INTERVIEW
東南アジア発スタートアップ「アーチーズ」

「今すぐ海外勤務」が決め手だった。人材業界出身の28歳が、グローバルスタートアップで掴んだチャンス

掲載日:2024/07/02更新日:2024/07/02
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「すぐにでもベトナムに飛んでほしい。その言葉が決め手でした」こう語ってくれた青木 宏太さん(28)。東南アジア発スタートアップ「アーチーズ」にて主にアカウントマネージャーとして活躍する彼。転職当時は26歳。彼がグローバルスタートアップで掴んだチャンス、そして成長のフィールドとは。

アーチーズとは
住友商事、アクセンチュア出身の日本人経営者が率いるベトナム発スタートアップ。"Share Knowlege, Empower Asia"をミッションに掲げ、アジア圏を主軸に各業界で活躍する有識者と、その知見を求める企業を繋ぐマッチングサービスを展開。特に、エキスパートに時間単位でインタビューを行う「エキスパートマッチング」は、高度な専門知見を迅速にピンポイントに収集したいというコンサルティングファームや投資会社を中心に世界20ヵ国以上にまたがる延べ300社以上が利用。アジア圏を中心とした10万人を超えるエキスパートデータベースと、ベトナム等のオフショア・BPO拠点にて構築した強固なリクルーティングのシステムとチームによって、同業他社が提供できないニッチな地域や最先端領域のエキスパートともマッチングを実現する。2024年6月に資金調達を実施し累計調達額は6億4000万円に。今後、「エキスパートマッチング」を実現するエキスパートネットワークをアジアから欧米/アフリカまで拡大、そのエキスパートの知見自体をアセット化する「エキスパートナレッジバンク」の強化を進めていく。

ベトナム拠点について
アーチーズにおいて、ベトナム拠点にメイン事業「エキスパートマッチング事業」のマッチングを行い売上をつくっていく部門が設置されており、実質本部機能を担っている。ベトナム拠点には、現在、経営陣を含め約100名ほどが所属。うち日本人は約30名。そのほか、ベトナム、インドネシア、タイ、ラオス、マレーシア、シンガポール、フランス、ドイツ、 中国など多国籍な社員が在籍している。

「来週からでもベトナムに」

海外で働く選択肢は、さまざまあると思いますが、なぜアーチーズだったのでしょうか?

理由はいくつかありますが、最も大きな決め手となったのは、入社直ぐにでも海外で働けるチャンスがあったこと。覚えているのが、選考で社長から「来週からでもベトナムに行っちゃいなよ」と言われて。まだ前職に籍があったため、むしろ「あと2ヵ月待ってもらっていいですか」と回答したのは良い思い出です(笑)。

じつは転職活動をするなかでは、海外で働くチャンスがありそうなテック系のスタートアップ企業など、ほかにもいくつか受けていました。ただ、聞いてみると、多くの場合は「1年はまず日本で経験を積む期間で、海外に実際にいけるのは早くても2年目以降」。僕としては、「それでは遅い」と感じていました。

というのも、個人的な思いとして、30代前半で海外で小さくてもいいから事業を1つ立ち上げたいという目標があるんです。当時26歳になったタイミング、あまり悠長なことを言っている時間はなかった。だからこそ、アーチーズの直ぐにでも海外に行けるチャンスがある環境は魅力でした。

同時に、2022年当時のアーチーズは僕が正社員1人目くらいのフェーズで、「未整備な部分が多い」点も魅力でした。前職は大手人材企業で働いており、制度面、マニュアル、ワークライフバランス、基本的になんでも整備されきちんと管理されていた。これは素晴らしいことですが、僕としては少し窮屈に感じていたんです。本音で言えば「もっと頑張りたい…もっと働きたい…」と思っていました。だからこそ、アーチーズのオフロードみたいな環境に身を置けば、自分が仕組みをつくっていく側になれそうだな、と。そういった経緯で、ここで働きたいと思い入社を決めました。実際、入社した翌月にはベトナムに渡りました。

