INTERVIEW
B.LEAGUE(Bリーグ) 島田慎二チェアマン 特別インタビュー

B.LEAGUEは、スポーツの力で「感動立国」を目指す。世界初の「新たなリーグモデル」で挑む社会変革

掲載日:2025/03/11NEW更新日:2025/03/13
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2025年2月――B.LEAGUEが、全16職種・20名以上にわたる「大規模採用」を実施へ。今回の募集にあたり、島田慎二チェアマンの特別インタビューをお届けする。なぜ、B.LEAGUEは新たなビジョンに「感動立国」を掲げるのか。そして、世界でも類を見ない新たな「リーグモデル」への挑戦とは――。クラブ経営支援、地域事業の創出、グローバル戦略…多岐にわたる募集ポジションへの期待と合わせて話を聞くことができた。

▼島田チェアマンからの動画メッセージはこちら

「感動」と「ワクワク」で、新しい日本のあり方を目指す

2050年に向け、目指す世界観として「感動立国」を掲げるB.LEAGUE。このビジョンに込めた思いから聞くことができた。

Jリーグにおける100年構想にも近いものですが、もう少し短いスパンで、たとえば、今の子どもたちが大きくなり、社会の担い手の中心となる「2050年」を目指し、掲げたビジョンが「感動立国」です。「感動」と「ワクワク」で新しい日本のあり方を目指す、高い志を込めた言葉となっています。

2050年、B.LEAGUEはどのように社会に貢献し、どんな姿になっていたいのか。それらを考えていく前提として、どのような未来が待っているのか。スタッフからさまざまな意見を聞いたのですが、「人口減少」「環境問題の深刻化」「日本の衰退」などの「負」のキーワードが多く出てきました。とてもよく理解はできるものの、本当にそれで良いのか?ネガティブな側面に引っ張られすぎているのではないか?という思いもありました。特にこれからの時代を生きていく子どもたちのことを考えれば、今を生きる大人たちが無責任ではいけない。そういった意味で「感動立国」は「まだまだ日本はやれるぞ」「大人たちがしっかりやっていこう」という表明に近いメッセージでもあります。

このビジョン実現に向け、どういった取り組みを進めていくか。まずは5ヵ年での中期経営計画を発表したのですが、はじめの一歩として今まさに2026年秋までの「B.革新」を推進しているところです。

もちろん、日本代表をはじめ「バスケットボールの競技レベル」強化は重要テーマです。ただ、それだけではなく、いかに強いビジネスモデル、そしてスポーツ産業を構築できるか。それぞれのクラブの「経営力」を向上させ、社会的なプレゼンスを上げていく。そのためのイノベーションを「B.革新」の本丸に据えています。

たとえば「シーズン戦績によるリーグ昇降格」を廃止。入場者数、売上、魅力的な試合創出、地方創生の核となるアリーナなど、クラブの総合的な「経営力」を評価し、最上位リーグである「B.LEAGUE PREMIER」への参入が決まる仕組みを取り入れました。全国どのクラブにも「B.LEAGUE PREMIER」参画のチャンスがあり、私たちが知る限り、世界初の「クラブの経営力を指標とするリーグモデル」へのチャレンジです。

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2024年12月、初となる審査の結果「2026-27シーズン B.LEAGUE PREMIER」は東地区・西地区合わせて全26クラブの参入が決定。今後、審査は毎年実施されていくという。

とくにアリーナについては、バスケットボールの試合のより良い環境はもちろん重視しますが、その他のコンサート、コンベンションなどイベント開催等、多目的に使用でき、さらに、災害時などにアリーナを避難所として活用できるか、そういった地域貢献の度合いも重視します。つまり、収益性、社会性を両立し、いかに関係人口、交流人口を増やし、地域活性化・経済効果など良い循環を生み出せているか。じつは、そういった「アリーナ価値の提示」は、自治体・議会から理解が得やすいことも重要なポイントです。つまり仮にクラブのシーズン戦績が芳しくなかったとしても、経営力があれば、上位リーグに残留でき、持続的な地域への価値還元が期待できるということ。それであれば自治体・議会としても承認がしやすい。実際、この数年で全国的にアリーナ建設が加速度的に進めることができた、大きな要因になったと考えています。

もちろん、これまで採用してきた「シーズン戦績による昇降格モデル」には、シーズン終盤、昇降格がかかった試合観戦のワクワク、ハラハラはあるかもしれません。ただ、その当事者となるのは毎シーズン、数クラブに限られてしまいます。そこにフォーカスをするのではなく、全てのクラブにおいて、アリーナにおける日々の観戦体験クオリティ向上、感動の提供に重きを置いていく。その結果、集客や売上、地域貢献的価値が向上し、クラブが成長していく。そういった健全な競争こそ、業界全体の発展に資すると考えています。

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B.LEAGUEではより詳細な「中期経営計画」を発表。その背景について「上場企業のIRのように、スポーツ界でも事業上の数値目標をオープンに掲げることが重要だと考えました。」と話す島田チェアマン。「B.LEAGUEは、スポンサーや地域から支援を受け、社会的責任のある事業活動を行なっています。そうである以上、どのような世界観を作ろうとしているのか、その実現に向けてどういったプロセスを辿るのか。なぜアリーナ建設が必要か、経済的価値、社会的価値含めて提示していくことが欠かせません。もちろん、大々的に発表するからには実現しなかった時のリスクもあります。ただ、それ以上に攻めていく姿勢を示すことが大切だと考えました。明確な指標をステークホルダーにも知ってもらった上で、今まさに関係者全員、同じ思いで戦っているところです。」

