INTERVIEW
ハコベル

社会インフラを守る!ハコベルが目指す「持続可能な物流」改革

掲載日:2024/06/21更新日:2024/06/21
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物流業界が抱える課題に、仕組みによる効率化を推し進めるハコベル。2022年、ネット印刷の「ラクスル」と、カンガルー便などを展開するB2B物流No.1「セイノーホールディングス(以下セイノーHD)」のジョイントベンチャーとして誕生した。物流テックと業界トップランナーのタッグは、業界内で注目を集め「風雲児」とも評される。同社は物流危機にどう挑むのか、そしてそこで働く魅力とは。代表取締役CEOの狭間健志さんに伺った。

「人の頑張り」に支えられる物流業界に、変革を。

まず、ハコベルが向き合う、物流業界の抱える課題から教えてください。

物流業界は非常に品質レベルの高い業界でありながら、アナログで「非効率」が解決されてきませんでした。より具体的に言うと、コロナ禍であってもスーパーやコンビニから物が途絶えることなく、間違いなくオペレーション力は世界有数のレベルであると思うのですが、その品質の高さが”人の頑張り”によって支えられている。ここが課題だと考えています。

こうしたなかでも、少子高齢化は進み、「2024年問題」といわれるように、2024年4月からはドライバーの時間外労働時間に上限規制が設定されました。“人の頑張り” に頼ったままのやり方では永続的に成り立ちません。私たちは仕組みをつくる会社として、そういった業界の“負”を解決していこうとしています。

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代表取締役社長CEO 狭間 健志
1985年大阪府出身。2009年東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程修了。同年ベイン・アンド・カンパニー・東京オフィスに入社。多岐にわたる業界の日系・外資系のクライアントを担当し経営課題解決に貢献、2017年までマネージャーとして勤務。2017年8月ラクスル株式会社に入社。マッチングプラットフォーム事業を軽貨物ラストマイルから一般貨物の地場輸送・幹線輸送まで拡大・収益化、荷主に対して配送計画・管理業務を行うためのソフトウエアを提供するSaaS事業を推進。2022年8月1日よりハコベル事業の分社化・セイノーホールディングスとのJV化により現職。2023年10月に3社、2024年2月に1社との資本提携を締結、B2B輸送の業界標準プラットフォームの構築を推進。

「物流危機」という社会課題を解決する仕事

その課題に対する解決策として、ハコベルが推進するビジネスについて教えてください。

ひとつには、トラックマッチングビジネスがあります。運送業界には、自社で受けられない仕事を下請け、孫請け、と依頼していく「多重下請け構造」が長いことまかり通ってきました。これにより、間に入る企業が増えるごとに報酬が減っていきます。一方、ハコベルの「運送手配サービス」であれば、どこの運送会社が空いているか、どこに仕事があるかが見える化され、直接受発注が可能に。これにより多重下請け構造を徐々に解決していくことを考えています。現在、ハコベルのマッチングプラットフォームには、約20,000社の運送会社、約60,000人のドライバーさんが登録しています。いまでは「100%手配保証」(※条件あり)も実現し、ネットワークはサービス開始以降、拡大を続けています。

ふたつ目が、配送に関するアナログ業務をデジタル化するシステムの提供です。これまで、荷主と運送会社間でやり取りする物流業務の多くがいまだにアナログなままであり、働く人の大きな負荷となっていました。この点をデジタル化していく。具体的には、担当者に属人化せず関係者が誰でも見える化することによって、業務の進捗がわかりますし、電話やファックス、紙への入力などが減り残業時間の抑制にもつながります。また、ドライバーさんの労働時間管理やトラックの待機時間削減などにも寄与することができる。ひいては社会課題解決につなげていきます。

