INTERVIEW
愛知県半田市|久世孝宏市長 特別インタビュー

愛知県半田市が「市街地活性化」含む新設ポジションで公募。目指すのは、公だけではできない「まちづくり」

掲載日:2022/08/25更新日:2022/09/29

新たな時代に向けて「チャレンジあふれる都市」を掲げる愛知県・半田市。2021年6月より新市長となった久世孝宏市長のもと、市全体での変革を推し進める。その取り組みの一つが、次世代のまちづくりを担う外部人材登用だ。「中心市街地活性化」「6次産業化 農業者支援」と、2つの新設ポジションで初の公募を実施する。担うミッション、そして共に描く理想の都市像とは――。久世市長にお話を伺った。

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愛知県半田市を「チャレンジあふれる都市」へ

人口約12万人、海運業・醸造業などで栄え、知多地域の政治・経済・教育・文化の中心都市として歴史を築いてきた愛知県・半田市。2021年4月に、10年計画となる第7次総合計画がスタートし、

2022年4月には機構改革を実施した。

「掲げている都市像は「人がまちを育み まちが人を育む『チャレンジあふれる都市・はんだ』です」

こう力強く語ってくれたのが、2021年6月より新市長となった久世孝宏(くぜたかひろ)市長だ。

「日本全体で人口減少社会に転じ、経済も縮小に向かうとされています。こうした時代にこそまちの特徴をさらに引き出し、次世代に向けて新たなことを仕掛けたいと考えています。地方自治体として横並び、平均的なことをしていても、まちの発展は望めません」

そして実施するのが、民間からの外部人材登用だ。

■ 中心市街地活性化 市長特任顧問 ※市長直下ポジション
■ 6次産業化 農業者支援プロジェクトリーダー ※市民経済部長直下ポジション

いずれも新設ポジションであり、兼業・副業可とした。その背景とは。

「兼業・副業可であれば、現職を続けつつ、半田市でのチャレンジにも加わっていただけると考えました。行政だけでは難しい課題解決に向け、ぜひ優れた経験、知見を活かしていただきたい。そこから新たな取り組みにつなげ、市民が幸せを実感でき、未来に希望を持てるまちを目指したいと考えています」

とくに半田市として重視するのが民間の発想を取り入れた「公だけではできないまちづくり」。今回の公募においても民間ならではの視点、発想を期待しているという。その詳細について久世市長に伺った。

■中心市街地活性化 市長特任顧問 ※市長直下ポジション
「JR半田駅」「名鉄知多半田駅」周辺、中心市街地の活性化をミッションとするポジションです。半田市では2027年度にJR武豊線の高架事業が完了する予定となっています。この「まち」の顔が変わるタイミングで、継続的にまちが賑わうような大きな施策を打っていきたい。半田市の中心市街地は、JRと名鉄が南北でほぼ平行に走っています。15年ほど前に知多半田駅前で区画整理をし、駅前にもビル、道路などが充実してきました。また、新規店舗に対する補助金制度なども設け、活性化に取り組んできました。ただ、決して充分ではありません。もちろん過去のような賑わいが戻ることは理想ですが、次世代のまちのあり方、新たな“賑わい”の形があるかもしれません。そういった新たな時代の地域経済の活性化の未来像を描くところから、ぜひ加わっていただければと考えています(久世市長)

■6次産業化 農業者支援プロジェクトリーダー
生きていく上で、食べることは基本であり、一番大切なこと。日本の食料自給率が問題視されるなか、半田市でも「第一次産業」は重要なテーマです。半田市は畜産業が盛んで、おいしい野菜も採れる。海が近くにあり、海鮮も非常においしい。「食」は半田市の特徴であり、今後強みにしていける潜在力があると考えています。さらに飲食店数は近隣市町の中でダントツを誇っており、もっと連携ができるでしょう。そうすることで市独自のブランド・商品開発につなげたい。豊かな食文化は、市民の健康、そして「幸せ」につながっていくもの。まさに「6次産業」の考え方を実践し、第一次産業を盛り上げていく。そのプロジェクトの牽引役を期待しています(久世市長)

目指すは、公だけではできない「まちづくり」

はじめに「公だけではできないまちづくり」を掲げていますが、その概要から伺ってもよろしいでしょうか。

半田市として大切にしたいのは、市民が共感し、参加していく「まちづくり」です。全国的にも有名な「はんだ山車まつり」という大きなお祭り、山車文化があり、それらを維持するための組織、つながりなど地域コミュニティがしっかり生活に根付いているのも特徴です。

また、市民活動団体も多く、まちや地域のために主体的に何かをしたいと考える市民の方々が非常に多い。この良い面を活かし、行政のトップダウンではなく、市民のみなさま、そして民間企業が主体者となる「まちづくり」を実現したい考えです。

