INTERVIEW
トヨタアルバルク東京

次世代アリーナで、東京に多様な賑わいを。プロバスケチーム運営「トヨタアルバルク東京」代表に聞く思い

掲載日:2023/02/24更新日:2023/05/11
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365日、多様な賑わいをみせるアリーナを目指して――。東京都江東区青海地区のパレットタウン跡地、収容客数約1万人の巨大施設『TOKYO A-ARENA』建設プロジェクトが始動した。B.LEAGUEの強豪「アルバルク東京」のホームアリーナとして2025年秋の開業を目指す。そして2023年2月、同アリーナとクラブの未来を担う重要ポジションの公募が開始された。新たな次世代型アリーナへの思い、そして公募によせる期待について運営会社「トヨタアルバルク東京」社長・林邦彦さんにお話を伺った。

『TOKYO A-ARENA PROJECT』始動

「可能性にかけていこう」

このメインコンセプトのもと、東京・お台場エリアで新たに始動した『TOKYO A-ARENA PROJECT』。さまざまな可能性が集積し、それらが解き放たれる次世代の多目的アリーナとして大きな注目を集めている(トヨタ自動車、トヨタ不動産、トヨタアルバルク東京、3社の共同プロジェクト)。

特にユニークなのが、「365日の賑わいを青海に生み出す起点」を目指し、バラエティに富んだ体験の提供を掲げている点だ。

「街の方々にも「​​『TOKYO A-ARENA』が建って良かった」そう言っていただける場所にしていきたいと考えています」

こう語ってくれたのが、トヨタアルバルク東京の社長・林邦彦さんだ。そして今回行われるのが、同アリーナとプロバスケットボールチーム「アルバルク東京」の未来を担う重要ポジションの公募。新たな次世代型アリーナへの思い、そして公募に寄せる期待について林さんに伺った――。

『TOKYO A-ARENA PROJECT』
敷地面積約27000㎡、収容客数は約1万人。アリーナは「メインアリーナ」「サブアリーナ」、アルバルク東京の本拠地となる「アルバルク棟」の3つで構成される『TOKYO A-ARENA』。アリーナ外部には「ファミリーパーク」「スポーツパーク」と2ヶ所の屋上空間を設置。最寄り駅は東京テレポート駅と青海駅。街のランドマークになるよう、駅を出ればひと目でわかる、シンプルなデザインを計画している。国内のアリーナでは初となる、国際的な環境認証「LEED認証」取得を目指す。

▼3つの重点テーマ

スポーツ|次世代スポーツエクスペリエンス
B.LEAGUEのみならず、国際大会・NBAなどビッグマッチの誘致し、バスケットボールのプレイヤー憧れの場所へ。さらにバレー、卓球などインドアスポーツをはじめダンス、スケートボード、パラスポーツ、eスポーツなど多様なスポーツの活動拠点として想定。さらに会場内は試合の臨場感を最大化させるレイアウトへ。企画シートや飲食可能な空間、ビジネスシーンも想定したVIPスペース、ラウンジなどバラエティ豊かなラインナップを揃え、多様な楽しみ方を提供する。加えてテクノロジーを駆使し、よりエキサイティングな観戦体験を創造する。地域の人をはじめ、スポーツをプレーできる場にも。アリーナを訪れる人々に、夢と感動を共有し、健康にもつなげる。そんなスポーツの可能性を、「やる」と「観る」の両サイドから拓く。

モビリティ|未来型モビリティサービス
トヨタ自動車のモビリティ技術によってアリーナにおける体験をアップデート。例えばアリーナ内を気軽に移動したり、席にいながら自動でドリンク・フードが運ばれたり、移動型のグッズショップになったり。次世代型モビリティを活用し、また訪れたくなる便利でエキサイティングな体験を提供。未来のモビリティサービスに触れられる、一つのプラットフォームに位置づけられる。