つまり、自分の仕事が直接社会貢献につながるというイメージでしょうか。

そう言えると思います。ハコベルで働く魅力の1つは、自分たちの事業拡大が物流業界全体の課題解決に直結している点にあると思っています。これは私の考えですが、仕事をするうえで「自分のやっていることが社会の役に立つ」という実感は非常に大切な要素だと考えています。その点、ハコベルであれば、「なぜ自分はこんなことやっているのだろう」といった迷いや疑問が生じにくい。実際、入社しているメンバーを見ても、「社会に役に立つ仕事をしたい」という思いはみなさん共通して持っていると思います。

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メンバーは20代から40代までおり、特に30代が多く在籍するハコベル。社員の傾向をこう解説してくれた。「全国的に見れば若い会社だと思いますが30代が多いこともあり、地に足のついた人が多い印象があります。活躍する人材の共通項としては、素直な方が多いです。ベンチャーゆえ変化が激しい環境ではあるので、ときには想定していなかったような業務を任されることも少なくありません。そんな場合にも、自分だけのこだわりに左右されず、大きな視野で変化していける人は活躍しています」

物流企業の垣根を壊し、「持続可能な物流」構築へ

ハコベルはジョイントベンチャーとしての成り立ちもユニークですよね。現在までの展開を教えてください。

もともとは2015年に印刷事業のラクスルの1事業部として始まり、22年にセイノーHDとラクスルによるジョイントベンチャーとして設立しました。

セイノーHDとタッグを組ませていただいた背景としては、自社の営業網だけでビジネスをしていては「業界の仕組みを変えていく」ことは難しいからです。

すでに全国に営業所を持ち圧倒的な顧客基盤とブランド力を構築しているセイノーHDのネットワークの中でサービス浸透を図れることは非常に魅力的でした。当社の築き上げてきたプロダクト、テクノロジー力に、セイノーHDの顧客基盤、ブランド、営業ネットワークを掛け合わせることで、日本の物流業界は確かに変えられる。そう確信しました。

そこから1年、全国のセイノーHDの拠点でハコベルのサービスを使っていただくことで、私たちのプラットフォームの質と量を大きく前進させることができました。B2B物流シェアNo.1企業に徹底してご利用いただくことは「その基盤と品質に耐えうるサービスである」と業界へお墨付きをいただくような意味がありました。

さらに、23年10月には物流大手の山九、福山通運、日本ロジテム、24年2月に日本郵政キャピタルにも経営に参画いただくことに。セイノーHDとは同業で一般的には競合となる企業までも、同じビジョンのもとで持続可能な物流を構築するために手を取り合ってくださったのです。

これはセイノーHDもおっしゃっていることですが、我々は一社の力だけではなく企業単位の垣根を越えて、物流業界や日本全体に必要なサービスを提供していきたいと考えています。

物流分野は横たわる領域が非常に広く、業務に関しても多岐にわたります。今、我々はトラック輸送に関するソリューションしか提供していませんが、お客様からすれば倉庫も生産拠点も物流課題のひとつですし、手段も陸運・空運・海運とさまざま。また、社会からの要請である、CO2など環境に配慮した物流構築といった課題もあります。

そのため、1社単体ですべてのソリューションを提供することはもはや不可能。企業間の垣根を越えて、協業しながらお客様の課題全体に対応していく必要がある。これがセイノーHDが提唱する「オープン・パブリック・プラットフォーム」の考え方です。当社もこれからサービスを増やしていくうえでは、“自前”であることにはこだわってはいません。他社の素晴らしいソリューションがあれば、どんどん連携を強めていきたい。それにより、ハコベルがオープンなプラットフォームとして成長し、業界標準のサービスとなっていくことを目指しています。

ハコベルバリュー

バリューのなかでも日頃から重要視されてるのが「オーナーシップ」だ。「この仕事は誰がオーナーなの?」というやり取りがどんなときにも交わされ、自分が責任をもって遂行していく風土がある。自分からやりたいと声をあげ、発信すれば様々なチャレンジができる機会が広がっている。

