ゴールドマン・サックス証券出身の野原秀介氏率いる「X Capital」。日本を代表するエンタープライズ企業をクライアントに抱えるプロフェッショナルファームとして飛躍的な成長を続ける。ビジョンに掲げるのは「日本経済に、パラダイムシフトを。」今回お話を伺ったのは同社で執行役員として活躍する梅田栄美さん(31)。もともと大手外資ITでインフラ構築プロジェクトに携わるなどキャリアを築き、2021年にAMBI経由で入社した彼女。そこにはX Capitalが掲げるビジョンへの共感、そして、自らの仕事で「日本の中核産業にインパクトを与えていきたい」という志があった――。
X Capitalの強み
事業環境の変化やライフサイクルの短期化により、あらゆる企業や組織が未知の課題と直面する時代。高い専門性だけではなく、より複合的・横断的な知見が課題解決のために求められている。X Capitalは「領域を横断したノウハウの提供」と「鋭敏なビジネス感覚」を武器に、日本を代表する大手企業への支援を中心に、創業以来成長を続けている。強みの源泉となっているのはメンバーのバックグラウンドの多様性だ。少人数ながら各社員の出身領域を見ていくと、金融・SIer・メーカー・デベロッパー・通信・小売り・官公庁・教育など多岐にわたる。起業経験者やベンチャー企業で事業開発責任者を務めていたメンバーも多く、こうした多様性が複雑化する事業課題の解決を可能にしている。共通するマインドとして「現状打破への志向性」と「当事者意識」が挙げられる。「日本経済の課題」「クライアントの課題」「自社の課題」「自分の課題」これらを切り分けてしまうのではなく、全てを地続きの課題として捉え、「何かを変えるためには、まず自分が変わる」という姿勢が社風になっている。
「日本経済に、パラダイムシフトを。」の道筋は、自分たちで描く
まずは「X Capital」入社の決め手から伺ってもよろしいでしょうか。
面接で志望度が高まった部分は大きいのですが、特に決め手になったのは社長である野原とのやり取りでした。まずX Capitalが掲げる「日本経済に、パラダイムシフトを。」というビジョンに強く共感をしました。同時に、当時はまだ事業立ち上げ後間もない状況(1年足らず)だったこともあり、未完成な部分も含めて率直に話をしてもらえたのが、私のなかですごくプラスでした。今は事業基盤も整ってきて、今後の事業展望についてもよりクリアに議論できるようになっているのですが、不確実で複雑な社会において「こうすれば社会が変わる」という絶対的な答えはありません。現状を正しく受け止め、柔軟に手段を考え、できることを積み重ねていく。大きなビジョンを持ちつつ、変化しながら、一歩ずつ実績を築く。創業まもないベンチャーですから、挑戦のなかから自分たちで「答え」を見つけていく。そういった考え方にも魅力を感じました。何より、優秀な仲間、精鋭チームで大企業の中枢に入っていける。介在価値を発揮できる。ここで日本の中核産業にインパクトを与える挑戦がしたいと考え、入社を決めました。
前職では外資IT企業にてインフラ構築のプロジェクトに従事していた梅田さん。前職時代、転職を考えた一つの動機として「自身の介在価値が感じにくい点があった」という。「大規模プロジェクトに携わっていたのですが、安定稼働とスケジュールが最優先事項でした。裏を返せば、あらゆる物事が予定調和ということ。どうしても仕事において自身の介在価値が感じにくい状況で。“自分がどう関わってもどうせ物事は変わらない”という無力感を打ち破りたい気持ちもどこかにあった気がします。また、これからのキャリアを考える上でも、技術サイドからビジネスサイドにシフトしたい思いもあり、転職を考えました」
「徹底した現場主義」で見抜く問題の真因
続いて、仕事のやりがいについて教えてください。
真に求められるもの、役に立つことをハンズオンで考え、組織に浸透させていく。企業のパートナーとして実行し切る。自分主導でそういったプロジェクトの中心を担えるのが大きなやりがいです。お客様からも「パートナーだと思っています」といった言葉をいただいたことがあり、とても嬉しかったです。
特に重視しているのが「絵に描いた餅」にしないこと。「常にクライアント目線を持ち続けること」が価値提供の核だと考えていますが、実際お客様からも高く評価を得ている部分だと自負しています。例えば、クライアント企業がメーカーであれば工場、物流拠点の現場にも足を運び、問題の真因を見抜き、正しい課題設定を行っていきます。日々発生する課題は、最前線で業務を遂行する「現場」にこそあります。その感覚を欠く戦略は十分に効果が発揮されません。だからこそ「現場」の声に耳を傾け、自らの一次情報を拾い、思考を深めていく。それが戦略の成功への道筋だと考えています。
また、大企業の多くが「DX推進やデータ活用に取り組まなければならない」と強い危機感を持っているものの、どう取り組めばいいのか、あまりに複雑な問題を目の前にして頭を抱えている現状があります。そういった課題に正面から向き合っていける。自身が介在することで解決へと導くことができる。その手応え、介在価値が感じられるのは、少数精鋭で携わる魅力です。当然、裁量も大きい。私自身も入社後まもなく、サポートをいただきながらですが、大手企業の中枢事業に関わるプロジェクトに参画させてもらうことができました。年齢や経験年数は関係なく、次々に新しいチャレンジの機会を得られる。前職ではまず考えられなかったことですね。
入社2年で執行役員に任命されるなど活躍している梅田さん。自身でも大手メーカーのプロジェクトを担当しつつ、メンバーのマネジメント・育成も担う。特にDX推進、定常的に運用・自走できるデータドリブンな組織構築のための基盤づくりの支援などを強みとする。活躍のために重要な資質として「答えのないなか、自らやるべきことを考え、トライできること。困難な壁にぶつかっても“何とかする”というマインドで臨めること」と答えてくれた。
「どうせ変わらない」ではなく「自分たちで変える」
今後「X Capital」での目標があれば教えてください。
長期的な目線での話になりますが、会社として掲げる「日本経済に、パラダイムシフトを。」を実現させていく。日本社会に良いインパクトを与えていく。そのために貢献していきたいと考えています。日々携わっているプロジェクトの規模、インパクトからしても、さらにX Capitalが成長していくことで、それらは決して夢ではないと考えています。
正直、X Capitalに入社するまでは「日本経済」といった広い視野で物事を考えることはなかったように思います。私自身、世代的にも“景気が良い日本”を一度も知らず、経済的に衰退し続けるなかで育ってきたためか、どこかに「どうせ何をしても変わらない」「自分にできることはたかが知れている」という考えがあったのかもしれません。
ただ、X Capitalでさまざまなプロジェクトをマネジメントしていくなか、企業が変わる瞬間を目の当たりにしてきました。この仕事の先には、必ずより良い日本の姿があるはず。世界に誇れるモノをつくっている日本が、このまま世界で負ける姿を見たくないと考えるようになりました。自分にもできることがある。そう感じられるようになったことが、一番大きな変化だったと思います。
そして、現在、X Capitalは事業規模をどんどん拡大し、新しいミッションやポジションが生まれています。一人ではできないこと、個人であれば挑戦できなかったであろうことに出会えるのが仕事のおもしろさ。そういった未知なことに出会い、これからも新しいチャレンジを続けていければと思います。