B.LEAGUEは「今」が最もエキサイティング

まさに大きな革新に挑むB.LEAGUE。その上で最も重要になるのが「人」だと島田チェアマンは話す。

「感動立国」実現に向けた中期経営計画、そして「B.革新」を進めていくために最も重要になるのが「人」です。やるべきことは山のようにあります。まずはここからの1年で、細かなところも含め、さまざまな制度・仕組みを変えていけるか。実装していけるか。正念場でもあり、その後の未来を大きく左右するターニングポイントになると考えています。

直近、大きなトピックでいえば、NBAとの戦略的提携(※)がありましたし、「B.LEAGUE PREMIER」における新たな競技におけるレギュレーションも発表したばかりです。いかにより良いプロセス、成果を2026年の秋に取り入れ、次につなげていけるか。そういった意味でも、新たな仲間を迎える今回の大規模採用は非常に重要な位置づけにあります。

(※)2025年1月、B.LEAGUEはNBAとの戦略的提携を締結。エリート選手の育成、共同プロモーション、物販&ライセンス事業の3分野で協力を模索していくとする。また、B.LEAGUEは2030年までにNBA選手を5名輩出する目標を掲げ、選手に海外経験を提供し、競技・強化面やメディアプロモーションで相乗効果を目指す。

続いて聞けたのが、B.LEAGUEで働くことで得られる経験・キャリア、働きがいについて。

まさにB.LEAGUEは、ダイナミックな変革の最中にあります。スポーツ界において、ここまでのフルモデルチェンジは歴史上なかったはず。B.LEAGUEは今年で10年目を迎えますが、たとえば、数十年後に振り返った時にも「間違いなく、2025年がターニングポイントだった」と言われるタイミングになるはずです。その一翼を担う中核メンバーとして活躍ができる、またと無い機会になるでしょう。また、ここからの数年間の経験は、スポーツ産業のみならず、どういった領域でも活かせるキャリアの財産となるはずです。

当然、日々やるべきことは山のようにあり、目の前の壁、課題に向き合っていると、あまりスケールや意義を感じづらくなる場面もあります。全てが初めてのチャレンジですし、決して甘いものではありません。いかに持続し、結果につなげていくことができるか。全員で歯を食いしばり、向き合っているところですし、タフな仕事だと思います。

ただ、その分、成し遂げた時のスポーツ界に対するインパクト、社会的な影響は大きい。きっと「未来」がその功績を証明してくれると信じています。ぜひ「高い壁を乗り越えた、その先を見てみたい」「プロバスケットボールリーグで日本社会を変えていきたい」といった気概がある方に飛び込んできてほしいです。そういう方であれば、必ず楽しめますし、最高にエキサイティングな環境だと思います。

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16職種と多岐にわたる今回の募集。それぞれ重要ポジションであるといった前提のなか、スポンサー営業、クラブ経営支援を例に、期待する活躍について聞くことができた。「非常に重要になるのが、いわゆる“スポンサー獲得を行なう営業”です。ただ、今の時代は単純な「看板への広告出稿」などの提案だけで成り立ちません。B.LEAGUEとのスポンサーシップを通じ、いかに事業とソーシャルインパクトが共創できるか。B.LEAGUEではそのビジネス改革を「SOCIAL INNOVATION HUB」として位置づけています。パートナー、メディア、地域、クラブのハブとなり、持続的な発展につなげていく。そういった次世代ビジネスの根幹を担う、事業企画・開発に近い領域の活躍に期待しています。​また、これまで各クラブの代表に伴走し、サポートやコンサルティングを行なう“経営支援ポジション”を募集しています。クラブの成長なくしてリーグの発展はありません。そして、あくまでも先に挙げたポジションは一例に過ぎません。制度改革である「B.革新」、そしてビジネス改革である「SOCIAL INNOVATION HUB」を強力に推進していく、そういった仲間を全方位的に求めています。」

日本を明るく、活気ある国に。次の世代につなぐバトン

そして最後に聞けたのが、島田チェアマンが描く「2050年の理想」について――。

日本が少しでも明るく、活気のある国となっていてほしいですね。何よりもB.LEAGUEは「地方創生リーグ」を標榜していますので、クラブのホームアリーナが全国各地に誕生し、地域が活気づく。社会に貢献していく。B.LEAGUEがそういった価値のある存在になっていることが一番の願いです。

その頃、おそらく私はB.LEAGUEにはいないでしょう。ただ、全員の力を合わせて今がんばっていることが、25年後、どう結実しているかがとても楽しみです。そういった未来を思い描き、この数年間で革新を進めていきます。エンジンをかけ、スタートダッシュし、次世代に勢いをパスしていく。あとは次の世代がバトンをつないでくれることを期待しています。

最後に、「日本でバスケは流行らない、日本人は世界に通用しない。」といった常識に臆することなく、私たちは挑戦をしてきました。その挑戦はこれからも続いていきます。むしろこれからのチャレンジのほうがより大きなものになっていくでしょう。その先には、必ず心の底から奮い立つような「感動」があるはずです。バスケットボール、スポーツ、エンターテイメントを通じた「感動」の提供、そして新しい日本のあり方を共に志していきましょう。

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