ハコベルに広がる、若手の成長機会

続いて、組織の特長と、そこにひもづく求める人材について教えてください。

先ほどお伝えしたように、大企業とのオープンイノベーションなどを推進していくためには、自分にできないことをできる人をきちんとリスペクトできる集団が理想だと考えています。そのため、いつも面接のときには「自分にない経験・能力を持っている人に集まってもらうこと、そしてそれぞれがリスペクトしあえる組織でなければいけない」とお伝えしていますね。

そして、最も大事にしていることは「オーナーシップ」です。お客様の課題やサービスの課題、運送会社の課題、自社組織の課題を”自分ごと”として捉え、オーナーシップを持って解決に動けるかどうか。オーナーシップさえ持っていれば、壁にぶつかったときも、ほかの人に助けを求めることができるはずです。1人で何もかもできる人などいないので、素直にどんどん周囲に頼れる人、課題を解決するためにうまく他者の力を活用していける人は活躍できるのではないかと思います。実際、そういったことができる社員は、入社時期、年齢問わず活躍しています。

若手にもチャンスがありそうですね。実際の活躍事例があれば教えてください。

はい。たとえば、24歳で当社に入社し、その後やや経ってからリーダーに抜擢された社員がいます。

実は、彼は当時リーダーとして申し分のない実績や実力があるというよりも、ポテンシャルを見込んだ人事でした。彼は現場の配車業務の経験しかありませんでしたが、「リーダーやってみる?」というマネージャーの提案に、「じゃあやってみよう」と素直に機会に乗りました。本人いわく「リーダーってなにをすればいいんだろう?」という状態だったといいます。当然、現場の一担当者であれば自分ががむしゃらに動くことで完結できますが、リーダーはそうはいかない。苦戦もしたと思います。自分が動くべきことや反対に人を動かすこと、さらに委託先に訪問して知見をお話しすること…彼にとっては初めての経験ばかりだったと思いますが、まず自分で考えて動いてみる、それを上長がフィードバックする。この繰り返しにより、リーダーの役割を体験から学んでいきました。いまでは、「オーナーシップとはこういうことか」と掴みつつあると話してくれました。

私としても、ハコベルで働くことで「自らの市場価値が上がった」と思えるような経験をいかに提供できるかを意識しています。チャレンジングな環境を求めている人にこそ、ぜひ応募してほしいと思います。

特に、いま組織拡大を進めているところです。近い将来、150人~200人規模の組織にしていきたいと考えています。さまざまなバックグラウンドを持つ人たちが、同じ目標を持って社会課題に挑み続けていることが我々の強み。より色々な能力や経験を持つ人たちにご入社いただき、その力を発揮してもらえればと思います。

【面接のワンポイントアドバイス】
・自ら動き解決に導いたご経験があれば、ぜひアピールしてください。
ハコベルは仕組みによって効率化を目指し、物流を持続可能な形に発展させる会社です。ですが効率化を何より優先するという意味ではなく、働くという意味では行動することも非常に重視しています。バリューに「リアリティ」を掲げるように、課題は、机上で考えるのではなく、顧客・サプライヤー・社内の現場から原因を考え、一次情報を基に解決することを大切にしています。こうした観点で具体的な例をお聞きすることはあるかと思います。

・こんなところを見ています。
スキル面においては、自己認識とその説明力をお聞きするようにしています。価値観に関しては、バリューのひとつでもある「オーナーシップ」を感じられるような意見交換をさせていただいています。また、学習意欲と誠実さもお話のなかから感じられるといいですね。組織ですから、同じ尺度で優秀かどうかではなく、自分にない能力を持っているか?は見させていただいています。具体的には「この人が辞めたら、自分が代わりに24時間働いても、その穴を埋められない」と感じる人に集まってもらいたい。なぜかというと、営業に強みがある人やプロダクトに強みがある人が辞めてしまったら、自分がどう逆立ちしても代わりにはなれないからです。そういう人を採用し、育てていきたい。その結果としてハコベルは互いにリスペクトを持った人たちが集まる組織を実現できると考えています。

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