スタートアップ企業における投資ラウンドの一つである「シリーズA」。開発、プロモーション、採用等、本格的に事業拡大へのアクセルを踏むフェーズ。スタートアップ転職においても一つの選択肢となっている。今回はそのような投資ラウンド「シリーズA」のスタートアップ企業特集をお届けする。
※2023年9月時点の掲載情報をもとに、AMBIで求人掲載中の企業を選定し、作成しています。各社の募集状況は、掲載時と異なる場合があります。ご了承ください。
革新的なビジネスモデルで、未開拓の領域や市場を狙うスタートアップ企業。しばらく赤字であっても、市場創出・イノベーションを志向していく。その特徴の一つが、投資家・VCによる資金調達だ。IPO(新規上場)を目指し、投資ラウンドを重ねていく。そのなかでも今回取り上げるのが、投資ラウンド「シリーズA」の企業だ。「シリーズA」は4段階ある投資ラウンドの2つ目に位置するとされる。
・シード:アイデア段階。プロダクトリリース前後
・シリーズA:プロダクトの検証段階
・シリーズB:マネタイズ段階
・シリーズC・D:上場直前
特に「シリーズA」のラウンドは、一般的に「サービスや商品などプロダクトのおおよそが完成し、一定のユーザー・顧客から評価されるフェーズ」とされ、スタートアップ企業における最初の本格的な資金調達。投資家・VCから「事業の成長性や将来性」を判断され、一定の評価・期待を得ていくことで調達が可能となる。
経済産業省公表のデータによれば「株式で1億円以上を調達するタイミング」「原則、株価が変化しており、調達後企業評価額5億円以上」といった定義づけ(1*)もされている。
調達した資金は主にプロダクト開発予算、プロモーション予算、採用予算等に当てられ、事業の成長を目指していく。
転職先としての観点から、シリーズAのスタートアップ企業を見ていくと、
・グロースに期待が寄せられているプロダクトやサービスに携われる
・調達した資金をもとに、事業・組織を本格的に拡大させていける
・創業期メンバーとして挑戦機会やポジションを得ていくことができる
・ストックオプション(2)*付与に期待ができる
といったメリットも大きい。いかに事業・組織を成長、成熟させていけるか。ポジションや職種の領域を超えた挑戦機会も多い。当然、スタートアップとして必ず成功するといった保証はない。それでも、新しい市場を切り拓くチャレンジには、大きな価値、得られる経験があるはずだ。
(1*)参照「コンバーティブル投資手段」 活用ガイドライン(経済産業省)https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/open_innovation/convertible_guideline/guideline_vF.pdf
(2*)ストックオプション
あらかじめ決められた価格で株式を購入できる新株予約権の一種で、企業が役員や従業員などに付与する。たとえば、自社の株式を1株100円で買える権利を付与し、3年後に上場して株価が1000円になった場合、権利を行使して株式を100円で取得し、売却すれば900円の利益を得られる。
PoliPoli
アルダグラム
BALLAS
Willbox
Hubble
Micoworks
エンペイ
MENOU
QuickWork
国会議員や行政機関に意見を届けられる政策共創プラットフォームを運営する株式会社PoliPoli。複数事業を仕掛けるコンパウンド(複合)スタートアップとして、2022年5月、2023年2月に資金調達(調達額は非開示)を実施し、採用含め、事業成長へのアクセルを踏む。
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建設業・不動産業・製造業などのノンデスクワーク業界向けに、プロジェクト管理アプリの「KANNA」を提供しているアルダグラム。利用企業数はプロダクトリリースから約1年半で5,000社を突破し、ヨーロッパ・アフリカ・東南アジアなどの海外への事業展開も見据えている。2022年6月に総額約20億円の資金調達を実施。「KANNA」の開発をさらに加速させるとともに、人材の採用・組織拡大を狙う。
店舗、商業施設、オフィス、ホテル、住宅などで使用する建設部材ブランド 「BALLAS」 を展開するBALLAS。部材の設計最適化、部材製作に関わるオペレーションの最適化を図ることで、従来よりも1-2ヶ月短縮した納期・工数で建設部材を供給している。2023年3月に11.6億円の資金調達を実施。
「国際物流をより最適に、よりスマートに。」というミッションのもと、国際物流プラットフォーム「Giho」を提供。「Giho」を通じて、「大型貨物(工業製品)」を扱う荷主企業とデータベース化された物流事業者をつなぐ。2022年10月に総額7億円の資金調達を実施。
「契約をデザインし、合理化する」をミッションに、契約書管理クラウドサービス「Hubble」を展開。2022年4月に総額約6.5億円の調達を実施。プロダクト強化、及び人材の獲得に向けた積極的な採用活動、マーケティングに取り組む。
企業の顧客を見える化し、集客を最大化するマーケティングSaaS「MicoCloud(ミコクラウド)。BtoC事業を展開するを開発・提供するMicoworks。企業を中心に、美容サロンや学習塾、百貨店や小売業、人材紹介業や不動産業など、顧客との継続的なコミュニケーションを求める幅広い業種での導入実績あり。2022年9月にシリーズAラウンドで約18億円の資金調達を実施。
「やさしいフィンテックを」をミッションに掲げ、集金業務のキャッシュレス化・DX化を実現するFintech×SaaSプラットフォーム「enpay(エンペイ)」を提供。全国各地の自治体や企業、公立小学校、社会福祉法人で導入が進んでいる。2021年4月にシリーズAラウンドで4億円の資金調達を実施。
株式会社ニコンのエンジニアが2019年に創業したAIスピンアウト。日本の製造業にとって身近なAIの普及をミッションとしている。独自のAI開発プラットフォームを中心に、各種製造業への導入支援を展開。2022年1月に約2.5億円の資金調達を実施。累計資金調達総額は約3.7億円となっている。
BtoBセールスの働き方を根本的に変えるべく、日本全国500万社以上の企業データを基盤に営業の効率化を支援する「SalesNow(セールスナウ)」を提供。2022年11月にシリーズAラウンドで約2億円の資金調達を実施。「SalesNow」をさらに進化させていくボードメンバーをはじめとする人材採用に注力している。