サイバーエージェント、インターネット広告事業本部の「リテールメディア事業本部」にてマネージャーとして活躍する大谷優香さん(28)を取材した。もともと大手プラットフォーム運営企業にて、美容院向けサイトの提案営業を行なっていた大谷さん。なぜ、サイバーエージェントへの転職を決めたのか。そこには「サイバーエージェントでこそ得られる“挑戦環境”に身を置き、新たな市場創出に挑んでいきたい」という熱い思いがあった――。
もともと大手プラットフォーム運営企業にて美容院向けサイトの提案営業を経験し、26歳でサイバーエージェントに転職した大谷さん。そこには「営業としてのスキル、そしてキャリアを見据えた決断」があったと振り返る。
前職のことがすごく好きで、決して不満はありませんでした。ビジョンに共感をしていましたし、若い人たちを中心にみんなで切磋琢磨し、高みを目指していく、そういった風土も自分に合っていたと思います。ミッションとしても、日本でトップクラスの美容院が集まる表参道エリアを任せてもらえて、やりがいも感じていました。
一方で、営業としてのスキル、そしてキャリアを考えた時に「このままでいいのか」という思いがあって。というのも、成熟したマーケットのなか、前職は大手企業でもあったため、会社の看板があれば、スムーズに提案活動が進められる、とても恵まれている環境だったからです。扱う商材はトップシェアであり、そもそも力がある。だからこそ、どこかで「私でなくてもできる仕事なのではないか」という思いが芽生えるようになりました。
顧客が抱える課題を、本質的に解決していけるようなスキルを身につけたい。26歳、社会人5年目というタイミング。キャリア的にも新たなチャレンジをし、その経験を自分の成長に繋げたいと考え、転職を決意しました。
サイバーエージェント インターネット広告事業本部 リテールメディア事業本部 マネージャー 大谷優香さん(2022年8月入社 ※当時26歳)
転職を決意後、なぜ次のステージに「サイバーエージェント」を選んだのだろう。
さまざまな理由があるのですが、若いメンバーに裁量が委ねられ、「前例のない挑戦」をさせてもらえることは大きな魅力でした。また、そこに挑む社員たちの熱量がとてつもなく高い、そういった部分は前職と似た部分もあるかもしれませんが、野望を持っている人、尖っている人たちが多いところにも惹かれました。客観的に自分を分析すると、一緒に働く人たちのエネルギーを受け取り、相乗効果で頑張れるタイプでもあって。だからこそ「どういった人たちと働けるか」は大切なポイントでした。実はサイバーエージェントの選考、1次面接にて「一度、サイバーの社員と話をしてみるといいよ」と勧められ、2次面接までに数名のサイバーエージェント社員にアポイントを取り、いろいろな話を聞かせてもらったんですよね。みなさん全員が「人がいい」「どんどん上を目指せる」「挑戦が歓迎される」など、高い熱量と一貫した内容で語ってくれました。「こういった人たちと働けるのであれば」と思えたのも、入社を決めた理由の一つです。
「入社するまでサイバーエージェントは新卒メンバーが多いイメージだったのですが、想像以上に中途メンバーも多い環境でした。」と話をしてくれた大谷さん。「特に私たちの部署だと約半数以上が中途入社です。トレーナーがついてフォローしてくれるなど、サポート体制が整っていました。中途入社者の前職はネット業界はもちろん、メーカーなど大企業の出身者も多いです。新しい領域である“リテールメディア”に興味があったり、もともと「営業される側」の担当者で課題感を持っていたり。さまざまな理由で入社した多様なメンバーたちと切磋琢磨しながら働くことができています。」
こうしてサイバーエージェントに入社した大谷さん。彼女が担うのは、化粧品・日用品・消費財メーカー向けのリテールメディア(*)を活用したマーケティング・販促支援だ。大手ドラッグストアと協業し、ブランド支援に変革を起こす。
(*)リテールメディアについて
ドラッグストアなどの小売店が持つ購買データを活用し、ブランドや商品の販売促進支援・広告配信を行なう新たなマーケティング手法。公式アプリや公式LINEアカウントを通じ、購買効果の高いユーザーに合わせたクリエイティブ・訴求での広告配信を可能とする。多様化する価値観・好み・生活習慣などに合わせ、高度なパーソナライズができるため、小売・流通業界における新たなマーケティング手法として注目されている。
たとえば、いつも行くドラッグストアの公式アプリやLINEから、自分が欲しかったもの、興味のあるブランドの広告が配信されたら、思わず見てしまうし、それは「知りたかった情報」になり得ますよね。ビジネスパーソンであれば「会社帰りに買って帰ろう」となるかもしれません。また、メーカー側としても、限られた予算のなか、届けたい消費者に効率的にプロモーションができます。さらに店舗側もリピーター獲得や売上アップにつなげることができる。この「三方良し」を目指していけるのが、リテールメディアの大きな利点だと言えます。
