INTERVIEW
スポーツX

プロスポーツクラブ経営に革新を。スポーツXの経営企画が語る、働きがい

掲載日:2023/05/01更新日:2023/12/21
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Jリーグ入りを目指す「おこしやす京都AC」他、サッカークラブを立ち上げ、経営を行うスポーツX。単なるクラブ運営に留まらず、キッズスポーツスクールの世界展開、スポーツイベントや施設の運営、地域企業とのパートナーシップ(課題解決、協業)も手掛け、国内外で事業を拡大する。彼らがサッカーをはじめとしたスポーツクラブ経営で実現していく世界とは。スポーツXの経営企画であり、子会社代表も務める、季武慶樹(すえたけよしき)さん(33)にお話を伺った。

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Jリーグ入りを目指す「おこしやす京都AC」他、続々とクラブ立ち上げへ

日本中・世界中に数多くのプロスポーツクラブを作り、スポーツの力を通して地域に貢献する“社会インフラ企業”を目指すーー

これを掲げる次世代型スポーツベンチャー「スポーツX社」だ。

代表の小山淳氏は「藤枝MYFC」を自ら立ち上げJリーグに昇格させた経験の持ち主。そこから得た「地域連携型サッカークラブの経営ノウハウ」を活かし、国内の他地域や海外でもクラブ経営の事業展開を実現させていくべく同社を立ち上げた。

現在は、Jリーグ入りを目指すプロサッカークラブ「おこしやす京都AC」、「みちのく仙台FC」等を運営。今後も続々と、新しい地域での事業展開を予定している。

そして、同社の最大の特長といえるのが、単にスポーツクラブ運営を行うだけに留まらず、キッズスポーツスクールの世界展開や、スポーツイベントや施設の運営、地域企業とのパートナーシップ(課題解決、協業)など、スポーツを切り口にあらゆる事業を展開している点だ。

今回は、スポーツXの経営企画として資金調達等を担当し、スポーツ施設の運営事業を担う子会社代表も務める季武慶樹さんを取材。

「スポーツは、単に体を動かすことで健康につながるという機能的価値を持つだけではなく、人間形成のツールの1つにもなりえますし、人々に感動や熱狂を与えたり、社会課題に対してアクセスできるツールにもなりえたりします。そういった、スポーツの持つ価値・ポテンシャルを信じている人にとって、スポーツXはたまらない環境だと思います」

こう語ってくれた季武さん。彼のストーリーから、同社で働く意義や魅力に迫る。

スポーツX(選手)

投資家からも熱視線!スポーツXが考えるクラブ経営の在り方

前職時代のお仕事内容、そしてスポーツXに入社されるまでの経緯から伺えますか?

デロイトトーマツコンサルティング合同会社でコンサルタントとして5年間にわたり働いていました。その終盤ではスタートアップ企業のカルチャーや働き方の研究をしていて。そうした中で、自分もスタートアップで事業を実際に動かし成長させてみたいと思い、次のキャリアとしてスタートアップを視野に入れて考えはじめました。

一方で、海外に住んでみたい気持ちもあり、当初はMBA留学をした後にスタートアップに行くプランだったんです。ただ丁度その頃、スポーツXで営業や採用などを担当し、国内外で1.3万人もの経営者と接点を持つ高橋という者と出会い衝撃を受けました。スポーツXが掲げる経営理念やビジョンに強く共感するとともに海外展開にも乗り出そうとしている点にも興味が湧いて。海外に仕事でいくか、MBAで行くか考えた結果、スポーツXにジョインすることに決めました。

主に担当されている仕事内容について教えてください。

まず、弊社の組織構造からお伝えすると、スポーツXは、ホールディングスのような位置づけになっており、その下に実際に各地で事業を行う会社を作り、クラブ経営事業、アカデミー事業、スポーツイベントや施設の運営事業等を展開しています。各地域の企業様にも一部ご出資いただき、一緒に経営参画していただきながら進めることも多いため、このような組織形態をとっています。

そのうえで私が担っているのが、1つはスポーツX全体の経営企画としての役割、そしてもう1つは私たちが“スマートスポーツパーク(SSP)”と呼んでいる施設の運営事業を手掛ける子会社における代表という役割です。

スポーツXの経営企画としては資金調達等の仕事も担当させて頂いており、事業計画の策定、投資家の方々に向けた提案資料の作成、実際に投資家の方々とコミュニケーションを取ってご出資に向けたご提案などを担当しています。

なお、実際に株主となっていただいている方は、大きく3タイプの方がいらっしゃいます。

1つ目は、地域の企業の経営者です。いわゆる地方の「名士」と言われ、その地域に根付いて事業を行い、長らくその地域を守ってこられてきた方々は、人口減少などでその地域が衰退していくと事業を継続・発展させていくことそのものが難しくなる、という危機感を持たれています。

