットビジネス」や「メディア運営」とは全く異なる業界の出身。26歳という若さで、どのようにサイバーエージェントグループでのチャンスを手にしたのか。
そこには、現状の自分を打破して足掻き、前に進んでいくマインドがあった。
「ABEMA」総合編成本部 編成戦略部とは?
「新しい未来のテレビ」として、2016年4月に開局したABEMA。そのコンテンツ編成をはじめ、経営戦略設計を担う。
開局から5年半で、7,300万ダウンロードを突破。週あたりの利用者数は1500万人を超えるメディアに。
前職、全国トップの営業マンに。それでも「焦りしかなかった」
ー1社目の大手通信会社では、一軒一軒個人宅を訪問してケーブルテレビの提案をする営業をされていたとききました。なぜその仕事に?
僕はもともと、中学生くらいからテレビ局の編成の仕事に携わりたかったんです。知り合いにテレビ局の編成を担当する人がいて、すごくかっこいいと思える方でした。
その方の影響で、メディアに触れ続けられる場所、メディア業界で働くという軸がありました。それともう1つ、これまでの自分が通用しない場所に行きたかった。理不尽とも思えるような高い目標に向き合って、人間的に成長したいという想いがあったんです。それを掛け算したときに出た解が、ケーブルテレビの営業、いわゆる“ピンポン営業”でした。
ーなぜあえて理不尽だとも受け取れるような目標と向き合おうと?
父が、すごく優秀な人だなと昔から思っていたんですよね。いつか父を超えたいと思って、そのために強いビジネスマンになりたいと思いました。
就活をしていたとき、このままぬるま湯に浸かる感じで成長していったら間に合わないなと思い、一番難易度の高い、難しい目標に向き合える会社に行こうと決めました。
僕は根が怠け者なので、「理不尽に感じるような高い目標に向き合うこと」とか、「自分が足を動かしてとにかく精一杯頑張る」といった経験をしないと変われないと思った。ピンポン営業って、商品は変えられないので、人間力で戦うしかないんです。その中で自分がどこまで足掻いて成果を出せるかっていうところにコミットしようと思いました。
ただ、いつかはテレビの世界に入りたいと思っていたので、「3年以内に1位になって辞めよう」と決めて入社しました。
稲富龍太郎(26)
大学卒業後、2017年4月に大手通信会社に就職。個人宅への飛び込み営業に従事するも、より成長できる環境を求め、2018年7月にサイバーエージェントグループへ。現在、株式会社AbemaTV総合編成本部、編成戦略部にてABEMA全体の経営戦略、特にオリジナルコンテンツ戦略に従事する。
ーそこで実際、全国1位の営業マンになられたんですね。とはいえ、いざ1位になってみたら満足してしまうといったことはなかったですか?
全くありませんでした。もともと、僕はキャリアの出発点としてこの場で吸収できることをすべて吸収しきったら、次のチャレンジをすると決めていたので。やっと次のステップに進めるなと思ったことを覚えています。
決め手は、ワクワクする事業と覚醒できるタフな環境
ーいざ転職をするとなったら、いろんな選択肢があったのではいかと思います。サイバーエージェントを選んだ理由はなんだったのでしょう?
転職するとき、大きく2つの軸がありました。
1つは、これから規模が大きくなっていく事業に携わること。この数年で、インターネット動画配信サービスが市場で活発化し、サイバーエージェントは「ABEMA」を開始していました。大きなビジネスチャンスがあるなと思ったし、何より事業の話を聞けば聞くほどワクワクして抑えきれない自分がいました。
もう1つは、自分がビジネスマンとして覚醒できるタフな環境であること。サイバーエージェントには広告・メディア・ゲームなど、たくさんの事業があって、すべてのチームに色々な経験をもつプロフェッショナルがいます。また、その人たちが属しているとんでもなく難しいことを本気で成し遂げようとしているチームがある。さらに、困難がある中でも前向きに乗り越えようとしていく文化と、それをサポートする環境もあります。
ここに身を置くことで、前職では経験できなかった周りの人からの刺激や、焦りを感じて成長し続けることが出来るのではないかと思いました。
考えれば考えるほどワクワクする事業と、自分が出会ったことのないような人材や変化の激しい環境、そこに前向きに向き合う文化。このすべてが揃っていたのがサイバーエージェントだった、という感じですね。
めちゃくちゃ楽しくて、苦しい。もがき続ける日々
ー現在は、どんなコンテンツをつくるのか、時期によってどのコンテンツを前に押し出していくのかなどを決められているんですよね。実際やってみて、いかがですか?