サステイナビリティ|持続型ライフデザイン
臨海副都心の活性化、まちづくりに貢献する『持続型ライフスタイルデザイン』発信拠点へ。カーボンニュートラルを目指し、 会場内で出たゴミのリサイクル・リユース、プラごみの最小化、アリーナ内の飲食におけるフードロス対策、近隣マーケットで余った食材の有効活用、周辺の海の環境保全など気候変動への対策をアリーナの運営に組み込む。さらに健康や食料など、多様なパートナーを巻き込み、様々な社会課題の解決に取り組んでいく計画。

東京・青海地区を、エンターテイメントの発信地に

『TOKYO A-ARENA PROJECT』のサイトや動画などを拝見し、2025年が待ち遠しくなりました。改めてですが、どういったアリーナを構想されているか。背景と併せて伺わせてください。

まずはアリーナとしての機能、「する」「観る」両面においてスポーツをより身近で楽しめる存在にしていければと考えています。よりスポーツシーンを盛り上げていくためにも、多くの方が訪れたいと思える場所をつくり、新たな観戦体験を広く根付かせていく。そうすることで選手たちのより生き生きとしたプレーにもつながると考えています。よく「役者と舞台」に例えてお話させていただくのですが、役者が生き生きと演技するためには、適した劇場が必要ですよね。極端な例ですが、どれほど素晴らしい歌舞伎役者でも、舞台がただの会議室だったらどうでしょうか。やはり歌舞伎座で観るような感動は味わえないはず。選手たちにとっての『TOKYO A-ARENA』は、歌舞伎役者にとっての「歌舞伎座」。そういった最高の舞台にしたい。そして最高のプレーによる非日常的な体験、感動が味わえる場所を創っていければと考えています。

加えて​​、やはり「土地」は非常に公共性が高いものだと私自身は捉えています。特にこれだけ巨大な土地で事業を行なうからには、単なる経済的な営みで終わらせず、社会性を強く意識しなければなりません。

例えばアメリカだと、プロのスポーツチームが街の活性化に大きく貢献していますよね。試合を観るために人が集まり、お金を落とし、経済活動が活発になります。そして街の価値全体が見直され、土地の価値が上がり、新たな企業もやってくる。街全体でもさらにそのチームに対する応援の熱が高まっていく。こういった循環が生まれるケースは珍しくありません。そういった循環を『TOKYO A-ARENA』でも東京・青海地区にて生み出していければと考えています。

もう一つ思い描いているのは、スポーツに限らず、行ってみたらいつも何かをやっていて、楽しめるエンターテイメントの発信地になること。カジノこそありませんが、ある意味、世界有数のエンターテイメントシティであるラスベガスのような場所はロールモデルになり得ると捉えています。もちろん、そのままを踏襲したり、マネをしたりといった意味合いではなく、青海地区らしさを追求していく。当然、私たちだけでは実現できないので、近隣の施設や様々な企業を巻き込み、取り組んでいきたい。人の往来が増えれば、飲食店をはじめ、他の産業もここに来て、何かをやろうと考えていただけるはずです。私たちだけが収益を上げられればいいわけではなく、みなさんと協力し、地域の往来人数を増やすことに向かっていく。2025年から10年ほどで、街の景色はガラリと変わっていくと想像していますし、その中心地にしていければと思います。

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林邦彦/1964年生まれ、東京都出身。同志社大学卒業後、三井物産に入社。2012年5月より三井物産フォーサイトへ出向し、広島東洋カープ、中日ドラゴンズのスポンサーシップ・マーケティング業務に従事する。B.LEAGUE開幕の2016年、トヨタアルバルク東京の社長に就任。小学校からサッカーをはじめ、29歳まで関東1部リーグ『エリースFC東京』でプレーした経歴を持つ。

理想のアリーナ、そしてチーム運営のための公募

続いて、なぜ今回大規模な公募を行うに至ったのでしょうか。その背景について伺わせてください。

民設アリーナの建設・運営プロジェクトに携わった経験がある人は非常に少ないですし、私たちがリーチできている方々はごく一部だと認識しています。そういった状況のなか、理想とするアリーナを実現していくためには関連する経験を持った方の知識・スキルを可能な限り集積し、活路を見出そうと考えました。