そういった中で、スポーツは現代において若者を呼び込める数少ないコンテンツの1つであるということが徐々に認識され始めていて、「将来的に一緒にクラブをつくろう」、「うちの地域でスポーツ事業をやってほしい」と言っていただけています。

2つ目は、サッカー好きの経営者の方々です。特に、こうした方々のなかにはスポーツ業界全体に対して課題意識を持っていらっしゃる方々も多くて。スポーツXはユニークな取り組みをしていると、興味を持って頂けています。

例えば、スポーツXのユニークな取り組みの1つが、選手たちを社員として採用して「社員プレーヤー」にしていることです。「おこしやす京都AC」、「みちのく仙台FC」等のクラブチームの選手は、午前中は練習をして、午後は社員として働いているんです。社員として何をしているかというと、1人200社ほどの企業を担当し、地域の企業様を定期的に訪問させて頂いています。

なぜこんなことをしているかというと、まだJリーグにも満たないカテゴリーのクラブですので、最初は地域の方々の誰も選手のことを知らない状態なのですが、定期的にお会いしてお話させて頂く中で顔を覚えていただけると「世間は誰も知らないかもしれないけど、自分は知っている」状態になる。そうなれば、たとえば「背番号21番の田中君が試合に出ているから、友達を誘って応援に行こう」と思う人が増えていく。「会いに行ける」「応援したくなる」という意味では、目指しているのは社員プレーヤーたちが『AKB48』的な存在になること。こうした独自の戦略に興味をお持ちいただき、応援してくださることも多いですね。

3つ目は、エンタメとしてのスポーツが持つ潜在的価値をご認識されている方々です。デジタル化が進む現代社会において、スポーツをはじめ、アートや音楽など、リアルでしか体験できないエンタメの相対的価値がものすごく高まってきていると感じています。将来的に、その重要性はより高まっていく。こうした中、“まだまだ未成熟産業であるスポーツを産業化していく”という役割を「誰かが担わないといけないことだよね」と共感し、応援してくださる方も多いです。

スポーツXプロフィール画像差し替え

季武 慶樹
1990年生まれ。小中高時代はサッカー部に所属。進学先の一橋大学ではボート競技が校技であったこと、「日本一」を目指す組織で活躍したいとの思いから競技転向し、体育会ボート部へ入部。週11回の練習、年間300日以上の合宿生活というボート漬けの日々を送り、大学4年時にはU23日本代表選手としてオランダで開催されたU23世界選手権に出場。大学卒業後、2012年に帝国ホテルに入社し、国際営業に従事。2014年よりデロイトトーマツコンサルティング合同会社にて、M&A系プロジェクトや人事・組織系プロジェクトに従事。2019年よりスポーツXへ。経営企画と子会社の代表を兼務。

スマートスポーツパークを、スポーツをする子どもたちの交流拠点に

地域創生との連動でいうと、どういった取り組みがあるのでしょうか。

その一例が、広島県福山市で行なっているサッカースクールと、スマートスポーツパーク(人工芝グラウンド3面、500人宿泊可能な併設宿泊施設)の運営事業です。

もともと、創業120年の歴史を持つ地元のツネイシグループ様が、30年ほど前から青少年育成を目的としてサッカースクールを始められていました。生徒数約300人の強豪クラブであり、人工芝のグラウンド3面を保有し、例えば週末にサッカー大会を開催した場合は県外のチームが一泊二日の遠征ができるよう宿泊施設も併設されていました。宿泊施設は、試合・大会のない平日は、修学旅行など学校の課外研修や企業の研修にも使われていました。

ただ、ツネイシ様としては、スポーツ事業は本業ではない中でグループ内の事業再編成のタイミングということもあり、「スポーツ事業のプロに任せたい」とお声がけ頂き、以来ご縁を育ませて頂いております。

本事業における今後の1つのビジョンとしては、スマートスポーツパークをハブとして、全国・世界各地から集まる子どもたちの交流を生んでいきたい。今の時代、オンラインで誰かとすぐに話すことが出来るようになりましたが、会ったこともない大阪のチームの子と福岡のチームの子たちがオンラインでつながるというのはなかなか現実的ではない。でもサッカーを介せば一瞬で交流ができるんです。

そして、ゆくゆくは海外の子どもたちも福山に呼び込めればと考えています。スポーツXのグループ会社の1つが、ベトナム、シンガポールでサッカースクールを運営していて、日本と合わせると計約18,000人の子どもたちが通ってくれています。

ベトナムでは今3500人ぐらいの子供たちが通ってくれていて、富裕層のご姉弟が多いのですが、例えば日本遠征をするとなった時には、行き先として福山が選ばれる可能性は大いにあると思っています。