シンプルにめちゃくちゃ楽しいです。そして苦しいです。笑
自分で仮説を持ちながら少しずつ試していく中で成果が出てくるようになったり、ただ目指すラインには届かないという難しさに直面したりしています。上司である担当役員と対話する度に、自分とのレベルの差に愕然とします。
ー役員の方とのミーティングでは厳しいことも言われますか?
もちろん言われます。事業を伸ばすために、全員が本気で向き合っていますから、本音で話さないと意味がない。だから厳しいこともたくさん言われますよ。最初は話している内容がわからない時がたくさんありましたが、少しずつ議論ができるようになっていき、自分の考えた戦略を提案できたりすると、自分の成長を実感します。26歳の若者が一部上場企業の役員と本気で議論できる環境ってすごいなあと改めて思います。
新卒時代に3ヶ月間、自分なりにやるも成果がでず、4ヶ月目で思考を転換した稲富さん。取り組んだのは、「自分流」を封印して「トークスクリプト」を最重視し、その回数をこなすことと、他のプレーヤーと相違点を探して勝負ポイントを決めることだった。「1年目の僕は商品知識やトークのうまさでは全部負けている。ただ、玄関に入って30秒でどう思わせるかは、僕と30年プレーヤーは同じラインだなと」これに気づいてからは、いかに瞬時に家族構成などを把握し顧客に寄り添った会話をできるかに重点を置いた稲富さん。「ユーザーを理解することにとにかく長ける人間になろうと決め、訪問するたびに情報をインプットしてコツをつかんでいきました」
ー前職と比べてここは違うなと思った文化は?
圧倒的に違う点が2つあります。
1つは、働く上司の背中を見て、学べることです。
一般的には、役職につくと部下に仕事を任せて事業を管理する役割や、組織をモチベートするというマネジメントの要素が増えるかと思います。僕の前の会社もそうで、実際の仕事の進め方について学ぼうと思ったら飲みに行って、昔の話を聞いたりして学ぶということをしていました。
サイバーエージェントは、社長や役員はもちろん、事業責任者がプレイヤーとして働くんです。その人たちと一緒に考えたり、役員が自ら手を動かして事業を創るところを身近で見ることができ学べる。「生きた教科書がすぐそばにあるイメージ」ですね。これは入社して一番衝撃的だったことです。
もう1つは、部署ではなく「人」にミッションが与えられること。「このミッションは誰がやったら成功確率が高いか」という考えで、人の強みが把握されていて、アサインされます。
どのチームに任せるかという考えではなく、「このミッションは稲富にやらせた方が成功確率が上がるはずだから任せよう」、という風にミッションが渡されます。組織ではなく人に仕事が任されるので、任された僕らもすごくモチベーションが上がるんです。
「仕事の報酬は仕事」とサイバーエージェントではよく言うのですが、仕事をやりきると、もっと高いレベルの仕事を任されるというサイクルがあって、すごく合理的だしいい環境だなと思っています。
やっぱり、「うまくいくかはわからないけど、君に任せたい」と言われることが何より嬉しくて。成長するために転職したんですが、それを意識することがないくらい日々がむしゃらにやっていたら、いつの間にか成長している、という日々ですね。
ー稲富さんの抜擢は、どんな部分が評価されてのものなのでしょう?
自分で言うのも恐縮ですけど、「今の自分に満足せず、成長したいともがき続けていること」「わからないことでも、目的を成すことに執着できる」という自分の強みが評価されているのかなと思います。
仕事とは、「究極のジブンゴト化」
ー稲富さんにとって、仕事とは?
僕にとって仕事とは「究極のジブンゴト化」だと思っています。
誰かに与えられるものでも、指示されるものでもなく、自分が幸せになるために「組織」で勝ち、成果を出す。
「誰かにやらされている」ではなく、「自分たちのありたい姿を成し遂げるためにやる」。
そんな「ジブンゴト化」が出来れば、自ずと成果も出るし面白いミッションに出会えるものだと思っています。
自分のキャリアは自分で創る
ー最後に、稲富さんの今後の展望をおしえてください
僕は、「自分のキャリアは自分で創る」と決めています。1社目に入るのも、サイバーエージェントに入るのも、その環境で自分が輝くのも、自分で自分の人生を設計していくのが僕には最適な生き方です。
いずれは自分たちで市場を創り、時代を創ることがしたいと思っています。世の中でまだ見ぬものを作り続けていきたいと強く思うので、この刺激的な環境の中でチャレンジを続けていきたいですね。