もちろん化粧品、日用品、消費財など、テレビCMを活用したブランドの認知獲得は今でも重要なプロモーション戦略の一つです。ただ、やはり莫大な予算が必要になりますし、どこまで購買につながったか、正直、効果が測りづらいもの。また、若者向けなど新たなブランド商品を手掛ける新興企業・ベンチャーだとテレビCMはどうしてもハードルが高いですよね。世の中的にも若い人たちはどんどんテレビを見なくなっていると言われており、メディアとの接点しかり、購入する商品しかり、価値観、好み、生活習慣が多様化する時代に、リテールメディアを活用しない手はない。そういった意味でも市場の追い風を今まさに感じているところです。
「たとえば、リテールメディアにYouTubeの動画広告を紐付けることで、ブランド認知獲得と同時に購買への寄与もデータで関連付けて分析ができる強みがあります。」と大谷さん。「また、一部店舗にてリテールメディアを起点とした新商品プロモーションを展開し、その成功例を全国展開することで大ヒットにつなげていくといった成功事例も多数生まれてきています。」
そこには「新たな市場を生み出していく醍醐味がある」と大谷さんは話す。
化粧品、日用品、消費財などはとても身近なもので、誰もが知っているような商品やメーカーを担当することもあります。そういった商品のブランディングや売上アップに携わる喜びは大きいですね。また、リテールメディアは領域として非常に新しく、さまざまなチャネルやメディアを活用した挑戦ができます。お客様であるメーカーの皆さんも、どんどん変化していく時代と市場のなかで、どのようにブランド展開をしていくか、販売戦略を組み立てるか、課題や悩みを抱えており、伴走をしながら「前例のない挑戦」ができます。もっといえば、広告配信にとどまらず、リサーチの手法、販売手法、業界全体での成功事例など、さまざまな意見が求められる中で、パートナーとして頼っていただけるのも嬉しい瞬間です。当然、自分も消費者の一人なので、商品はもちろん、アプリや広告に日々触れていきます。友人が「アプリ使っているよ」「広告を見たよ」と言ってくれたり、SNSでシェアしてくださる方がたくさんいたり。確実に「N1」に届き、行動に影響を与えていける。そういった反応を身近に感じられるのも、やりがいの一つです。
「新しい価値、事業を生み出していく楽しさを日々感じています。ただ、当然、楽しいことばかりではなく、新規事業に挑戦していく上で想像以上に泥臭いことも多いです。」と話をしてくれた大谷さん。「そもそも"リテールメディア”という言葉さえ知らない方も多いわけです。つまり社会にまだまだ浸透していない。だからこそ、どう周知し、可能性を感じてもらえるかが重要となります。新規企業に向け、積極的且つ地道な提案活動も行なっていきます。」
続いて聞けたのが、大谷さんが「仕事を通じて実現していきたいこと」について。
あらためて、現在携わっている「リテールメディア」は、自分の努力次第で売上が立ちマーケットとしてもどんどん広げられるポテンシャルのある領域だと捉えています。自分がやるからこそ、世の中が変わる。社会に浸透していく。言い換えるなら「自分が第一人者になれる可能性を秘めている事業」であり、その市場、領域を作っていく一人になっていきたいですね。
正直、その先にどうなっていきたいか、何をしていきたいのか、あまり考えたことはありません。ただ、今の「新規事業へのチャレンジ」や「マネージャー経験」は、キャリアにおいて必ずプラスになるだろう、という考えはあります。そういったキャリアの「タグ」が複数あれば、いつか「これ、やってみたい」ということと出会った時、自ら選択できるようになっているはず。小さな選択でも大きな選択でも、選べないのはとても悔しい。だからこそ、今のうちから可能性を広げ、キャリアや生き方を自ら選択できるだけの力や経験を手にしていければと思います。
そして最後に聞けたのが、大谷さんにとっての「仕事」とは何か――。
週5日は働くとすると、生活の大半を占める時間が「仕事」なわけですよね。そう考えると、人生をより楽しいと思えるためにも、仕事こそ楽しいものにしたいといった思いがあります。もちろん大変なこともありますが、そういった時こそ、仕事を「仕事」とあまり思いたくなくて。結果を残すことも大切ですが、いかに夢中になれているか、妥協せずに全力で取り組めているか、後悔をしないようにできることを全て実践できたか、私にとってはそのプロセスこそが大切な要素であり、「仕事」なのかもしれません。常に仕事と向き合いながら「頑張っている自分」が好きなのだと思います。これからもそういった自分でいられるよう、全力で仕事と向き合っていきます。