おそらく私たちが思いもよらない分野で活躍されてきた方々からのご応募もあり得るはず。可能性を狭めないためにも、広く募ることにしました。アリーナプロジェクトでいえば、2025年秋の開業を目指しており、できることは全てやっておきたい。「出会えたはずの方と出会えなかった」といった後悔はしたくありません。私個人的にはそこに対する思いが強いかもしれません。

広く可能性を探る意味合いもあると。その上でどういった人材を求めているか。募集職種に限らず、もし求める資質やマインドなどがあれば伺わせてください。

バックグラウンドは関係ありませんし、特別にバスケットボールが好きである必要もありません。ただ、スポーツというツールを通じ、人を喜ばせたい、事業を拡大させたい。そうした想いのもと果敢にチャレンジする意思こそが大切だと思っています。

プロスポーツは特殊な業界だと思われがちですが、組織や業務内容は一般企業と共通する部分が多いです。ですので、月並みかもしれませんが、自ら考え、企画し、動ける方に来ていただきたいと考えています。

また、「トヨタアルバルク東京」は変化が激しく、多様な領域にチャレンジできる組織にしたいと考えています。この環境に適応ができるかどうか、風土に合うか、こういった点も重視させていただく予定です。例えば、個人の能力を向上させていく上で、ゆくゆくは社内のジョブローテーションなども検討しています。もちろん専門性を高めることは大切です。ただ、多くの仕事にはある一定経験をすると踊り場がくるもの。業務の大部分が何となく想定できるようになる。つまり「こなせる」状態になりますよね。すると大きなチャレンジをしなくなり、成長が鈍化してしまうと考えています。こういった踊り場から脱却するためには、環境変化が大きな成長ドライバーになるはず。何度もゼロベースで、新しい山に登っていく。そうすることで個人の能力は総合値として引き上がり、組織としても別ポジションの大変さがわかり、積極的な協力体制が生まれていくはず。もちろんまだ小さな組織ですし、先の話かもしれませんが、こういった変化を前向きに捉えられる方、成長に変えられる方にぜひ挑戦いただきたいと考えています。

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「仕事と向き合う上では現場を知ることが絶対的に大切」と語ってくれた林さん。「私たちが扱っているのは目に見えるモノではなく体験。現場を見て感じ、その上で次に何をすべきか「論理的思考」で考え抜き、困難でもやり抜く。その先に仕事の達成感や満足感、成長の源があるはずです」

より困難なチャレンジに出会えることが楽しみ

ぜひ林さんご自身の仕事に対する考え方について伺わせてください。林さんにとって「仕事」とは、どのようなものとして捉えていますか。

仕事はやり遂げた先に、満足感や達成感が得られ、生活に大きな勇気と喜びと活力を与えてくれる大切なものだと思っています。ただ、果たして本当にそれだけなのか。人生の大半を費やす時間でもありますし、常に自問自答していますね。

個人としての満足感だけであれば「単なる労働」でも得られるでしょう。ですが、おそらくそのためだけにやっていたら、これまでの仕事上の困難に対し、私は逃げ出していたかもしれない。そうならず、チャレンジし続けられたのは、より多くの方々から価値を認められ、大きな達成感や満足感につなげていくもの、社会性につながるものだと勝手に「仕事」を解釈し、モチベーションに変えてきたからかもしれません。

最後に、ご自身の「志」について伺わせてください。人生を通じ、どういったことを成し遂げたいと考えられていますか?

あまり明確なものはないのですが、最終的には「人」とのつながり、「人」に何を残せたか、ここに尽きるのではないでしょうか。これまでの人生、本当にいい仲間たちとの出会いがありました。それが私自身の大きな礎になっています。ですので、これまで出会ってきた人、そしてこれから接する人たちに「良い出会いだった」と言われるように歩んでいければと考えています。 また、私自身が信条にしてきたのが「No Challenge No Gain」という言葉。今後もより困難なチャレンジに出会えることを楽しみにしています。

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