ただ、そのためには行政としてのサポート、後方支援が不可欠です。たとえば、市民活動に対する助成制度はあるのですが、利用者された方の評価は高いものの、あまり知られていないのが現状です。市民の方から相談いただき、職員が親身になって応えることもできています。制度や支援サービスの充実はもちろん、こういった窓口があること、PRも取り組みたい課題です。

また、近年、地域課題がどんどん複雑化、細分化しています。市民の方々が抱える課題、必要とするサービスも多様化している。それら全てを市が主導して解決したり、応ええたりすることには限界があります。もちろん必要な行政サービスは充実させつつ、民間と連携し、まちの課題解決、さらなる発展につなげていければと考えています。

半田市の現状ですが、先人たちのおかげで商業の街として栄え、工業や農業も盛んになりました。素晴らしい歴史、文化もあり、非常にバランスが取れた豊かなまちと言えます。一方で、突出した何か一つで勝負することが難しいのも現実です。また、限られた財政のなかで、他の自治体と競うような制度、支援策だけを設けても、市としての体力が削られ、疲弊していくばかり。もっと言えば、近隣都市と短期的な人口の奪い合いをしても本質的ではなく、持続的だとは考えられません。

真に向き合うべきは、人口減少社会においても、どうすれば市民が幸せでいられるか。心が満たされる生活を送れるか。そのための持続可能なまちのあり方、半田市らしさとは何なのか。ここを議論し、追求していきたい。

私は「チャレンジしていこう」と常々言っていますが、そこには2種類あると考えています。一つは「困難に立ち向かい、既にあるものの課題を解決すること」、そしてもう一つは「行政として取り組んでこなかった、新たな施策を行うこと」です。この両面から「半田市らしい、新たなまちのあり方」を模索し、今回入ってくださる方と共にチャレンジしていければと思います。

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5年に一度行われる、全国的にも有名な「はんだ山車祭り(次回は2023年開催予定)」の様子(左上)。その他、先人のチャレンジ精神を今に伝える赤レンガ建物(右上)、半田運河の蔵が立ち並ぶ街並み(左下)、矢勝川に咲く200万本の彼岸花※新美南吉記念館提供(右下)など、さまざまな美しい景観も半田市の魅力となっている。

共に「まちの未来」を描いていく

今回、2つのポジションでの公募ですが、共通して期待することがあれば伺わせてください。

どういったまちを目指すべきか、ぜひ未来像を描くところから加わってもらうことを期待しています。民間で培った経験のなかから、行政にはないアイデア・発想をいただきたいです。

また、プロジェクト遂行上、重要になるのは、ご自身の力を様々な人の力と融合させていくことだと思います。特に、自分たちがほしいと思えるまちを、自分たちで創っていこうという「意識づくり」をどう作っていくか。市街地活性化でいえば、イベントや市民活動等を行っている方々が増えてきました。その人達を巻き込み、自分ごと化してもらえるようにする。6次産業化 農業者支援でいえば、農家さんたちにいかに主体者になってもらうか。そういった働きかけ、取り組みに期待しています。

当然、市の運営は税金によって成り立っています。ですので、議会の承認等もあるため、民間に比べるとスピード感に欠ける場面はあるかもしれません。ですが、それだけ大きくまちを動かしていけるということでもあります。市民の皆さんはもちろん、職員、議員、誰もがより良いまちをつくっていきたい気持ちは同じ。ぜひ周囲の理解と協力を得ながら進めていただければと思います。

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「今回加わっていただく方は、執務に専念できるよう、議会への出席義務のない形態としました。一方でこれまでにないポジションでもあり、議会の関心も非常に高い。議会に承認を得ていく進め方は民間との大きな違い。ぜひその仕組みや流れ等を知っていただいたり、説明する場を設けるなりしつつ、存分に力を発揮いただければと考えています」

「受け継いだバトン」を、次世代に渡していくために

今回の公募をはじめ、市として「チャレンジ」を掲げ、強化していますが、そこにかける思いを最後に伺わせてください。

私自身、もともと民間企業で働き、30代前半で半田市の市議会議員となり、若くして行政、まちづくりに関わる機会をいただきました。そのとき、多くの方に背中を押してもらい、サポートをいただくことができました。とくに強く感じたのは、先人の方々から受け継いだバトン、責任の重みです。議員として活動するなか、より「まちづくり」の中心に関わり、半田市をもっと良くしていきたいと考えるようになり、市長へと選んでいただくことができました。そういった私の責任は、受け継いだバトンを次世代へとつなげていくことだと考えています。ですが、このまま他の自治体として横並び、平均的なままでいれば、衰退していってしまう。だからこそ、これまで行政として取り組めなかったことへの新たな挑戦が不可欠。そのための環境整備、組織や会議体の変革にも積極的に取り組んでいるところです。当然足りていない部分、出来ていないところも多い。ぜひ今回入ってくださる方にアドバイスをもらいつつ、次世代にバトンをつないでいく、そんなチャレンジができればと思います。

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