急速に変化する世界情勢の中、企業にも変化が求められている。特にグローバル展開する企業にとって、重要な課題の1つとなるのが海外人材の採用だ。そこで今回は「海外営業」の求人をピックアップ。どういった企業で、どういった募集が行なわれているのか見ていこう。
まず「海外営業」といっても、そのミッション・役割は企業によって多様だ。各社の求人票に記された業務内容をまとめると、下記のような業務を担うことが多いと言えそうだ。
・海外シェア拡大に向け、地域戦略の立案と施策の実行、フォローアップ
・現地における販売戦略の企画サポート（市場調査・販売・マーケティング戦略策定など）
・現地における新規店舗の立ち上げ、運営サポート
・海外現地法人・販売代理店に向けた製品・部品の輸出、需給調整
・販売代理店のパフォーマンス評価
・現地における商品企画
また、企業がグローバル戦略を推進する中「海外営業」の採用を強化する流れも。オンライン・海外現地での提案・セールス活動などを通じて、海外顧客への提案・市場開拓を行なう「海外営業」の求人が多く見受けられた。
たとえば「セガ」では新興地域におけるビジネスリレーション構築や新規ビジネス開拓を。「セイコー」では海外現地法人や担当代理店への営業活動、マーケティング立案・推進を行なうポジションを募集。さらに「日本政策投資銀行」では、海外現地で重要なポジションを任される予定となっている。
「龍が如く」「ぷよぷよ」「ファンタシースターオンライン2」「チェインクロニクル」シリーズなど、多彩なゲームコンテンツを国内外に提供するセガ。グローバルに展開し、東証プライム市場に上場している。欧米においては現地子会社によって、高い知的財産力を保有するゲームを展開。今回はインド、中東、東南アジアなど新興地域におけるビジネスリレーション構築や、新規ビジネス開拓を担うポジションを募集する。
「Grand Seiko」や「SEIKO」ブランドの高付加価値腕時計を、世界各国で販売しているセイコー。企画・デザインから製造、広報宣伝、営業、アフターサービスまで一気通貫の体制をもつ点を強みに、140年の歴史を築いている。今回採用される方には、海外現地法人や担当代理店への営業活動、マーケティング立案・推進が任される予定。東京本社での勤務を基本に、出張ベースでアジアや豪州、欧州などいずれかの担当エリアを訪れる機会も設けられる。
世界77ヶ国で使用される水処理機械メーカー、アムコン。汚泥脱水機関連の売上はこの10年間で約1.7倍で、年平均成長率は5.3%。特に海外市場の伸びは大きく、売上は10年間で約2.5倍、年平均成長率も11%を記録している。2023年期においては売上高20億円を突破し過去最高となり、営業利益額・賞与支給総額も過去最高を実現。グローバル経済誌「Forbes」の日本版、「Forbes JAPAN」開催のSMALL GIANTS AWARD 2023-2024*にて、グランプリを受賞している。今回の募集では、アメリカ・インド・メキシコ・タイ・ベトナムをはじめとした世界30ヶ国以上を担当し、幅広い知見を活かした活躍が期待されている。
*創業10年以上で売上高100億円未満ながら、ユニークなプロダクトやサービスを生み出す企業の発掘プロジェクト。
業界シェア3位のひかり味噌が手がける信州味噌は、世界50ヶ国以上に展開。国々の嗜好やライフスタイルにあわせた商品開発で、シェアを伸ばしている。2023年期の売上高は190億円6700万円を誇り、業界全体の市場規模が縮小するなかで14年連続売上伸長を実現。今回はアジア・オセアニア・中東市場を牽引する営業課長を募集する。海外現地も定期的に訪れながら、さらなるキャリアアップが図れる環境となっている。
1946年の創業以来、スクリーン印刷機の製造販売を手がける桜井グラフィックシステムズ。ニッチトップのグローバル企業として、現在まで98ヵ国以上の国々との取引を行なっている。「全自動シリンダー型スクリーン印刷機」のシェアは世界トップクラスで、2023年期の売上高は38億7700万円を誇る。今回募集する営業は、まずアジアを中心とし、ゆくゆくは欧州・北米などの地域も担当予定。月に1回4、5日程度の海外出張も想定している。
さらに、現地駐在で働く「海外勤務」の求人や、将来の海外勤務を見据えた募集も行なわれている。
融資や投資をはじめとする金融サービスを提供する日本政策投資銀行。「各業界大手を中心とした幅広い顧客基盤」や「政府資本ならではの多様なステークホルダー（省庁、民間金融機関）との連携・協働力」「先駆的な金融力」「国内トップ実績のサステナブルファイナンス・ソリューションに基づく知見」などを強みとする。海外におけるビジネス領域の拡大・強化に伴う今回の募集では、将来的に海外現地法人で働くチャンスも。海外拠点はロンドン、NY、シンガポール、北京の4拠点で希望を踏まえて配属される予定だ。
カーボンニュートラル、コストダウン、DX推進、サイバーセキュリティ、感染症対策といったあらゆる分野でのソリューションを提供しているレカム。1994年の設立以来、海外15拠点、国内24拠点において事業を展開し、2023年期の売上高は95億円を記録。今回募集するポジションでは、中国、タイ、インドネシア、インド、ベトナム、ミャンマー等の海外現地での勤務にて、活躍が期待されている。
アジアを起点に、EC・D2C、マーケティング、生産管理、物流等の領域で、プラットフォームを開発・提供するAnyMind Japan株式会社。創業8年で15ヶ国において事業展開をするAnyMind Groupの一員として、アジアを起点にこれまでに総額約119億円の資金調達を実現。代表の十河氏はForbes JAPANの「日本の起業家ランキング2021」で"日本の起業家TOP20"に選出される。今回募集する海外営業職はタイ、シンガポールでの勤務となる。
東南アジア発のスタートアップ企業、アーチーズ。アジア圏を主軸に各業界で活躍する有識者と、その知見を求める企業を繋ぐマッチングサービスを展開する。創業から2年半でアジア19ヶ国、欧米10ヶ国にて有識者のリクルーティングを2500件以上、レポート作成を100本以上実施。今回はベトナムやミャンマーなどの現地で働く選択も。