サッカーを起点に、大阪や福岡から、海外ではベトナム、シンガポール、今後はインドネシアやミャンマー等から、広島に子どもたちが集結する。そうなれば、サッカーはもちろん、文化的な交流拠点にもなっていく。サッカーやスポーツを通じて子ども達の価値観を広げていけるような場にしていきたいです。

スポーツX(グラウンド)

スポーツXに今入社することで得られる経験として、子会社の代表などにチャレンジするチャンスがある点をあげてくれた。「僕自身も転職して2年目ぐらいには子会社の代表を任せていただきました。ほかにも、25歳でクラブの代表になった者もいます。組織が成長していく中で、ポジションに対してまだまだ人が足りていない状況。実力に見合わない役割を担わせて頂いているとも思いつつ、こうしたチャンスはそうあるわけではないため、非常に貴重な経験をさせてもらっています」

次の瞬間、何が起こる分からない。スポーツは究極のエンタメ

近年、ワールドカップやWBCなど、スポーツ観戦が非常に盛り上がっていますよね。改めてスポーツにはどういった可能性があると思いますか?

スポーツの価値の1つは、大人も興奮できること。なかなか普段生活する中でガッツポーズをすることってないと思うんです。でも、直近では2022年のサッカーワールドカップで日本がスペインやドイツを撃破したり、メッシ選手が念願の優勝を果たしたりまた野球では2023年に日本がWBCで優勝したり、こうした瞬間に多くの人々が熱狂したのではないかと思います。スポーツがこうした熱狂を生みだす理由は、スポーツとは次の瞬間に何が起こるかわからない筋書きのないドラマであり、ときにドラマ以上にドラマチックな展開が待っているからだと思っていて。デジタル化・AIの進化などによりいまだかつてなく多くのことが予測可能になっている今、予測不能なスポーツは、非常に稀有なコンテンツですよね。

また、人々の立場をフラットにできるのもスポーツの魅力だと思います。

たとえば、会社の上司とフットサルに行ったとしますよね。会社では上司・部下の関係でも、ピッチの上ではフラットだと思うんです。上手い人が偉いわけではないですが、ともすれば部下の方が上司よりもサッカーが上手で形成逆転する、ということもあるかもしれない。職場で上司とハイタッチしようと思わなくても、ピッチに立って得点を決めたら自然とハイタッチしていた、なんてこともあるかもしれません。

これは、上司と部下だけではなく、企業と企業の関係においても同様です。

先日、株主企業様やパートナー企業様をお招きして選手一同がおもてなしをする形で総勢100人以上の交流会を開催しました。お越しになられた方々は、業界・業種、年齢、性別も様々。役職も、一般社員から社長まで幅広くいらっしゃいました。ただ、交流会という場においては全員がフラットな立場でお話しされていて、即座に意気投合したり、時には両者のお取引につながっていたり、というようなシーンもみられました。それは「同じチームを応援している」あるいは「同じ選手が好き」という共通点があるからだと思うんです。あらゆる垣根を越えてフラットに人や企業とお付き合いできる場というのは、実はなかなかないですよね。それはスポーツの持つ1つの価値なのではないかと思います。

最後にどういった気持ちで仕事に向き合われているのか伺わせてください。

仕事とは、大人の部活みたいなものだと思っていて。振り返ってみると、部活には様々な要素が詰まっていたと思うんです。当然好きでやっているし楽しいからやっているのに、いつしか「大変だ」という気持ちになったりもする。達成感を感じることもあるし、仲間と出会い、ときには衝突したり悔しい思いをすることもあるけれども、そのおかげで視野が広がったり視座が高まったりする。年次が上がるとリーダーになって組織をどう運営して行くのかなど自分以外のことも俯瞰して考えていくことも求められる。仕事と通ずる部分がありますよね。究極的にいえば、そこにお金の要素が合わさったものが「仕事」なのかなと思っています。

情熱を持って仕事に取り組みたいという自分の気持ちや願望も含めて、「大人の部活」と捉えて、これからも邁進していきたいですね。

スポーツX(二人)

働くなかで成長痛を感じるポイントについても触れてくれた。「どのスタートアップでも共通だと思いますが、今までやっていた領域が1だとすると10、20をやらなければならない。当然初めてやることの方が多く、且つそれらを同時並行でやり切る必要がある。また、日々向き合うパートナー企業の経営者の方々はキャリアも人生経験も自分よりもずっと積まれている。経験値も違えば、力量も違う。その力の差を前にして自分の無力感を感じることもしばしばです。前職時代は大企業の看板のお陰で仕事ができていた、仕組みが整った状態で仕事をさせてもらっていた部分が大きかったと痛感することは多いです。ただ、着実に自分の視野が広がり、視座が高まっていくような感覚があり、その時は嬉しい気持ちになります」 

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