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昔から将来は海外で働きたいという思いがあった青木さん。2018年新卒で大手人材会社に入社し、数年ビジネス経験を積んだのちに海外への挑戦を目指していたという。「コロナ禍を経てようやく海外に行けるようになってきたタイミングで、本格的に転職活動を始めました。また、プライベートでは結婚を考えていたタイミング。籍を入れ、妻と共に海外に行くことを決断しました」

3ヵ月に一度の帰国。いきなりの2拠点生活へ

入社されて現在の担当ミッションを教えてください。

端的に言えば、ベトナム拠点において、会社の事業成長に必要なことであれば、アカウントマネジメント、チームマネジメント、採用など、なんでも担当します。

割合として多くを占めるのが、アカウントマネジメント。メイン事業「エキスパートマッチングサービス」はコンサルティングファーム各社での調査を進めるうえで専門家を探す際にご活用いただいており、そのなかでも僕はジャパンアカウントの売上最大化を目的としたクライアント折衝を担当しています。

特に仕事におけるやりがいを感じる瞬間について教えてください。

コンサルティングファームのお客様から「青木さんはよくわかっていますね」と言ってもらえたときですね。僕はコンサル業界未経験で入社したからこそ、顧客理解のために年間で延べ150人にのぼるコンサルタントに実際にお会いしています。3ヵ月に一度は日本に戻り、お客様との会食を通じて、コンサル業務における勘所、お悩み事をヒアリングし勉強させてもらう生活なので、お褒めの言葉をいただけると「努力が実を結んだ」と思えます。

さらに、「よくわかっている」と思っていただけると、また発注をいただける。競合他社との差別化にもつながる。そうなれば、クライアントのなかで話題となりクチコミで広がり、さらに問い合わせがくる。受注件数、制約件数、マッチングの件数も上がっていく。そのループを目の当たりにしたときは、非常にエキサイティングでした。

お陰様で、アーチーズの売上は毎年200%ペースで成長を遂げています。自分の仕事のインパクトが目に見える。手応えを得られる環境ですね。

振り返ってみると、前職の大手企業では、前年比売上101%達成、102%達成という世界。もちろんその1%、2%はとても大事ですが、どうしても巨大組織のなかで自分という個人が頑張る意義・モチベーションを見出しづらい、自分事化が難しい瞬間もありました。当時と比べると、今は何の疑いもなく、自分のキャリアに箔がついている、自信につながっている感覚がありますね。

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約15ヵ国から集まる社員。立ちはだかるコミュニケーションの壁

一方で、国籍も多様な人々が集まる環境において、苦戦したことなどがあれば教えてください。

それでいうと、入社してから毎日苦戦しています(笑)。分かりやすいところで言えば、コミュニケーションです。

当たり前ですが「働く」の価値観は人によってまったく異なります。特にアーチーズの社員は、日本以外に、ベトナム、インドネシア、タイ、ラオス、マレーシア、シンガポール、フランス、ドイツ、 中国をはじめ、約15ヵ国からのメンバーで構成されているため、なおさら考え方も多様です。

伝え方1つとっても、工夫をしないと伝わらない。伝わらないと、何か意思決定をし施策を動かしていく時のスピードが遅れる。スピードが遅れると、事業計画の達成が難しくなります。

僕の失敗談で言えば、最初のころは全員に同じ伝え方をしていました。たとえば、チームメンバーが5人いた時に、5人全員にKPI・達成・成長の観点でのマネジメントをしていた。そうしたら、半年後に同僚から「今のやり方ではついていけるのは5人中1人。残りの4人は、それだけだと疲れてしまう」とフィードバックをもらって。自分のやり方を変えなければダメだ、と気付きました。

そこは、どう乗り越えていったのでしょうか?

