国内臨床医の9割超ーー30万人以上の会員規模を誇る医療情報サイト『m3.com』。この独自プラットフォームを主軸に、「医療IT」ビジネスを展開するのがエムスリーだ。2017年には米Forbes「世界で最も革新的な成長企業」で5位(日本企業の中では1位)に選出されるなど、そのビジネスモデルは世界から注目を集める。なぜ、これほどまでに高い評価を獲得できるのか。今回は特にWebコンテンツによる製薬会社などのマーケティング支援を手掛ける「コンテンツプロデューサー」の求人とともに、そのビジネス概要を見ていこう。
2000年の創業以来、「医療IT」領域で事業を展開してきたエムスリー。今やその時価総額は5兆円を超え(*)、「医療業界の巨人」とも称される。
(*)2021年5月31日時点
同社のビジネスモデルの中核となるのが、医療情報プラットフォーム『m3.com』だ。会員規模は国内の臨床医30万人以上と、9割超をカバー。会員の3割以上が毎日アクセスするなど、すでに医療現場ではインフラとも言える存在となっている。
さらに同社はこの圧倒的な医師ネットワークを軸に、「製薬会社のマーケティング支援」「治験支援」「医療従事者向け人材サービス」など、あらゆる領域で新規ビジネスを創出。40を超える事業を世界で展開している。
m3.com
2003年にリリースされた医療業界向け情報サイト。最新の医療情報、医薬品情報など豊富なコンテンツが取り揃えられ、医師間のSNSとしても活用される。会員数は日本の臨床医の9割を超える、30万人以上。さらに海外でも高い支持を受け、アメリカでは医師の8割以上となる60万人、中国では3分の2を超える300万人以上の会員を獲得している。世界全体で見ると、会員数は600万人以上にものぼる。
こうした同社の根幹にあるのが、「インターネットを活用し、健康で楽しく長生きする人を一人でも増やし、不必要な医療コストを一円でも減らすこと」というミッションだ。事実、その事業を通じて、数々の医療業界の課題解決を手がけている。
たとえば、「製薬会社におけるマーケティングコスト最適化」はその一例だ。
そもそも、製薬会社から医師への情報提供の仕組みは、非常に非効率な構造となっていた。インターネットを中心に情報を収集する医師に対し、製薬会社はMRを通して対面で薬剤や疾患に関する情報を提供。営業コストの9割以上を、その関連費用に投じてきた。
同社は製薬会社から医師への「Webマーケティングの仕組み」を構築。情報提供のねじれを解消し、製薬業界の抜本的な生産性向上を支援している。
こうした製薬会社などに対し、Webコンテンツのプロデュースによって、マーケティング支援を手掛けるのが「コンテンツプロデューサー」だ。同社ではいま、同ポジションの採用強化を行っている。
具体的に「コンテンツプロデューサー」は、以下のような業務を担っていく。
・マーケティング戦略に基づくプロモーションプランやコンテンツの企画・提案
・クライアントとなる製薬企業(プロダクトマネージャー、デジタルチーム等)、社内外のメディカルライターや制作プロダクション、制作にかかわる監修医・出演者(オピニオンリーダー等)とのコミュニケーション
・コンテンツプロデュース業務全体のディレクション
その特徴といえるのが、『m3.com』に蓄積される膨大なデータを活用し、クライアント企業の課題解決に向けた本質的な検討ができること。
例えばコンテンツを実際に視聴する『m3.com』会員におけるWeb調査で得た定量情報、会員医師に対するインタビューなどの生きた臨床現場の意見、視聴ログなどの情報を集約。多様なデータを元に、コンテンツの戦略や企画立案を手掛けていく。
さらにプロデュースしたコンテンツが視聴者にどう評価されたか、視聴ログやアンケート等によって正しく把握することも可能だ。
コンテンツプロデューサーの大きな醍醐味は、コンテンツ制作を通して、医療従事者の「治療を変える」ことに貢献する機会が豊富にあることだ。事実、"世界で一番多くの「治療を変える。」をプロデュースする"がミッションとして掲げられており、実際に、配信する情報を日常臨床に役立てているという医療従事者からの声も多数届いているようだ。
必須要件として、医療業界やコンテンツ制作の経験は求められていない。最先端のWebマーケティングを駆使し、医療という社会的インパクトの大きな領域に変革を起こしていく。非常にチャレンジングなフィールドが広がっているといえるだろう。
最後に触れておきたいのが、若手人材にとっての成長環境について。同社には、金融、コンサル、商社、メーカーなど多様なバックグラウンドを持った優秀な人材が集まり、ともに高めあえる環境がある。
ここでその企業文化の一例を紹介していこう。
・ベンチャーであり続けること
東証一部上場を果たした大手企業でありながら、ベンチャー企業としての組織を維持し続けている。その根底にあるのが「常に変化と柔軟性を持って成長し続ける」という意志。社内アントレプレナー、カンパニー制、新規ビジネス提案制度など、社内制度の構築も進めている。
・正しい理論が通るフラットな組織
同社では「誰が言うか」ではなく、「何を提案して実行するか」を重要視する。そのため、「年齢、社歴、性別、相性などの要素が業務に影響されることはあってはならない」と言う考えを持つ。
・社長意識
ポジションによって、「できることが制限されない」というのも同社のユニークなポイントだ。そこには、一人ひとりが経営者の視点に立って目の前の課題を考える「社長意識」を持ち、常にゼロベースで物事を考え、主体的に動く。その上で誰でも制約条件なく、アウトプットに取り組むカルチャーがある。さらに互いをプロフェッショナルとして尊重し、チーム全体でアウトプットを高めていくのも特徴だ。
・「価値を生み出して報酬を得る」という考え方
「仕事をし、価値を創出することで、見合った対価を得る」これが同社の報酬に対する考え方だ。ここには、「価値を創出するスタッフに厚く報いる」という意思もあるという。つまり、価値を創出することで相応の報酬も得られる環境にあると言えるだろう。
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