2020年に覆ったコロナ禍によって、教育現場は劇的な変化を遂げた。オンラインへの転換が迫られるなか、注目が集まるのがEdTech企業だ。関連求人とともに、その動向について見ていこう。
いま、EdTechはグローバルで注目されるビジネス領域の一つだといっていいだろう。
事実、2020年第一四半期、世界のEdTechスタートアップにおける資金調達額は30億ドルを突破(*1)。前年は年間で70億ドルの規模だったことを考えると、投資家たちの注目は一層高まっていると見ていいだろう。時価総額1,000億円を超える、いわゆるユニコーン企業も2020年だけで4社誕生した(*2)。
当然、その背景にあるのは、2020年に世界を覆ったコロナ禍による教育環境の変化だ。日本をはじめ、世界各国の教育機関が休校を余儀なくされたことは記憶に新しい。こうした状況下においても良質な教育機会を提供する。ニューノーマル時代の新たな教育のかたちをつくる上で、EdTech企業への期待が高まっているのだ。
世界に比べ、教育におけるオンライン化の遅れが指摘されていた日本でも、一気に加速の兆しを見せている。
その動きとして注目したいのが、本格化する政府による「オンライン教育」推進だ。
2019年、政府が発表したのが「GIGAスクール構想」。これは義務教育を受ける児童・生徒に向け、「1人1台の学習用端末」「高速大容量の通信ネットワーク」を整備する計画だ。当初2023年度までを予定していた方針は、コロナ禍の影響を受け、2020年度内の実現へと前倒しされた。予算としてもICT環境整備に2,000億円以上が計上されている。
今後「オンライン教育」が前提となるなか、EdTech企業が活躍できるフィールドは急速に広がっていくと見ていいだろう。この市場拡大フェーズにおいて、いかに新たな価値を提供し、サービスを社会に浸透させていくか。働く環境としても、いま非常におもしろいタイミングであるといえる。
ではいま、EdTech領域においてどういった募集が行われているのか。一例を見ていこう。
■モノグサ
記憶のプラットフォーム『Monoxer(モノグサ)』を開発。ユニークなのは、学習者はただ問題を解いていくだけで、覚えたい内容について、設定した期間内に「記憶」が定着した状態にできる点だ。
その背景にあるのが、個々の「記憶」レベルを計測するAIの存在。国語、算数などの教育科目に加え、英語スピーキングや企業の研修などにも対応している。
■COMPASS
AI型タブレット教材『Qubena(キュビナ)』を提供。AIが児童・生徒の得意・不得意を分析し、個々に最適化した問題を自動で出題する。
導入学校数は、2020年9月までの1年間で670校増加したという(2020年9月時点:750校)。
■Schoo
「未来に向けて、社会人が学んでおくべきこと」をコンセプトとし、オンライン動画学習サービス『Schoo(スクー)』を運営するSchoo。法人向けには『Schoo for Business』を提供している。登録会員数は約65万人、導入企業実績は2000社を突破。2021年8月には、シリーズDで総額約7応援の資金調達を実施したという(*3)
その他、英会話やプログラミングなどeラーニングサービスを提供する企業でも採用が見受けられた。ぜひ実際の求人をチェックしてみてほしい。
(*1)ユニコーンが続々誕生。コロナ禍で勢いを増す世界のEdTech
https://initial.inc/articles/global-startups-edtech
(*2)2020年上期にユニコーンになったEdTech系企業4社
https://edtech-research.com/blog/vol13-edtech-unicorn-1h-2020/#:~:text=%E4%BB%8A%E5%9B%9E%E3%81%AE%E8%A8%98%E4%BA%8B%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%80%812020,%E3%81%AE%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E7%B4%B9%E4%BB%8B%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%82
(*3)社会人教育SaaSのスクーが、シリーズDで総額約7億円の資金調達を完了|PRTIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000148.000006391.html