特に意識するようになったのは、相手と自分との違いを感じ取って、違いを受容する。ここに尽きると思います。相手の年齢、性別、思考性などに合わせて、コミュニケーションを変えるようになりました。伝え方の引き出し、対処の仕方のバリエーションを少しずつ増やしているところです。まだまだ躓くことはありますが、前職時代はマネジメント自体やったことがなかった僕としては、特に入社してから成長を実感している部分ですね。

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入社して2年、特に磨かれたスキルの1つが「ビジネスシーンにおける英語力」だ。「最初は日常会話しかできませんでしたが、メール、電話、オンラインのミーティングを英語でこなすなかで、特にスピーキング・ヒアリングは上達している実感があります。まだまだですが、ビジネス英語の基礎はできるようになった。大きな自信につながっています」

知識のシェアリングサービスで、社会を良くする

今後の目標があれば教えてください。

そうですね。まずは事業を伸ばしていく。2年間働いてみて、知識のシェアリングサービスは、世の中をよくしていくと確信しています。この知識のシェアリングを通じて、より多くの人々のチャレンジを支えていきたい。チャレンジには欠かせない「情報」を得る手段として、アーチーズのサービスを第一想起してもらえる状態を目指しています。

また、対社内に向けては、頑張って成果を残した人が賞賛され、1人ひとりが自信を持ってキャリアを築いていける。そういった環境をつくりたいですね。10年後に振り返ったとき「あの時、アーチーズで頑張ったから今がある」と思えることが理想だな、と。アーチーズへの入社が個人のキャリア形成において大きな分岐点となるものにできたらいいなと考えています。

僕個人としても、30~35歳の間に何かしら海外で事業を立ち上げたいという思いがあって、それができるだけのスキル、資金力、力をつけるべく今アーチーズで修行をしている1人。これからも、社会のため、チームのため、そして自分のために、走り続けていきたいですね。

【番外編】青木さんに聞く!ベトナムで働く3つの魅力

▼「金利7%」という経済状況
ベトナムはGDPもぐんぐん上がっています。2023年のGDP成長率は5%超(※1)。2023年3月には金利は7%を超えて話題に。これは、銀行に100万円を定期預金していれば1年で金利だけで7万円が貯まる計算。将来事業を立ち上げたい僕にとって、嬉しい環境です。

▼チャレンジングな若者が多い
ホーチミンは、平均年齢が31歳と非常に若者が多い都市(日本は平均年齢48歳)(※2)。子供が多く20代が多いため街全体に活気を感じます。特に僕が好きなのが、リスクを背負ってチャレンジする人が多いこと。たとえば、新しいお店が建ったと思えば、2~3ヵ月後にはもう新しい店になっていたりする。2年前に来たときには、全然なかったコンドミニアム、オフィスビルが今や次々と建ち並び、街並みもどんどん変わっていく。チャレンジングな人たちが多い環境に身を置き、一緒に仕事をしたりすることができる。僕としても想像以上にパワーをもらっています。

▼自分のしたいことに時間をさきやすくなった
僕は東京で生まれ育ったのですが、これまでの人間関係から物理的に遠くなったことで必然的に飲み会の回数が減りました。また、ホーチミンはコンパクトな造りで、すべてオフィスや店などもタクシーで15分圏内にあります。東京では、移動時間だけでなんだかんだ往復で2~3時間くらいかかっていたので移動時間のストレスはかなり減りましたね。お陰様で、増えた時間で、平日の夜、土日の日中などにはスポーツを楽しんでいます。朝は毎日ジム行ってランニング、夜は週2でサッカー。最近新しい趣味として、妻と週2回バドミントンを始めました。良い息抜きができているからこそ、より仕事も頑張れている気がしますね。

(※1)ジェトロ
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/01/e0551490d4b6f8e4.html
(※2)ジェトロ
https://www.jetro.go.jp/world/reports/2021/02/db6cdef49e854b9a.html
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2023/5cda3d33e0ecdcb8.html

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