REPORT
代替肉、昆虫食、陸上養殖、養豚…

食糧危機に立ち向かう。フードテックスタートアップ特集

掲載日:2022/10/12更新日:2022/10/12
求人掲載中

深刻さを増す「食糧危機」と今後どう向き合っていくか。ビジネスを通じて「食」の課題解決に挑む、フードテック企業を特集する。

世界的な食料価格高騰。「食の安定供給」が重要課題に

「食糧危機」が私達の生活に迫りつつある。

近年では、世界規模で食料価格が高騰。背景には新型コロナウイルスのパンデミックやウクライナ情勢があると言われている。

日本でも値上げラッシュが続く。特に、日本では今まで食料品の多くを海外からの輸入に頼ってきた。食料自給率は37%と言われ(*1 カロリーベース)、国内における食料の安定供給は重要な課題となる。

さらに今後は、世界的な人口増加や異常気象なども「食の供給」に大きな影響を及ぼすと言われている。国連によると、世界人口は2030年に85億人に達し、2050年には97億人になる予測も(*2)。また、気候変動やそれに伴う異常気象が、農業分野で「収穫量のばらつき・減少」をもたらすと懸念される。

需要が拡大する中で、いかに安全な食糧を供給していくか。将来に先送りするのではなく、いま取り組むべき課題と言えるだろう。

代替肉、陸上養殖、養豚…注目フードテック企業の動向

こうした「食」の課題解決において、重要なテーマとなっているのがテクノロジーの活用だ。

いまテクノロジーを駆使し、新たな食品の開発や生産性の高いシステムの構築など、様々な取り組みが進められている。フードテックとも呼ばれ、世界中で多くの企業が参入。ビジネスの観点からも、これからの成長産業として大きな期待が寄せられている。

特に日本でも新たなスタートアップが次々に立ち上がり、盛り上がりを見せる。そこで今回は「代替肉」「昆虫食」「陸上養殖」の3つの分野について、有力スタートアップを紹介していこう。

代替肉

代替肉とは、肉の代わりとなる食品のこと。大豆などの植物性タンパク質などを原料に、見た目や味・食感など、本物の肉を再現してつくられる。『大豆ミート』などはすでに日本でも普及しはじめてきた。

特に今後、人口が爆発的に増加するなか、牛肉、豚肉、鶏肉、魚肉で必須栄養素であるタンパク質を補うことは難しい。そうしたなか肉に代わる食品として、代替肉の開発に期待が寄せられている。

この領域で注目を集めるのがDAIZだ。同社では発芽大豆由来の植物肉『ミラクルミート』の開発・販売を手がける。その特徴が、独自の大豆発芽技術だ。従来課題となってきた大豆特有の"臭み"を低減させ、本物の肉に近い食感や風味を再現させている。2022年2月には、累計60.5億円の資金調達に成功し事業展開を進めている(*3)。

昆虫食

昆虫はタンパク質が豊富で栄養価が高く、食肉などと比較し、低コストで生産できる特徴を持つ。2013年に国連食糧農業機関(FAO)のレポートにおいて、持続可能な社会に向けた食料生産手段の一つとして推奨されるなど、注目が集まる領域だ。

実際に2018年にECで食用昆虫の取引が自由化されたり、日本においても大手小売店で取り扱いが開始されたりと、一般的な流通も活発となってきた。

この分野における注目スタートアップの一つが、グリラスだ。同社が手がけるのが、食用コオロギの生産加工・販売。コオロギ研究において世界トップレベルである、徳島大学発のスタートアップとして創業された。

2020年には良品計画との業務提携を発表。「無印良品」にて『コオロギせんべい』を発売し、大きな注目を集めた。2022年2月には、累計調達額が約5.2億円に到達(*4)。「コオロギの力で、生活インフラに革新を。」をミッションに、新たな食文化の創造を手がける。

陸上養殖

陸上養殖は、陸上における人工施設で魚介類の養殖を行なうこと。海の近くでなくても魚介類の養殖が可能となり、次世代の養殖技術として注目されている。

こうした陸上養殖において注目されるのが、さかなファームだ。

同社の特徴が、魚の生産から、商品の企画、販売まで一連のサプライチェーン全領域でソリューションを提供している点。北海道・神恵内村におけるウニの養殖をはじめ、様々な自治体・企業とのプロジェクトが進められている。

2025年を目途に、同社が構築する養殖プラットフォームのグローバルへの展開も計画。地球規模での課題解決を進めている。

養豚

肉を食べない文化だけでなく、食べる文化も尊重される未来をつくりたいーーこうしたアプローチで食の課題に挑むのが、Eco-Pork社だ。

目をつけたのは、畜産のなかでも特にDXが遅れていた養豚マーケット。その市場規模は、世界で40兆円にのぼる。

同社の養豚経営システム『Porker』を使えば、畜産の既存プロセスをICTでデータ化し、餌・水・温度などの飼育環境データをIoT機器で取得できる。さらに、蓄積したデータをAIで分析し、最適な生産体制を構築することが可能だ。

これにより、少ない餌で豚肉の生産性を高め、持続可能な養豚の実現を目指す。

「食」という人類共通の課題に対し、ビジネスとして解決に取り組んでいく。仕事をする上で、大きな醍醐味も感じられる領域であるはずだ。ぜひ実際の求人をチェックしてみてほしい。

(*1)日本の食料自給率│農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/012.html
(*2)人口と開発│国際連合広報センター
https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/social_development/population/
(*3)植物肉スタートアップのDAIZ、プレシリーズCで総額30億円を資金調達、累計調達額は60億円超に、新工場建設による生産体制の強化と更なる国内外の販路拡大を目指す
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000039.000052858.html
(*4)食用コオロギ国内生産量No.1のグリラスが約2.9億円の資金調達を実施!累計調達額は業界最高額の約5.2億円に到達
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000070046.html

この記事が掲載されている特集はこちら
最近ご覧になった求人に基づいたおすすめの求人
あなたの合格可能性が分かる
若手ハイキャリアのための転職サイト